ENTJはその恐ろしそうなイメージからちょくちょく怖がられたり性格が悪いと風評被害を受けたりしますが、その中でも特に面白いひどいのが「サイコパス」というもの。
今回はそんなENTJのサイコパス要素……もとい、なぜそう呼ばれるのかを、実際のサイコパスに当てはまる箇所当てはまらない箇所含めていろいろ挙げていければと考えております。
ENTJがサイコパスと呼ばれる理由
1.徹底した合理主義
ENTJの基本方針は合理徹底。つまるところ「いらないものは切り捨てる」です。
例えば自爆スイッチみたいな男のロマンを「それ、いるの?」と口をポカンとさせながら言っちゃう。そんな合理性の塊みたいな人たちです。
不要なものは全て排除。いるものと必要そうなものだけでシステムを構成し、考えうる最短ルートで達成する。それがENTJの長所であり怖がられるポイントのひとつです。
いらないものは切り捨てるということは、不要な人たちもバッサリ切り捨てるってことです。
そうやった結果背中を刺されたENTJは数知れず……
2.とことん結果主義
Te(外向思考)が主機能であるENTJは、とにかく結果主義。最悪「帳尻さえ合えばいい」という考えのもとに行動するので、その点を不気味がられることがあります。
要するに「人の気持ちを慮って遠回りする」とか「結果が振るわなくても努力を評価する」とか、そういう人情主義みたいな思考回路を一切持ち合わせていないわけですね。
この点は本物のサイコパスと合致する点であり、ある意味「サイコパス」呼ばわりは間違いとは言い切れない点ではあります。
3.とにかく圧が強い
この点は同じTe主機能であるESTJとも被るのですが、とにかく圧が強く相手を押しつぶすようなプレッシャーを放っている人も多いタイプです。
当人は至ってのほほんとしていても、周囲からすると「もしかして怒ってる?」「あの人の前だと下手なことを言えないから怖い」と思われていることもザラです。
なんというか、怖いんでしょうね、多分。
実際の定義はともかく、世間的には怖い人≒サイコパスです。こういう自覚のない恐ろしさからも、サイコパスという扱いが生まれているのかもしれません。
4.非情な判断も辞さない
当人の気質はどうあれ、重要な選択を迫られたENTJは慈悲とは程遠い存在です。何が必要で何が不要かをしっかり嗅ぎ分け、必要なものを取ります。
要するに「有能な悪人と無能な善人のどちらと組みますか」みたいな話だと、「悪人に手柄を持って行かれるよりはマシ」みたいな変わり種な思考をしない限り前者を取ります。内心はどうあれです。
こういう一種の非情さ・冷酷さが、周囲の目にはサイコパスに見えることもあります。
5.論破魔・ロジハラ体質
ロジックで動くことが多いENTJは、基本的にロジハラ体質と言っても間違ってはいないでしょう。
間違った判断を下す存在、筋が通らない存在、感情で動くだけの存在のことごとくに正論パンチをかまし、ぐうの音も出ないほどに論破します。
そんな体質もあって、特に自称HSPの人たちからは大変恨まれます。そして本物のHSPをひどく傷付けます。
当人曰く、「別に悪いことをしてるつもりはない」。
そうやって恨みや逆恨みを募らせていくわけです
6.目的最優先
なぜENTJが合理主義や結果主義を掲げるのかというと、目的の達成を最優先に考えるからです。
結果が最優先のENTJからするとどんな綺麗な道程・過程でも目的を達成できなければ意味がないわけで、そのために常に目的・目標を意識します。
目的達成のためには情緒も風情も道徳も邪魔だと考えるところがあり、そこがサイコパス呼ばわりされる要因のひとつとなっています。
うちのサイト開発担当は道徳主義的な考えには露骨にイライラしてましたね。
そういうところが社会で受けが悪いんだぞ〜。まあ私もどうでもいいですが、道徳
7.感情への配慮がない
情緒、繊細さ、慈悲、いたわり。そんなもの知りません。それがENTJです。
自分も感情的配慮や人道的な対応を求めない代わり、ENTJ本人もそういったことは一切しません。
目的の達成か未達かが全てだし、合理的観点から正しいことが重要なのです。
人の感情を無自覚に踏みにじってしまうところがあり、あとで泣かれて当人も慌てることが多かったりします。
8.独特な思考回路
ここがESTJと違うポイントですね。ENTJは社会に適応するのではなくもっと別の、自分の目や頭で弾き出した合理的な筋道を打ち立てます。
要するに、考え方が社会や常識から完全に独立しているというわけですね。
あえて言葉に出すなら「常識も非常識も織り交ぜた多角的視点から判断した自分なりの答え」みたいなものですが……何にしてもなかなか理解できないものには変わりありません。
そういうところが「気持ち悪い」「サイコパス」と謂れもない風評被害につながる可能性、あると思います。
9.ルールを守らない
ここもESTJとは大きく違うところですね。ENTJは積極的にルールを破る方ではありませんが、自分が「非合理的だ」「これいらないだろ」と判断したルールは基本的に守らないタチです。
この辺り、徹底した合理主義ゆえといった感じですね。ルールよりも合理主義と結果主義が優先されます。
日本ではルールを守らない人は軽蔑される傾向があります。ある意味、サイコパスというのもルールを守らないがための蔑称のひとつなのかもしれません。
10.人を駒のように使う
ENTJは人を使役するのが大得意なタイプのひとつです。長所と短所をしっかりと見抜き、巧みに人を操ります。
ですがその姿がアメをやらない性格や合理的すぎる点などと合わさり、必要以上に「人を操ろうとしている」と思われてしまうところがあるようです。
要するに、ネガティブな感情を抱いた存在は悪く見えるというやつですね。
なまじ人を操ることがうまいせいで、サイコパスの「人を操ろうとする」という特徴と合致して見えてしまうことがあるのです。
大抵の場合、「人を操ろうとしている」は勘違いですね。当人はナチュラルに操ってしまっているだけです。
え、それが悪いことなんだって?
11.人をアゴで使う
これ本当ENTJの悪い癖だと思うのですが、気に入った相手ほどアゴで使いたがるんですよね。「阿吽の呼吸でわかるやろ」と言わんばかりに。
しかも感情への無配慮が欠点。つまりいちいちお礼を言わない人もそれなりにいます。
そういうのを見ている人からすると、「こいつは人に動いてもらって感謝もしない」「人を動かしてやってるつもりでいる」と映るかもしれません。
12.自己中心的
実際はそう見えるだけで自己中の割合は他タイプと大差ない気がしますが……とにかく誤解されやすいのがENTJ。
目的最優先の合理的な判断や人をアゴで使う性質、アメをやらない性格など、いろんな要素が複数重なって非常に自己中心的な人に見えてしまいます。
実際は自分たちのチームや気に入った人たちにいい思いをさせるための必要な犠牲を払っているだけに過ぎなくても、他人からは「自己利益のために他人を蹴落としている」と見なされてしまう。この辺、理解されづらい性格のつらいところです。
13.権力を欲しがる
実際のところは権力があった方が物事をうまく運びやすいから欲しがっているだけ。
でも権力を欲していることに変わりはありません。悲しいことに、周囲からは権威にしがみつく愚物と大差ない目で見られます。
結局、こういうところがサイコパス呼ばわりされてしまう要因の一つなのでしょう。ただの勘違いがほとんどです。
14.冷酷
これもそう見えるだけですね。
ENTJは必要があれば人を切り捨ててしまうところがあります。そういう時に「あいつは冷酷だ」「人の心がない」と思われてしまうことがあるようです。
見ていて気持ちのいい人情が持てはやされる世間では冷酷≒サイコパス。ある意味、サイコパス呼ばわりは当然なのかもしれません。
15.なんか怖い
サイコパス呼ばわりの頂点とも言える理由が怖いからだと思います。
合理的で圧が強くて結果主義で人情を軽視するENTJは、世間では非常に怖がられます。実物がゴロゴロしてるところでも見ない限り、一貫して「怖い人」です。
最初の方で言いましたが、世間では怖い人≒サイコパスです。つまり、ENTJは怖いのでサイコパスです。
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安易なサイコパス呼ばわりに思うところあり
今回はENTJ=サイコパスという意見が出てくる理由について色々述べましたが、そもそも気に入らないから、怖いからという理由で安直にサイコパスというレッテルを貼るのはどうなのでしょう?
サイコパスには、厳密でないもののある程度の共通点が見られます。
・望むものさえ手に入れば何でもよく周囲を顧みない自己中心性
・嘘もいとわず人の心に付け入ろうとする邪悪性
・共感力と自分の非を認める潔さを持たない冷酷さ
・責任感と良心の呵責の欠如
・刺激を求め自他の安全を顧みない暴力性
これらが合わさり、サイコパスという人格障害を形成しています。
一方のENTJはというと、確かに自己中に見えるかも知れませんがその人次第だし、別に嘘をつくタイプでもありません。理屈が合わなければ非は認めませんが潔さはありますし、責任感は強い方です。
このようにサイコパスとの類似性は表面上ありますが、「望んだ形に収まるならば何でもいい」という結果主義的な部分くらいしか根っこからの類似性は見られません。
要するに何が言いたいかというと、気に入らないから、なんか冷たいから、怖いからと、必ずしもサイコパスであるとは限らないということです。
言いたいことは、気に入らない人間にサイコパスのレッテルを貼るのは良くないよということです。
サイコパスはれっきとした障害であり、ただの悪口ではありません。
そのことをよく理解して言葉を使っていきたいものですね。
まとめ
というわけで、今回はENTJとサイコパスについてでした。
確かに一見するとサイコパスに見えなくもないですが、実際のENTJはまったくサイコパスとは関係ない、血の通った人間です。
彼らなりに物事に共感することもあれば、悩みまくることもあります。
怖がるときは、せめてサイコパスではなくあくまで1人の立派な人間として怖がるようにしましょう。
といったところで、今回はここまで。
普通のENTJ解説も行ってますので、よろしければそちらもあわせてご覧くださいませ。
筆者:春眠ねむむ
X :@nemukedesiniso
threads:@shunmin.nemui
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