今回は俗に言うMBTIの心理機能:Fi(内向感情)についてですね。
いわゆるお気持ちというやつで、そこばかりがクローズアップされて「残念機能」のように語られることは多いですが、事はそう単純ではありません。
とりあえずここでそれを語るのもアレなので……ともあれ、今回はそんなFiを見ていきましょう。
Fi(内向感情)の特徴
公式書籍によれば
- 周囲に柔軟でひらかれた態度で接し、いろいろなことに考えをめぐらし、温和で謙遜したひかえめな印象を与える
- 自分自身も含め、一人ひとりが尊重されることを大切にする
- この世に生けとし生きるものに対する多様性に興味を持つ
- 自分にとってとりたてて大切でないことに対して、一貫した態度をとることを難しく感じることがある
- 勝手に自分の中でなにか決めつけてものごとを受け取ったりせず、許容範囲が広いような印象を周囲に与える
- 優柔不断であると自分で感じたり、周囲からもそう受け取られる事がある
- 信念を強くもっていることに対しては、うって変わって、一貫した揺るがない態度を取る
要するに……
- 自分もOK、相手もOK!
- 興味の有無が分かりやすく、興味が薄いものには一貫性がない!
- 優柔不断だが、それは許容範囲とストライクゾーンが広いせい!
- 信念が強く、自分が強く信じるものに対してはどこまでも一貫している!
Fiが高いタイプ
主機能
補助機能
個人的な解釈
お気持ち、と言われるとその通りですね。実際、未熟なFPたちは自分の気持ちに沿うものばかりを大事にして沿わないものを痛烈に批判し、中にはその姿勢を「理論的だ」とのたまい開き直ってる奴らもいます。
ですが、そんなFiがゴミ機能なのかというと、「断じて否」と答えさせていただきます。
Fiというものは、基本的には気持ちです。ですがこれは自分の気持ちだけではなく、相手の気持ちも含まれます。
「自分は自分、人は人」を地で行くため、不健全でもない限り差別意識を是とする事はありません。
また、信念と美意識の人でもありますね。Fiを持つ人たちはそのほとんどが個々で「これ」と定めた価値観や信念があり、それに対しては非常に忠実に生きます。
ある意味では、「自分なりの正義」「自分にとって正しい事」ともいえ、社会的な道徳や周囲の都合に振り回されない本物の良心とも言える機能です。
とは言え、やはりお気持ち主義の人がいるのは事実。特に自分が報われていない気持ちを抱えているような人は自分の一方的な気持ちを押し付けて、勝手に正義と悪で区分けして暴走することもあります。
さらにはその正義と悪が気分によって変わることもあるので、その一貫性のなさと攻撃的な姿勢が周囲を困惑させることもあるでしょう。
Feとの違い
基本的には、自他の気持ちをどちらも尊重するのがFi。自分よりも他人に、他人よりも全体の気持ちを考えるのがFeという違いがあります。
Feは道徳やポジティブさといった社会通念で大事とされているものを重視しており、特に自分が所属する集団にとって気持ちの良いことを好み、逆に集団にネガティブな影響を与えることを嫌います。
一方のFiは、多様性を尊重しつつも「人は人、自分は自分」を貫く事が多いです。Feが基本的に軽視しがちな自分の気持ちや少数派・弱者の権益というものにもしっかりと目を向け、「自分も他人もみんなOK」という環境を好む傾向にあります。
とはいえ、不健全な場合は自分の気持ちだけが優先されてしまい、結果として他者の権益を真っ向から否定することもあります。Feの方が、他者(というか集団と無関係な人たち)の権益に対しては一貫してドライですね。
Fiの欠点
感情機能という言葉が良くも悪くも非常にしっくりくる機能ですね。つまり、悪い方に転がってしまえば、みんな大嫌いお気持ち機能です。
Fiが強い人たちは同時にTeが弱く、どうしても自分の能力や力量を過小評価し、周囲からもバカにされやすいところがあります。
そのため人間関係のストレスも多く、その結果として刺々しく批判的で、自分のお気持ちだけを押し付けて他人を殴りつけるようなタイプの人になってしまうこともあるのです。
当然、全員がそうではありません。基本的には温和でありながらも自分の芯を強くもっったような人が多いのがFi持ちの特徴です。
ですが、その裏にはドス黒い気持ちも渦巻いており、その気持ちに身を捧げてしまい、中身のない批判やお気持ち表明しかできなくなってしまった人もいるのは事実です。
ぶっちゃけ、基本は「自分を大事にする」機能ですよね。それが「他人にも自分を大事にするよう促す」という方向に転ぶか、「自分だけを大事にする」という変なことになるかという話なわけで……
Fi劣位の人たち
第3機能
劣等機能
Fiが劣位、特に劣等機能にある人には、だいたい以下の特徴が見られます。
- 自分の感情に対する未熟さ(暴発する、極端に避けたがる等)
- 自分の感情を拒絶される恐れ・自信の無さ
こと劣等機能にあるExTJは、特に強いストレス下では「自分のことを受け入れてもらえないのではないか」「人から否定され、迫害されるのではないか」という思いを抱いてしまう事が多いのだとか。
無論、この傾向は第3にFiを持つIxTJも同じです。やはり彼らも、同様に自分の気持ちを出す事、誰からも愛されない事を気にしたり、恐れたりしています。
また、劣等にあるExTJは時として自分の気持ちや不安を制御できなくなったり、癇癪を起こしてしまうこともあるようですね。
Fiが上位でも人によってはこれを意図してキレる事はあるのですが、ExTJは自分の気持ちを普段嫌がって抑えている分、より大きな爆発になってしまうこともあります。
どちらも情緒不安定で感情的な人間であることを恐れ、時に過度に気持ちを押さえ付けたり、時にはFPたち以上に感情に身を委ねて開き直ることもあるようです。
筆者:春眠ねむむ
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