【ユング心理学】内向的直観型とは

ユング心理学
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今回はユング心理学より、内向的直観型について軽くまとめてみようと思います。

ガチ記事と異なり、こちらは比較的さっくりを目標にやっていければと考えています。

私なりのガチ考察が見たいという方は以下のページをご覧ください。

内向的直観のあり方

基本的に書籍に書かれている役職は、「神秘的な夢想家」「シャーマン」と、おおよそ現代に即した役職ではありません。

要するに、かなり生きにくいタイプと言えるでしょうね。実際、内向的直観型は普通の人はまず見ないもの(浮世離れしたもの)を見ている人たちと言えるかもしれません。

大体のユング始め大体の人や書籍は、彼らの適職を「宗教家」「芸術家」と述べていますね。

あかつき
あかつき

また芸術家か……!

実際、内界で情報を自分色に色付けすると、大抵独自性があるものや味のあるものが仕上がるとは思いますが……こう、他にやれることはないんですか?これじゃこの人たちガチの無能(ry

実際、芸術家や詩人はこのタイプが多いとされています。あとは(個人的な解釈になりますが)頭の良さを活かして哲学者をやる人もいそうですね。

ユングは芸術家を志向しないこの人たちを以下のように語っています。

埋もれた天才・ぶらぶらしている大人物・馬鹿と天才の紙一重的人物・「心理」小説に出て来そうな人物であることが多い。

おおよそ、不可思議な生命体みたいに書かれてますね。なかなかの言われようです。

実際、このタイプには生活感がありません。現実に起こっていることを話しても「ああ、そうなのか」で反応を終わらせたり、「そんなこともあったけ」とすっとぼけたりします。

とはいえ、判断機能(思考または感情)を働かせることにより、一気にこのタイプは大化けすることもあるのだとか。

いずれにせよ、かなり癖のある心理機能、そしてそれを有したタイプの人と言えるでしょうね。

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判断機能が発達していないと……

このタイプ、割と判断機能をある程度強める必要があるようで、ユング曰く「内向直観型の本性そのままでいるわけにはいかない」とのことです。

というのも、先述した「埋もれた天才」のくだり、あれは内向的直観型が内向的直観のみに頼った結果の人物像なのです。

内向的直観のみに頼って生きていたのでは、残された道は芸術家となるか、あるいは僅かな信者のみを引き連れた思想家、宗教家としての道のみ。

現代社会に普通に適応しようとしても、どこか粗の目立つ人となり、また当人も苦しい思いをすることでしょう。

当然、自分の直観世界に引きこもるのでは、さらに人生はハードモードになってしまいます。

ユング曰く「直覚するだけで満足してしまう」「目の前の現実からしばしば極端に離れるようになり、身近な人からすら謎めいた人物と認識される」。

要するに自分の中で何かしらのビジョンを見るだけで満足してしまい、現実を一切見ず、ひたすら浮世離れしてしまうということですね。

ユングとは別の書籍ですが、とある小説家は妻と6人の子供がいるのに、自分が感じた神秘の世界を本に記すばかりでビタ一文稼ごうとしなかったとか。これなんかは、まさに内向的直観マシマシのよくあるパターンですね。

ユングは唯一芸術家の道のみを「あらゆる色彩を放ち、意味深長であって陳腐、美しくてグロテスク、高尚であって気まぐれなものとなる」と好意的(?)に述べています。

あかつき
あかつき

うっわ……。それでも「わかる人にしかわからない」を地で行くクリエイターじゃないですか……

もっとも、希望がないわけではありません。ほんの少し、わずかでいいので判断機能(おそらく外向的思考/感情)を分化すればいいのです。ユングがそう言ってた。

判断機能が発達すれば、ただ自分が何かを見るだけで満足するのではなく、(才能を役立てようとするか自分の仮説を実証するためかは別として)世界にも関わっていく意欲が湧いてくるはずです。

現実世界にはとことん疎い

このタイプの人たちは、思考とビジョン構築には凄まじい才能を発揮する一方、現実に起きた出来事や自分の周囲の異変にはどうにも疎いところがあります。

例えばユングのタイプ論で書かれていた内容ですが、「焚き火をしている田園地帯を車で小一時間ほど走ったところ、そこでやっと煙と臭いに気づき、しかも車の異変と勘違いした」という話が載っています。

あるいはこの人たちは自分が怪我した時に数時間経ってから怪我に気づき、そこで初めて痛みを自覚することもあるでしょう。

河合隼雄氏は「現実世界に起きたことに対しても『そんなこともあったっけか』で済ませてしまう」という旨を述べています。

そんなこんなでとにかく鈍い。そして時として笑えるくらいに目先のことに興味がないです。

見ようとしているのは、物の本質とか関係のないこととか、そういうのばかり。

例えばさんさんと照りつける日差しを浴びれば火事について考え、トイレで用を足している時に人の営みについて考え……。

一応考えを巡らせるに至る要因は何かあるのですが、その結果が突飛もなかったり、明らかに「今やってる事とどう関係あるんだ?」と首を傾げたくなるようなものばかりだったりします。

まあ、だからこそ突出したアイデア力と思考力を持つわけなのですが……。

劣等機能:外向的感覚

劣等機能は、外向的感覚。つまるところ今この瞬間を捉える力と観察力です。

このタイプ、思考力とアイデア力とぶっ飛んだ意外性はかなりのものなのですが、そのぶん目先の観察力が犠牲になっているところがあります。

要するに外界(自分の周囲やニュースなど)で起こっていることに関してはかなり無頓着、そしてめちゃくちゃ疎いということですね。

例えばガスの元栓をかなりの頻度で閉め忘れたり、買い物に行けば肝心な買うものを何かしら見落としていたりは割と日常茶飯事。

ひどい例になると、何かの勉強を始めようとするときに「まず概要を理解しなければ」と思い立ち、「◯◯とは」みたいな書籍ばかりを読むうちに時間を空費したりすることもあるようです。

それこそ、先ほどちょろっとお話しした焚き火をしている畑の話なんかもそうですし、何か拍子がずれているんですよね。

天然とか変人と言われがちなのも、このタイプあるあるでしょう。

要するに現実にうまく適応できない。これが一番しっくりくる表現でしょう。

あかつき
あかつき

あと、概要をついばむばかりで実際に動くことを軽視しがちなのもあるあるですね。積極的に「動かない」を選んでる私とは大きく違います

感覚を抑圧しすぎると

さて、そんなこんなでぶっ飛んだ天然さんの内向的直観型。もし彼らが感覚機能を疎かにするとどうなるのか。

堰き止められた水はいつか決壊します。似たように、押さえつけられた感覚機能は決壊・暴発してしまいます。

早い話が、強迫観念ですね。

何度も家の鍵を閉めたか確認しに帰ったり、全く気にしなかった見てくれを異常に気にして醜形恐怖に陥ったり、接種する栄養素を完璧な形で計算しなければ気が済まなくなったり……。

おおよそ、病的と言っていいほど目の前のことを気にしすぎるようになります。

感覚過敏に悩まされ、痛みも不快感も他の人よりかなり感じやすくなってしまうこともあるようですね。

あるいは客体への固着が強まり、「私にはこの人しかいない」と特定の人に依存を始める人も存在します。

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所感・個人的に思う内向的直観

当ブログでは毎度のように標榜していますが、彼らが見るビジョンはすなわち高品質な妄想、空想の類です。

高品質であるがゆえに細かいところまでしっかり描写されていたり、非常に精度の高い憶測として表出したりするわけですね。

とりわけユング心理学における内向的直観は詩的で不思議な存在と言えます。

それこそ、芸術家として生きれば奇抜で独特な世界観を生み出し、クリエイターとして生きればやはり奇抜ながらどこか惹かれる不思議なものを世に出していく人たちです。

とはいえ、MBTIで「本質を見抜く」みたいな書かれ方がなされているように、ユング心理学でも(主にユングというよりその影響を受けた人たちが)預言者・シャーマン・宗教家と、独特かつ特殊な役割にこのタイプを例えていますね。

実際、人が感じないようなものを何かしら感じ取り、それこそ大宇宙の心のようなものを読み取ることすらできたり(するような気がする)、森羅万象の声を聞いたり(したような気が)することができます。

一方で、現実世界にはとことん疎い。これまた、特殊な役割の人らしく、天然でちょっと風変わりなところが目立ちます。

洞察という観点からは鋭いことを言うのに、観察が必要な場面、例えば今この瞬間に何をすべきかとか何が起こったかとかを話させると色々とピントがズレてる。

なんというか、時系列順に物事を説明するのとかド下手くそな印象がありますね。

そんなこんなでかなり変わった心理機能である内向的直観。劣等機能の抑圧の末に気にしぃという形で暴発するのは、意外なような「だろうな」と言いたくなるような、ちょっと不思議な気持ちになります。

あとは、特定人物への執着。これははっきり言って意外でした。やはり感覚機能が過敏になるぶん自分の立ち位置が浮いていることに気づき、味方を欲するようになるのでしょうか?

ともあれ、不思議な人たちですね。活躍分野はかなり特殊になりそうですが、面白いものを見せてくれそうです。

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まとめ

というわけで、今回は内向的直観型についてまとめてみました。

やはりというか何というか、不思議な人たちという印象ですね。実社会とはどうやってもうまく溶け合わない、良くも悪くも不可思議な存在と言えるでしょう。

ですが、それだけに見えている世界も人と違います。ぜひともその世界を広め、その一風変わった世界観をもって人々を魅了していってもらいたいものです。

といったところで今回はここまで。他にも心理機能についてまとめておりますので、そちらも併せてご覧いただければ幸いです。

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