【エニアグラム】トライタイプ 269:善きサマリア人とは何者か

エニアグラム
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まあトライタイプは厳密にエニアグラムと言えるかどうかは意見が分かれますが……とりあえずそんなことはどうでもよろしい。

今回はトライタイプについて、△269、善きサマリア人(善人とも)についてまとめていきましょう。

善きサマリア人

センターホーナイハーモニクス3分類
本能遊離楽観調和
感情追従楽観攻撃
思考追従反応調和

善きサマリア人……新約聖書に描かれる一幕の話ですね。要約すると、こんな感じでしょうか。

盗賊に半殺しにされ、身ぐるみを全て剥がれた旅人がいました。

彼の前を通りがかった人は、司祭ですらみんな彼を無視しました。

ですがサマリア人(サマリア地方の人)が通りかかった時、その人だけは彼を介抱し、宿屋まで送り、宿代を払って宿の主人に旅人の世話を頼んだのです。

あかつき
あかつき

要するによくある美談ですね。……けっ

そうですね。美談です。おそらく↑のコイツみたいに、この手の話に良い印象を抱かない人も中に入るでしょう。ですがある種「手本とすべき」とされるようなお話です。

ともあれ、本題はそこではありません。とにかくトライタイプ269は、割と大真面目にこういう善行を働くようなタイプということです。

要するに善人ですね。平和的で善良で、人をよく助けようとするタイプ。誰かに「やれ」と命じられたでもなく、率先して善行を働ける稀有な存在といえるでしょう。

人と繋がる=強い

このタイプの存在意義や価値観は、ある意味単純明快です。「人と仲良くなる=偉い=強い」。雑にまとめればこんな感じでしょうか。

269たちの自尊心や自信はどれだけ人と仲良くなれたか、どれだけ人の役に立てたかにかかっています。
自分の名声や実績でもなく、実力でもなく、またコネでもない。単に「あの人から感謝された」「あの人に喜んでもらえた」と。それだけのために頑張ることもできるタイプの人物ですね。

まあこれが時として弱点にもなり得ますが……腹黒い打算や損得を抜きにして人助けができる点に関しては「善」と称して間違いないのではないでしょうか。

平和的に、友好的に

ちなみにこのタイプ、人助けに関しては矜持というか心がけがあるようで……。それが、「必ずその人にとって助けになること」そして「平和的で無用に周囲を荒らさないこと」の2点。

基本的にタイプ6とタイプ9を併せ持つ調和優先タイプであり、無駄に周囲を混乱させることはまずありません。

例えば誰かを助けるために他の誰かを積極的に犠牲にする(早い話が生贄みたいな手段)とか、あるいは諸悪の根源と言えるような人物を作り出してそいつを徹底的に憎むとか……
こういうことは、よほど事情があるか不健全なケースを除いてはまずやらかさないでしょう。

やるなら波風立たせず、平和に、そして極力みんなが納得するように。

当然絵空事ですが、まずそんな結果を求めなければ最善の手段は選べません。この組み合わせの人たちは、そのことを知ってか知らずか、まずは思いつく限り理想的な解決策を考えたり実行しようとします。

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トライタイプ269の弱点

さて、お気づきの方はお気づきでしょう。今回のトライタイプ269の解説、実のところ人助け関連のことしか話題に出しておりません。

そう、この「人助けしかない」という点が269の最大の長所でもあり、また短所でもあるのです。

とにかくこのタイプ、油断していると「いい人」しか特徴がありません。いや、それ以外の特徴を他ならぬ本人たちが拒絶し、消し去ってしまうのです。

あかつき
あかつき

そう!自分が無いんですよこの人たち!

自分が無いことが善だと思ってるところがある!

人と仲良くなること。誰かの助けになること。そして平和的であること。いずれも素晴らしいことですが、それらに集中するあまりとにかく自分のことに手が回らないのです。

例えば自分自身の本音なんてこのタイプからすればノイズ同然でしょうし、自分が向き合うべき課題をすっぽかすことにも別段問題を感じないかもしれません。というか、本気で自分のことがどうでもいいとすら思えてきます。

いい人以前に自分とは何か。そして受け身でいい人でいることが必ずしも最善の助けになるわけではないこと。この2つを見つけて理解することが、このタイプの成長の鍵を握っていると言えるでしょう。

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基本タイプごとの269

基本タイプが2(269、296)

受容的で穏やかながらも、なんだかんだで一番タイプ2をしているタイプ2と言えるでしょう。ある意味、囚われである「プライド」は最も高いタイプと言えるかもしれません。

人の役に立ちたいという気持ちは良くも悪くも本物で、とにかく人と関わり、助け、仲良くなることで自分を満たそうとする人たちです。まずもって孤立したり全員から拒絶されることのないタイプですが、同時に自分に目を向けることがとことん苦手です。

ちなみにトライタイプ中に退行先のタイプ8がないので暴走しても周囲を阿鼻叫喚に陥れることはあまりありませんが、とにかく自分の内面を無視し、ストレスが溜まって暴発しやすい点は注意が必要ですね。

269はより不安感が強く、そうせざるを得ない場面でも対立や葛藤が苦手で避けたくなるタイプ。296はネガティブな側面を無視しがちなポジティブ人間タイプです。

基本タイプが6 (629、692)

まさに善きサマリア人。穏やか、善良で人々の精神的な柱石となることもある人たちです。恐怖対抗型のこの人たちの姿が想像できない

自分の中の葛藤や乱れ、内面がぐちゃぐちゃになってしまうことを特に避けようとする傾向が強いタイプ6でもあります。そのためタイプ6の中では不安を感じにくくポジティブですが、そのぶん自分の内面や本音がわからず、当人にもわからないフラストレーションを溜めてしまう点も……。

タイプ6らしく安心感や安全を求める意識が強いですが、特にその安心を人に求める傾向が強いです。親友とか信頼できる少数の仲間がいるのといないのでは、人生の難易度が大きく変わる人たちでしょうね。

なお、人間関係重視型のぶん見捨てられ不安が強めなのはご愛嬌。

629は特に仲間意識と「人助けをしなければ」という強迫観念が強いタイプ。一方の692は特に親切心が強く、良くも悪くも自分の内面を見ることが難しいタイプです。

基本タイプが9(926、962)

受動的で慎重ですが、同時に役に立つことや人への忠実さを意識しやすいタイプ9です。

しばしば他人の助けを求める声に反応し、意外と能動的に人助けを行う人たちですね。また、269の「平和的に、そして友好的に人助け」の精神をより色濃く持っている組み合わせでもあります。

他の6−9系のトライタイプにも言えることですが、このタイプはタイプ9にしてはとにかく不安がる側面が目立ちます。特に269系の場合は見捨てられ不安が強く出やすいでしょう。

メインタイプが退行ラインと結ばれるとどうしても不安定になりがちです。しっかりとひとりの時間を確保し、内面の安定化を図ることが、平穏でいられる重要な鍵となるでしょう。

926はより人や組織に忠実で、自分の意見を言うことがとにかく困難になりがちなタイプ。962は自分を人助けによって確立しようとする傾向が強く、いい人ですが少々不安定になりがちです。

他タイプとの比較

筆者:春眠ねむむ
X :@nemukedesiniso
threads:@shunmin.nemui

 

 

参考書籍

 

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