エニアグラムのタイプ7は、楽しいことをどん欲に追い求める、いわゆる陽キャと言われるような人々がほとんどです。
何でもかんでも興味があれば飛びこみ、子供のようにはしゃぎ、飽きたらまた他の楽しい事へと飛びこんでいく。
予定も常にギチギチで、他人が見れば仰天するような無理矢理なスケジュールも散見される有様。
ぶっちゃけ、パッと見は全タイプ中もっとも幼稚。天真爛漫で無茶を知らない子供のような存在ですが、内面は意外にもシビアで淡白。
どこか満たされない気持ちと「今この瞬間にも自分の自由は失われている」という焦燥感にも似た感覚を常に抱えており、その焦燥感が「全力で今を楽しむ」という子供のような行動に繋がっています。
Q.欲しいものは? A.全部!
タイプ7はとにかく好奇心旺盛で、エキサイティングで楽しいことが大好き。そんな楽しみに全力の姿勢から、「熱中する人」と言われてもいます。
楽観主義で好奇心旺盛、そして少々飽きっぽく、次から次へと興味の対象を移していくタイプ7。多才で記憶力もよく、人々の目には有能で明るい主人公気質のように映ることもあるかもしれません。
実際のタイプ7は、非常に貪欲で「何でも手に入れたい」際限のない限界知らず。
「あれもこれも」と、楽しそうなものには際限なく手を広げ、どんなことにでも顔を出しては、飽きたら次の楽しみへとダッシュで移動。割と渡り鳥みたいな性質があり、楽しそう、面白そうと思えばどこへでもすぐに飛び立ちます。
タイプ7にとって好きな事と言えるほど大事なものは実はそんなになく、強いて言えば「全部好き」。
おそらくタイプ7がこの世のすべての楽しみを手に入れたら、今度はロケットに乗って宇宙へと旅立つのではないでしょうか。
タイプ7は圧倒的な行動力を発揮する反面、心の底から満たされた気持ちを味わう事はなかなか出来ず、次から次へと新しい世界へと旅立っていくのです。
いっぱい詰め込めば何かが残る?
タイプ7は「自分が満たされていない」という欠乏感の他に、「今手に入るものは今しか手に入らない」とどこかで考えている節があります。
基本的に手が早く何でも欲しがり、楽しいことや少しでも自分の心が満たされそうなことがあれば1も2も数えるより早く飛びつこうとします。
そのくせ楽しみには特にこだわりがあるわけでもなく、「嫌いでなければ何でもいい」。タイプ7にとって1つの事を味わい尽くすのは基本無駄でしかなく、そんな暇があるなら全部を味見程度に味わう方がお得なのです。
例えばアイスクリームで「全部の味をミックスできますよ」と言われたら迷わずミックスを選ぶし、旅行でも1ヶ所にとどまって観光地を巡るよりは、各都道府県に1日だけ滞在してざっと刊行する方を選ぶ。
タイプ7にとっての楽しみとは、質ではなく数。多少雑でも、「全部楽しめる」という点に魅力を感じる人は少なくありません。
このように何でもかんでも楽しそうにのめり込んでる彼らですが、実際タイプ7の心の底を除いて見ると、空虚の一言。つまり、楽しそうにしていながらもその実あんまり楽しめていません。
タイプ7が何でもかんでも楽しそうに詰め込んでいるのは、言ってしまえば自分の空虚さを少しでも埋めるため。要は満たされない気持ちが少しでもマシになれば何でもいいのです。
先ほど「タイプ7にとって大事なのは質より数」と話しましたが……要するに「自分の空虚さを満たすためだけなら、こだわりよりもボリュームいっぱい詰め込んだ方が都合がいいから」だったりします。
とにかく何でもかんでもお腹いっぱい詰め込めば、何かが自分の中に残るかもしれない……。案外、タイプ7はそんな考えのもとに楽しみを探し回っているのかもしれませんね。
楽しいことだけいっぱいあればいい!
大概のタイプ7にとって、暗い話や大真面目な問題は自分の人生に一切必要がないものといって過言ではありません。聞いても楽しくはありませんし、何より「楽しみをいっぱい作る」という自分の目標に合致していないからです。
もともと不安は当人の気づかないところで感じやすい人物なので、本能的にそれらを刺激するような話題は意図的に避けたがっているのかもしれませんね。
基本的にノーブレーキでいろんなところに全力疾走したがる人物ですが、現実はなかなかそうはいきません。嫌でも暗い話題だったり、今後楽しみを確保するための戦略的な考えを求められる場面も出てきます。
そうやって嫌な話に身をゆだねる必要が出てくると、タイプ7は必然的にやりたいことを絞る必要性に駆られます。自分の目標をしっかりと定め、そこに向かって脇目もふらず力を尽くすようになるわけです。……が、そんな状況、それを見ている人たちならいざ知らず、当人たちにとってはストレス以外の何物でもありません。
1度生真面目モードに入ったタイプ7は、ストレスを処理しきれず他人に八つ当たりするようになるかもしれません。動きがとろい人間を理不尽なレベルで叱責したり、他人のやることにわざわざケチをつけたり……普段感じないようにしている不安を全面から受け続けた結果、元来の当人とは真逆の神経質でジメついた人間にすらなってしまう可能性があるのです。
こうなってしまうと、もはやタイプ7元来の良さなど見る影もありませんね。逃げ場のないストレスにさらされ続けたタイプ7は、次第に人も楽しみも手放すことになってしまう危険があるのです。
タイプ7の囚われは「貪欲」
タイプ7は何でもかんでも楽しむ才能がありますが、同時に1つの場所に留まれない人も少なくありません。
やれる楽しみは全部楽しみきらないと気が済まないのです。
そのため、タイプ7はよく節操なくいろんなグループを行き来し、いろんな趣味を取っ替え引っ替えすることもあります。
彼らは内心に大きな不安を抱えているのです。
「この機会を逃したら、二度とあの楽しみには出会えないかも」
「他にもっといいものがあるかもしれない」
機会を失わないため、あるいは自分の中にある不安から逃れるために、タイプ7は色々なことを楽しんで、色々なものを摂取しようとするのです。
じっくり楽しむ余裕を持とう!
そもそもタイプ7は不安から目を逸らしているのではなく、マイナス感情を自覚こそしているものの対処がわからず放置しているとでも表現するのが正しいのかもしれません。自分の不安、おそれ、悲しみといった感情に目を向けないのではなく、あえてとことん掘り下げてしまうのも、よい結果を招くかもしれませんよ。
後は何より、退屈を覚えそうな時こそ1度立ち止まり、今の自分の状態や気持ちをしっかりと理解することが重要です。
タイプ7にとって意外とネックになっているのが、自分の欲しいものがイマイチよくわかっていないという点でしょうか。自身の能力と元気を力にゴリ押しで楽しみを詰め込むのではなく、「何がしたいのか」をしっかり答えられるまで煮詰め、そして残ったひとつのことをあえて習熟しようとして見るとまた違った楽しみがあるのかもしれませんね。
とにかく、タイプ7にとって重要になってくるのは、「ペースを落としてじっくり楽しむ」ことと「あえて立ち止まり、自分の状態を1度鑑みてみる瞬間」です。
楽しいことづくめの人生にしたい気持ちもわかりますが、ここは1度あえて止まり、自分や人のことを1度考え、本当にやりたいことを分かち合う仲間を作ってみてはいかがでしょうか?
これによって、ただ詰め込むだけではない別の楽しみも生まれるはずですよ。
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