【エニアグラム】タイプ3のダークサイド、健全、不健全

エニアグラム
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囚われ欺き
統合タイプ6
退行タイプ9

タイプ3は、「成功者」「達成する人」とよく言われており、実際に物事を成功させて周囲の羨望を得ていることが多いタイプですね。

その成功の秘訣は、一言で表せば承認欲求の強さ。

我を貫くでも好んで悪どいことをするでもなく、見ているのは周囲の羨望や称賛の声。みんなに認められるために突き進むからこそ、成功者のイメージが最も強いタイプとして君臨するのです。

もっとも、その承認欲求は裏側であるダークサイドもバッチリ映し出しているわけですが……。

健全度別のタイプ3

健全度に関しては以下の記事をご覧ください。

レベル1 心と繋がる真正の人。「人からの評価が全て」という思い込みを手放す。
素の段階で自分を「価値ある存在」と認めることができ、嘘偽りなく誠実。自他に対して受容的で情け深く、自らの気持ちもしっかりと理解できている。
レベル2 自己イメージ、「私は有能で傑出しており、社会に適応した人物である」。
適応力が高く、他人の価値観や世間の常識に合わせ、自分自身を適応させる。嘘偽りなく、価値ある人を前向きに目指す姿。大人の余裕がある。「あなたも私もみんないい」
レベル3 「有能な価値ある人」という自己イメージの強化段階。成長して才能を伸ばす向上心の化身。粘り強く、自信家で、能力もある模範生。人の良い手本。
名より実。優れた人を演じるのではなく、実際に優れてしまえばいい。
レベル4 自らの価値に少しばかり迷いが生じる。「本当に自分は周囲に認められるのか?」
自分を奮い立たせて目標志向を強め、実績作りや自慢できるアピールポイントに強くこだわり、過度な成功志向・結果主義に傾くことも多い。
レベル5 良いイメージを人に植え付けるのに躍起になる人たち。人々の称賛のために手段を選ばない姿の片鱗が少しずつ見え始める。
こと「人から思ったように評価されない」「失望される」ことを恐れ、自分の中でも特に良い部分だけをピックアップして人にアピールしようとする。
野心的だが心の奥では自信がなく、成功志向を強めるあまり他人とのつながりを持ちづらい。
レベル6 自分を全力で売り込む段階。「優れた力を持っていないと誰も見向きもしない」と強く恐れ、何としても周囲の承認を得ようとする。
認められるためなら誇張も嘘も厭わなくなり、「これが本当の自分だ」と自他に言い聞かせる。他人の価値を否定して自分を相対的に上げることもある。
レベル7 「失敗者」「空虚なハリボテ」という自己イメージが絶えずつきまとう状態。だが認めることは絶対にできない。内面の絶望感や空虚さから逃れるため、とにかく何であっても「上手くいっている」「自分はできる」と自他に言い聞かせ、でまかせや詐術も当然のように使って自他を誤魔化す。
レベル8 二枚舌?日和見?それがどうした。もはや何でもアリな。人から関心を寄せられるなら何だってしてやる状態。
自我の崩壊を隠すために、是が非でも「ヒーロー」という自分のイメージにしがみつく。悪事も汚いことも上等で、自己正当化のための仕方ない犠牲である。ここまで落ちれば正常な判断は難しく、どれだけ矛盾してても自己正当化の理屈にしがみつく。
レベル9 「自分は周囲から認められる事はない」。ある時は真っ白な灰、ある時は人の長所許せないマン、またある時は逆恨みの復讐者。

失うものは何もなく、自分を取り巻くものもない。最後は自壊か、自棄を起こして無関係者と心中か、あるいは自分の存在を認めない者や上をいく者をどんな手を使ってでも始末するか。どっちにしろ、まともな判断は不可能な状態。

ダークサイド:承認欲求

タイプ3は文字通り「承認欲求を満たすためなら何でも捨てる」タイプとも言えます。

これが囚われの「欺き」としてまず自分自身を騙し、「成功と達成だけが自分の望みなんだ!」と言い聞かせます。
そして自分の心や本音を「邪魔だから」という理由で文字通り殺し、みんなに認められるキラキラした自分を「本当の自分なんだ」と思い込むようになっていくのです。

評価されるかされないか。それが世界の全て

極端な話、本音も本心も自分の気持ちも、全部評価に関係ないゴミと同じ。これがタイプ3の根幹にあるダークサイドです。

だから人から称賛されるマスコットとしての自分しか必要ないし、場合によっては人を騙してでも自分の承認欲求を満たすことを優先する。

通常段階のタイプ3は評価されない要素を全部消したいと思うところがどうしてもありますし、褒められない行いは全て無駄でしかありません。

ある意味では、「承認欲求を満たすことに特化して、必要なものを含めて他を全部削ぎ落とした姿」がタイプ3と言えるかもしれませんね。

あかつき
あかつき

究極的に行き着く先は、自己愛性障害でしょうか?

空虚さを穴埋めするために、虚言やライバルの排除を慢性的に繰り返したり、精神安定剤代わりに人を否定するようになっていきます

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段階別のタイプ3

通常段階のタイプ3

「自分は価値ある存在なんだ!」という考えを強く持ちますが、これがまず第一の欺き。自信満々で「自分はすごい!」と思っていますが、その裏にあるのは無力感と無価値感。
タイプ3は全体的に「素の自分に存在価値がない」という強烈な無価値感を持っており、それを否定するために「みんなから評価されることで自分の価値を証明する」という目標を立てて生きています。

達成欲に満ちた通常段階タイプ3の根幹にあるのは、「自分の中にある無価値感の否定」であり「無価値な存在に生きる資格はない」という恐れです。

「自分は価値があるんだ!無価値ではないんだ!私の素晴らしさはみんなにも認められるはずだ!」

自分の中にある無価値感に蓋をするように自分を奮い立たせながら、同時に価値のない自分(本音)を活動停止に追いやり、第二の欺きとして「成功者・達成者としてブランディングされた自分」を本当の自分だと思い込みます。

「自分はすごいんだ!」「俺は天才なんだ!」と自らに発破をかけて、ブランディングされた自分と無関係な自分を全て捨て去り、目標に邁進。

それでも認められなければ功績を盛り、それでもダメなら嘘っぱちでも手柄の横取り、まだダメなら他人を貶めたり犯罪に手を染め……。

こんな感じで、不健全に傾けば傾くほど、第三第四と欺きの数を増やしていくのです。

不健全段階のタイプ3

退行:タイプ9

不健全段階のタイプ3は、一言で言えば「自分の存在価値の無さをノーガードで突きつけられている状態」と言えばいいでしょうか。

特に退行状態にあるタイプ3は、自分の価値を周囲に見せつけるだけの手段がありません。

「ありのままは論外。努力してもダメ。優れた自分を演出してもダメ。功績を盛っても、ライバルを蹴落としても、嘘っぱちで自分の手柄を捏造してもダメ」

何をやってもダメ」状態で、精神がニヒリズムに支配されており、物事のほとんどに価値を示せない状態です。ひどい時は人生を全部諦めたタイプ9のような、悪い意味で何もかもを捨てたような無気力人間になるかもしれません。


普段のやる気に満ちた様子とはかけ離れており、正常とは言えないでしょう。

不健全なまま自己イメージを抱えているタイプ3は、「素晴らしい自分をブランディングするためには手段を選ばない」といった状態。

犯罪行為や一方的な嫌がらせ、手柄の横取り、捏造とあらゆる手を尽くしますし、そういった行為を「どうせみんなやってる」「これも世のため人のため」と正当化し、時には全く自覚なく悪事を働くこともあります。

健全状態のタイプ3

統合:タイプ6

自他を「自己ブランディングのための装置」ではなく、「この世に生きている人」と認識した状態。特に「自分をきちんと認めている」というのがポイントです。

「自分が」「自分が」と自分の承認欲求ありきの行動をする事は少なく、他人のサポートやみんなで一丸になって目標を叶える事を好みます。

通常段階と比べると、わざとらしい自慢やマウンティング、他人を出し抜くような行動は目に見えて減っていくでしょう。

自分の一人勝ちのためではなく楽しみのひとつとして成長と努力に取り組み、仲間の支えをしっかりと認識し、お互い支え合って、人と喜びも痛みも分かち合って前に進んでいく。

健全なタイプ3は、名実ともに「英雄」「大物」と呼ぶにふさわしい人物に大化けするのです。

あかつき
あかつき

最たる例が、NINJAやってる某時空間忍術「わかるってばよ空間」の使い手ですかね……

評価が全ての世界に改革を

とどのつまり、タイプ3にもっとも欠落しているのは「ありのままを認めてくれる無条件の愛」です。

凝り固まった性格というのは厄介なもので、人生の岐路で一度「こうだ」と確信してしまうと、それ以降はなかなか変えられません。

タイプ3の「人は評価でしか存在価値を得られない」という考えは、まさに変えられない確信そのものでしょう。


特にタイプ3にとっては、自分を「ここにいるから」という理由だけで認めてくれる存在は非常に大きな救いとなるでしょう。

人に悩みを打ち明けたり、あるいはそもそも仮面を取っ払った本当の自分が何を思っているのか探してみる。

タイプ3にとって何よりまず大事になるのは自分の本音と、それを受け止めてくれる気楽な存在を見つける事。

ちょっと難しいかもしれませんが……成功とか関係ない素の自分を理解すれば、気楽な人生までの活路が見えてきます。

筆者:春眠ねむむ
X :@nemukedesiniso
threads:@shunmin.nemui

 

 

参考書籍

 

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