「タイプ8はサイコパスなのではないだろうか?」
そんなことを考えている人は一定数いるようで、「タイプ8 サイコパス」という検索ワードを見かけることも珍しくありません。
これはどういうことなのか?その辺りを、ちょっと黒めの観点から考えていきたいと思います。
タイプ8についての(割と自重していない)解説をお望みの方は、以下をご覧くださいませ。
一般的に語られるサイコパスの定義
まず、一般的に語られるサイコパスとはどういうものなのかを考えなければ話は始まりません。
というわけで、ざっくりとではありますがまとめてみましょう。
一般論としてのサイコパス
・ただひたすらに怖い存在
・周りとなんか喧嘩している
・自分を省みることができない
・快楽主義者
あくまで「一般論から見たサイコパス」なので、実際の定義と差異が見られるのはご承知おきを……。
基本的には、なんとなくかなり怖い存在であり、自分が正義だと思ってるヤバい人みたいな感じですね。
簡単にまとめたところで次項からはいよいよ本番。タイプ8とどう絡んでくるのかを考えてみましょう。
タイプ8の一般論におけるサイコパス要素
以下、あくまで「一般論によるサイコパス要素」「必ずしも実際のサイコパスとは限らない」という点については頭に入れておいていただければと。
とか言いつつ、世間のサイコパス像も決して大外れではないですけどねー。
要はサイコパス要素もどこかで持っているということです
タイプ8は怖い
まずは「怖い」という項目からタイプ8を見てみましょう。
正直主観要素が多分に含まれますが……大体の人から見れば、タイプ8は怖いです。
というのも、意識してかせずかは人によりますが、タイプ8自身人を怖がらせようとしている面が少なからずあるからです。
大体用いられる手法はこちら。
・声が大きい
・口調もキツい
・強烈な目力
・しばしば怒る
・裏切り者は粛清
・不義も粛清
・基本的に否やはない
こういう感じで、結構人を怖がらせます。
その理由はというと、自分の主導権および影響力の獲得です。自分の縄張りを広げるために、他者をグイグイと押しやること。
この辺りについては以下でも述べてますので、詳しいことは割愛します。
【エニアグラム】タイプ8が怖い理由8選!こんな人たちは嫌いですか?
絶えざる闘争に陥る
見出しは、エニアグラム基礎編に書かれている一文ですね。
タイプ8は常に「他人に付け込まれるのではないか」「裏切られるのではないか」「他者に負けて服従させられるのではないか」という恐怖を抱えています。表層意識、潜在意識問わずです。
そのため、自分の武威を見せつけるためにしばしば外敵と戦うことを選択します。
あの人たちの場合は強者と戦うことで弱者の中に影響圏を作りたがったり、単純に弱きを守るという大義名分を武器に強者に勝って力を見せつけようとする側面がありますねー
タイプ8にとって、人生とは常に外敵との戦いです。敵を倒す事によって得られる快楽というより、敵を倒すことで自分の影響圏を守ったり安全圏を広げることが目的です。
よく「窮鼠猫を噛む」「臆病な動物ほど獰猛に戦う」と言いますが、不健全なタイプ8はまさにそれ。「自分は強い」と念仏のように唱えながら、あらゆる恐怖と戦います。
その何とでも戦う姿勢は、次第に周囲から「凶悪犯罪者予備軍」という目を向けられるに至り、実際に凶悪犯罪者になってしまう可能性もないとは言えません。
その姿勢から周囲に「サイコパス」と呼ばれることもあるかもしれません。
省みる=弱さ
この考え方をしはじめる頃にはもはや不健全に片足を突っ込んだようなものですが……タイプ8の中には「自分を省みるのは弱い証拠だ」と考える人もいます。
省みるくらいなら周囲と積極的に関わり、主導権を握るべし!みたいな思考回路ですね。
実のところ、エニアグラムとかMBTI(16タイプ)といったような類型心理学……というか心理学そのものに興味を持つ人はそこまで多くはありません。
そんなことより、勉強好きでも帝王学とかそっち方面に興味を持ちがちな印象が強いですね。
内省などより戦略。己を知ることよりも敵を知ること。そんな感じの人たちです。
快楽主義?
一般論におけるサイコパスの特徴として最後に述べた「快楽主義」ですが……これに関しても、正直否定はできません。
タイプ8の多くは、往々にして刺激中毒です。遊びも仕事も何もかも、ひたすらに強烈でなければなりません。
なぜなら、それこそが「自分が生きている」という実感だから。
タイプ8は「強くありたい」という欲求を抱えており、その欲求を叶えるために人生や運命に強く抗います。
運命への抵抗の一環として行われるのが、強烈な欲望の追求です。
タイプ8の特徴として向こうみずな性格がありますが、それも「自分は無敵」と思いたいが故。
無敵感を得るためにあらゆる快楽・あらゆるリスクを体感し、それらを克服する事によって「自分は強い」という実感を得ていくのです。
そんなわけで、タイプ8は快楽主義というより、快楽により生じるリスクや副作用の克服が真の狙い。
強烈な体験を常に渇望していますが、それらも強烈さを操作・克服する自分を手に入れたいという欲望から来るものなのです。
タイプ8とサイコパスの相違点
さて、タイプ8のサイコパス要素について色々と話してきましたが、実際のところサイコパスとは違う一面も持っており、はっきり言ってサイコパスに似て非なるタイプとも言えます。
この際なので、サイコパスとは違ったタイプ8像についても追ってみることにしましょう。
セキュリティポイント
わかりやすいのは、セキュリティポイントと言われるものですね。
セキュリティポイントとは、簡単に言えば安全圏にいる時に見られる特定の行動です。
以下に詳しくまとめていますので、そちらをご参照いただけるとご理解いただけるかと。
タイプ8のセキュリティポイントはタイプ2。要するにいい人です。
タイプ8は自分の縄張りの奥深くにいる人、例えばパートナーとか親友なんかには、印象とは大きく違う一面を見せることがあります。
気と押しの強さはそのままなのですが、しばしば体調や気持ち・気分を気にかけたり、嫌われないように相手に合わせて振る舞おうとしたりします。
タイプ8といえども、せっかく得た味方をみすみす手放すことはしたくないのです。
ここは、「味方も仲間も不要になれば平気で切り捨てる」というサイコパスの特徴とは違う点ですね。
義理人情は意外と大事
体感ですが、タイプ8には義理堅い人が多い気がします。
というのも、自分の中に正義があるのでしょう。それが、恩義の踏み倒しをよしとしないのではないでしょうか?
この辺、「恩義は踏み倒しても全然OK」みたいなサイコパスの思想とは違う一面ですね。
他人を信用しない点はどちらも大して変わりませんが、一般的なタイプ8には人の心が残っています。ただ裏切りや敗北を恐れるあまり、基本的に封印しているだけなのです。
不器用すぎる
タイプ8は怒りの感情こそ巧みに操りますが、世渡りは間違っても得意な方ではありません。
能力と力業で周囲をねじ伏せながら生きるか、静かに周囲を警戒しながら自分の縄張りを守るかしているタイプです。
そのため、サイコパスのように「嘘も人気取りも利用して周囲を信用させる」「騙してでも自分に有利な立ち位置を確保する」という一種の器用さが見られないわけですね。
タイプ8は頑固で折れることを知らないので、特に人間関係や社会生活においてはかなり不器用です。策謀を練るにしても、基本的に決戦に持ち込んで正面突破するための方策を練ることに終始します。
その点、サイコパスは騙し討ちも人質作戦も何でもありですね。勝つというより、自分の利益という戦略目標が達成されればそれでOKです。
IQ低めのサイコパスも、暴力に訴えこそすれ、基本的には騙し討ちや嘘っぱち、人質作戦を好みます。手っ取り早く自分の利益を確保できる手段なので。
タイプ8は無理ですね。正面から叩き潰すことしか考えていません。
まとめ
タイプ8はサイコパス要素を持ちますが、サイコパスではありません。今回は、それをご理解いただければなと。
ただまあ、基本的には怖い人たちですね。巷でサイコパス呼ばわりされてしまうのも、不本意ながら頷けてしまいます。
常に勝つこと、戦うこと、強くあることで頭いっぱいなタイプ8。サイコパスとは違いますが、また彼らとは違った怖さがあります。
といったところで、今回はここまで。他にも色々と記事を上げていますので、興味がおありでしたらあと2、3記事ほどご覧いただけると幸いです。
筆者:春眠ねむむ
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