エニアグラムをかじっていると、ちょくちょく「何これ?」という単語を見かけます。
その中でも割と代表的なのが、「主張型」「追従型」「遊離型」という3つの単語ではないでしょうか?
今回はその3つの謎分類についての話です。
カレン・ホーナイさんが提唱した分類系統
まずは追従型とか主張型とか遊離型とかの分類が何なのかを見ていきましょう。
この3つの分類はカレン・ホーナイという人が「エニアグラムはこういう分類もできるね?」と提唱した法則であり、「ホーナイによる分類」(ホーナイグループ)とそのまんまの名前で呼ばれています。
曰く、この3種の分類は「各タイプの社会的スタイルを指す」とのこと。要するに対人関係とか集団行動において、「タイプごとに違いが出るんじゃないか?」ということを説いたわけですね。
実際の区分けは、以下の通り。
赤が自己主張型、緑が追従型、そして青が遊離型ですね。それぞれ文字にして表してみましょう。
自己主張型:タイプ3、タイプ7、タイプ8
追従型:タイプ1、タイプ2、タイプ6
遊離型:タイプ4、タイプ5、タイプ9
図にすると、胡散臭いくらい綺麗な三角形が3つできましたね……
でも、各タイプの特徴を考慮すると普通に納得できちゃうから本当何なんだこれ
自己主張型
該当タイプ:タイプ3、タイプ7、タイプ8
主体的で積極的、自分から進んで自己主張していくタイプです。言わば、自分から集団や話の主役になろうとするタイプですね。
どこかで「自分こそが中心人物だ」という思いを持っており、集団にもそれを臆せず出していく人たちです。我が強く、「自分の思い通りに事を進める」というスタンスで物事や問題をクリアしていこうとする強烈な人たちですね。
アグレッシブに意見を主張したり自分の存在をアピールするので非常に注目を浴びやすく、敵も味方も作りやすいのが大きな特徴。おおよそいろんな人から存在を知られており、好き嫌いも結構分かれます。
やあ!私は今こういうプロジェクトに取り組んでて、顧客やメンバーの反応は……
私は今これが欲しいんだ!
俺がこの場を取り仕切る。異論がある奴は正直に言え。嘘や誤魔化しは許さん
はい、強烈ですね。
自己主張型はこのようにその場の流れや主導権をしばしば握ります。主導権を握り、先手を取って自分をアピールする事で、多くの人の反応を引き出そうとするのです。
反面、自分に対して反応がないとふてくされたりシラけてしまったり、あるいは傷ついてしまう事もあります。
また、周囲の制圧や反応を気にするあまり、「自分の気持ちや本音を理解しづらい」という共通点も抱えています。
追従型
該当タイプ:タイプ1、タイプ2、タイプ6
協調性があり、人の役に立つ事をしようとするフォロワータイプ。ルールや約束、あるいは理想や夢など……いろんな人たちが同じ目標を持って協力し合う状況をよしとするタイプです。
基本的にリーダーとして自分に全権が集中するのは好きではありませんが、それでも確固たるルールや法則を自分の中に持っているタイプであり、我は強いです。
他の人たちの役に立とうと色々頑張る人たちですが、必ずしも「誰かの言いなり」というわけではありません。
というのも追従型が真に従っているのは、自分の中の絶対的な成功法則とか道徳、常識といった「超自我」と言われる自分ルール。自分なりに考えた「最善の方法」以外は軽視しがち。
また、社会的な地位や所属意識とかチームの一体感、あるいは相手の要求に応えて“あげてる”といった感覚などを通じ、潜在的に「自分はこいつよりは上だ」という優越感や選民思想を持ちやすい一面も……
なんてお粗末な仕事ぶりだ!私が担当した方が数百倍マシだったな!
かわいそう……でも大丈夫!あなたは私が保護してあげる!
都内在住だけど、やっぱ最高だよね、東京!大阪とか名古屋みたいな田舎に住んでる人かわいそう!
とまあ、こんな感じでしょうか。
追従型に関しては私自身が考えついた新たな解釈も存在します。
以下にまとめているので、興味がおありでしたらどうぞ。
遊離型
該当タイプ:タイプ4、タイプ5、タイプ9
一番影が薄いタイプ。というより、他人と積極的に関わろうという意志の薄い人たちです。
基本的にマイペースで自由奔放。割と何を考えてるかわからない人たちです。というより、割と孤立主義的ですね。
「人は人、自分は自分」という気持ちが強く、誰かと好きこのんで喧嘩するでも別段協調的でもなく、ただあるがままに生きるタイプです。
自分なりに「こうしたい」「こうした方がいい」という気持ちこそありますが、結局は全部その人の勝手。押し付けられるのは死ぬほど嫌いだし、自分も極力人に押し付けない。
「この出来事って私には特に関係なくね?」とか、割と本気で思ってしまう人たちなのです。
社会的義務感も他人に何かを強要する自己中心性もほとんどなく、集団でも端の方で物言わずポツンと立っていることが多いです。
周りと関わらないのか?今はそんな気になれませんね
とっかかりも必要も無いのに、どう人と関われと?
みんな楽しそうでいいな〜(関わりたいとは言っていない)
基本的に内面をかき回されるのが苦手という共通点を持っているので、基本的に一歩引いてます。
もうひとつの分類?
というわけで、今回はホーナイの分類を見ていきました。
ところが、他にもまだまだ「言葉は知ってるけどよくわからん」という情報も多いかと思います。
おそらく今回の「自己主張型、追従型、遊離型」の他にも、「楽観的グループ」「合理的グループ」「反応的グループ」という区分けを聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
こちらは「ハーモニクスによる分類」と言われており、ホーナイの分類と並んでエニアグラムのタイプ分けに役立つ分類法として知られていますね。
こちらが示すのは、「自分が大きな絶望、失望に陥った時(あるいは陥りそうな時)、どういう対処をするのか」というものを示しています。
これについては……また次回語らせていただきましょうか。
というわけで、今回はホーナイの分類についてでした。
外面や人付き合いでモロに出てくる方向性なので、よければご活用ください。
筆者:春眠ねむむ
X :@nemukedesiniso
threads:@shunmin.nemui
参考書籍
エニアグラム解説
タイプ一覧
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