今回はタイプ1の裏側を暴いていきましょう。
彼らタイプ1は完璧主義者で批判精神が強いとされていますが、彼らの裏側、本人たちも気づかない深層心理ではどうなっているのでしょうか?
タイプ1の方にとっては不快な話ではありますが、どうか見ていっていただければと。
タイプ1と完璧主義
まずはタイプ1と完璧主義の関連性について考えてみましょう。
タイプ1と言えば、自分の理想の世界を追い求めるタイプ。そのため多くのことに対して「このままではダメだ」と考え、多くの物事をより良い方向に変えていこうとします。
そのため、別名は「改革する人」ともされていますね。
ではそんなタイプ1と完璧主義はどういう関係があるのか?
簡単に言い表すなら、「完璧な改革を求めるから」。
タイプ1が求めているのは、完璧な世界です。完璧に美しい世界、完璧なまでに能率的な世界、完全なる道徳によって動かされる世界……。
求めるものは様々ですが、いずれも「完璧な世界に向けて改革したい」という思いにより、一切の汚れや瑕疵を許さず、それゆえに完璧主義に陥るのです。

昔なんかの本で「ひどいときは新聞の折り方にすらケチをつける」って書かれてましたっけ。
ここまで来ると何が何やら……ですね
完璧主義の裏側
では、完璧主義の裏側にあるものは何か?
それは、ホーナイの三分類に答えが記されています。
【エニアグラム】ホーナイによる分類(ホーナイの三つ組:追従、自己主張、遊離)とは?
ホーナイが提唱した法則によれば、タイプ1は追従型。簡単に言い表せば、超自我=深層心理の倫理規定に従おうとする人たちです。
もっと簡単に言い表せば、「いい、よくない」の感覚です。タイプ1は、親の教育、家庭環境、周辺状況など、様々なものから学んだ善悪観を強く持っているタイプです。
完璧主義の裏側は、簡単に言えばこの超自我がささやく「道徳的でいなさい」「完璧でいなさい」「不完全なものは悪」という言葉そのものです。
要するに、タイプ1にとって完璧であることは善、不完全であるものは悪なのです。そこに例外規定はありません。
タイプ1の超自我
先述したことの焼きまわしになりますが、タイプ1の超自我は「完璧でいるべし」という強い強迫観念です。
この強迫観念は、主に幼少期に形成されると考えてよいでしょう。
タイプ1の幼少期に関しては以下にまとめてあるので、そちらも併せてご覧くださいませ。
この「完璧でいるべし」という観念がなかなか荷厄介な方向に向きやすく、とにかく自分も他人も抑圧しがちなのです。
まず、タイプ1の「完璧でなければ」という思いは自分に向きます。自分がパーフェクトな人間でなければなりません。
そのために、囚われは怒り。自分の怒りを抑圧し、可能な限りいい人に、落ち着いた人や気さくな人として振る舞おうとします。
囚われに関しては、例のごとく以下をご覧くださいませ。
そして自分が完璧になれないうちに、今度は世の中の不条理や不完全なものにまで自身の目を広げていきます。
こうやってタイプ1の完璧主義は、次第に他人にも向いていくわけです。
無論、自分への完璧主義は忘れてはいませんが……。
黒い話・裏の顔
さて、ホーナイの法則によると、「追従型は優越感に浸りやすい」という特徴があります。
超自我や自分が信じる価値観をもとに人を測り、「自分よりも劣っている」とみなしやすいとか。
ここでひとつ、見えてくるものがあります。
「タイプ1の完璧主義は、人を物差しで測って『自分の方がマシ』と思うためのものでもある」
ようするに、「自分の方がより完璧な状態に近い位置にいる」という優越感ですね。
例えば誰かと比べて「あいつは自分と違って倫理的におかしい」とか「この仕事は私がやった方が何倍もマシだ」とか、そういう優越感にも似た感情を誰かに抱くことがあるわけです。
いわゆる、自己流完璧主義者というやつですね。
自分だけが信じている善悪において、自分以上に善である人は存在しない。難しい話になりますが、そういうことです。
タイプ1は、完璧主義を盾に人を見下している面が確かに存在するわけです。
見下しや優越感は誰にでもある感情
最後に擁護しておきますが、人を見下したり優越感に浸ったりは、誰にでもある感情です。
例えばタイプ3は結果を出していない人間を見下しますし、タイプ5は考えが浅はかだと感じればその人を見下します。
タイプ7はお粗末なものを持っている人を見下します。タイプ9にしたって、野蛮な人に対してはどこかしら見下しの心を持っています。
人間は何かしらの形で優劣を決めたがる生き物である。
そのことは忘れず、「タイプ1だけが悪いんだ」と思わず、「みんなどこかしらに持っている感情だ」と思うようにしてください。
その誰にでもある見下しの感情が、タイプ1の場合は完璧主義から生じる。それだけのことです。
まとめ
というわけで、今回はタイプ1の私が知りうる手の内を結構見せてきました。
タイプ1も人の子です。優越感や人を見下す感情、そして他者への攻撃性……人間が持ちうる様々な黒い感情も持ち合わせています。
ですが、これら暗黒とも言える感情は誰しもが持ち合わせているもの。そして何よりタイプ1は、この真っ黒な自分の感情と真正面から戦っているタイプでもあるのです。
他のタイプが平気で人を見下す中でも、タイプ1は見下しの感情を表出させることを嫌います。
そう考えると、この人たちの高潔さというのもあながち嘘ではないと言えるでしょう。
といったところで、今回はここまでですね。
他にもさまざまな記事を上げていますので、興味がおありでしたらぜひともあと2、3記事見ていっていただければと……。
筆者:春眠ねむむ
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