自重しないエニアグラムタイプ9:今にしがみつく不動岩

エニアグラム

エニアグラムで「嫌いなタイプは?」と質問すると、おそらくですがタイプ9はぶっちぎりで最下位を獲得するでしょう。

というのもタイプ9の多くは変なアクや面倒な悪癖が少なく、ほとんどの人は誰とでも歩調や行動を合わせることができる稀有な存在です。

タイプ9の基本方針は平穏無事。「みんな平和なら何でもいいよ」と人に決定権を委ねて、文句を言わずついていく平和的なタイプのため、「平和をもたらす人」とも言われています。

が、そんな「平穏無事が全て」の特徴も、行き過ぎるとまた「事なかれ主義」という大きな問題に繋がる事も……。

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平和を求める「自分無き人」

タイプ9が一番求めているものは、言葉通りの「平穏無事」。波風立たず何事も万事問題なく、ただ流されるがままに生きて平和に時が過ぎることを求める人たちです。

そのせいか適応能力は抜群で、大抵の雰囲気には違和感なく溶け込める特技を会得している人が多いです。

一般的には穏やかでのほほんとした人たちですが、過激な集団に適応したタイプ9は仲間と一緒に過激なことを言ったりする場面も……。

さて、そんなタイプ9ですが……実は葛藤も少なく雰囲気や周囲に溶け込めるのには訳があります。

というのも、タイプ9は総じて自分の軸が無い。いや、正式には「自分の感情や自我を無いものとして扱っている」というのが正しいでしょうか。

基本的に、タイプ9の個人的な趣向や感情は心の奥底に埋まっており、滅多なことでは表に出てこないようになっています。
何故かというと、周囲に合わせて無難に立ち回るには、自分の意見も感情も邪魔だから。

繰り返しになりますが、タイプ9の願いは「平穏無事」です。

他人と衝突したり何かにムカついたりしないためにはどうすればいいのか。自分を持たなければいい。

ハナから自分の欲求も意見も持たず、他人の決定や行動に対しても何も思わない人は、ちょっとやそっとの事では動じません。

タイプ9は「何があっても動じない人」になろうとする過程で、自分の意見や軸を捨ててしまっているのです。

全部今のまま、感性に任せて流される

タイプ9は、とにかく省エネ。ダイナミックな変化とか、必死に動くことによる現状の打破とか……そういう激しいものをとにかく嫌います。それよか昼寝した方が幸せそうなくらいです。

激しく動けばどこかで安定が乱れますし、変革を求めれば現状は崩れ去ります。タイプ9は、そういう変化や激しさから生じる不穏さが大嫌いなのです。

なので、生き方の基本戦略は現状維持、現状維持、とにもかくにも現状維持。

同じ現状維持志向のタイプ6が「状況が変わったら嬉しいけどリスクは嫌だ」としかたなく現状維持を選ぶのに対し、タイプ9はそもそもお金も地位も名誉も本質的には求めていません。変化による恩恵とか割とどうでもいいのです。

「人生に信念も熱血も思想もいらない。ただ何事も無く、ずっと昨日と同じような穏やかな日々を過ごせればいい」みたいに考えているのかもしれませんね。

また、そんな強固な現状維持志向のせいか、慣性が乗らないと動かないし、動き始めると急ブレーキがかからないという特性も、多くのタイプ9は持っています。

よく言えば初志貫徹。悪く言えば意固地で融通が利かない……といったところでしょうか。

急な予定変更にはなかなか対応できませんし、「AかBか」みたいにキッパリ決断しなければいけない場面ではとりあえず保留を選びたがる傾向があります。

自分を捨てることで平穏に生きているので、いきなり独自判断や意見を求められてもフリーズして動けなくなることが多いです。

で、変化や決断を強引に迫られると……全部放り投げて何もしなくなるか、あるいは何も聞いてない顔して現状にしがみつくことも少なくありません。

わかりにくいかもしれませんが、これらの完全無視はタイプ9なりの反抗姿勢だったりします。

「こっちは全部人に委ねる代わりに色々捨ててきている」というのが本人なりの主張なのでしょうが……まあ、された側はたまったものではありませんよね。

タイプ9に変化や選択を迫るときは、時間をかけてでもゆっくり、やんわりと自主的な選択を促した方が結果として早いかもしれません。

意固地、頑固、ヒステリー

さて、こんな感じで良くも悪くも現状維持、周囲との調和を是とするタイプ9ですが……「自分を捨てる」といっても、感情を完全に殺すことはできません。

基本的には周囲との調和が第一、原則として生の感情を見せないタイプ9ですが……それらはあくまで感情を自分も気づかない深層心理にしまい込んでいるだけ。

当然、ストレスが大きくなりすぎて爆発してしまうと、タイプ9も珍しくキレ散らかします。

我慢が限界を超えた結果、顔を出すのはヒステリー、攻撃、徹底抗戦という、普段からは考えられないバイオレンスな側面です。

タイプ9は、基本的に最後の最後まで自分の感情を示そうとしません。それこそ自分の心をマヒさせてでも、人や周囲に合わせようとしてしまいます。

何というか、突然人格が変わるんですよね。これまで予兆もほとんど見せなかった人が、本当急にキレまくります。

こうなってしまったタイプ9は、ある程度発散して落ち着くまで止まりません。私が見た中では、爆破スイッチを押してしまった人をひたすら「お前のせいだ」と責め立てていましたし、聞いた話によると突然暴力を振るわれたとか小一時間罵倒されたとか……。

ともあれ、タイプ9がキレるというのはよっぽどのイレギュラーです。滅多に起こらない分、一度なってしまうと簡単には止まらないんですね……。

タイプ9の囚われは「怠惰」

タイプ9の囚われは「怠惰」です。

「めんどくせぇから何のしねぇ」という意味での怠惰もある意味辺りですが……実際は自分の人生で主役を張ること、主体性や積極性に対する怠惰というのが正しいでしょうか。

タイプ9にとって、平穏無事で波風立たず生きることは最大の望み。そのため、よく人生からドロップアウトしたような言動や態度を示します。

人生を本気で生きるというのは、それだけで波風立たせて波乱を歩むのと同じ。

そんな激しい人生を歩むくらいなら、タイプ9は「映画感覚でスナック片手に人生を楽しむ」くらいの雑な生き方を選びます。

自信と意思をしっかり持って

とまあこんな感じで、「自分を捨てることで楽に、平和に生きたい」と願っているのがタイプ9。しかし、まあ「自分がまったくない」というのも、それはそれでしんどいですね。

不本意な決断に対しても堂々と文句を言えず、実際はかなり無理をしてるのに平気な顔で人に合わせる。これでは、やはりどうしてもストレスは溜まってしまいます。

というわけで、タイプ9にとって最重要とも言える課題は「自分の感情を知る事」「自分なりの意見を持つこと」の2つです。

何もいきなり「主体性を持て」とは言いません。とりあえず今日の晩ご飯みたいな簡単なものでもよし。あるいは友人同士で遊びに行くときに、行ってみたい場所を自分で選んでみるのもアリですね。

当然、「あの人がここに行きたいと言っていたな」とか「あの人の好物だから」とか、そういう理由で決めるのは極力無しで。どうしても決められない時の苦し紛れくらいに思っときましょう。

あと大事なのは、変に時間制限を設けないこと。時間がかかっても全然いいので、ゆっくりじっくり、自分なりの答えを出していきましょう。

あとは、やはり自分の感情を紙に書き出すとか、不快感を覚えたら「どうして嫌なのか」をいろいろ考えてみることも大事ですね。

タイプ9の難点は、自分の心を封印して、自分から切り離してしまっているところ。

ちょっとくらい自分を出しても嫌われることはありませんし、それで場の空気が不穏になる事もありません。たまにはワガママも覚えましょう。

何よりも平和を乱してしまうのは、我慢を繰り返して限界突破して怒り狂ってしまう事。

……と、なんだか脅迫くさくて気に入らない文言ですが、要するに「ダムがある日突然決壊するよりは、ちょっとずつ水を出して水量を調整した方がマシだよね」という事です。

タイプ9はとにかく感情があふれるまで出そうとしませんが、それだとむしろ周囲を巻き込んで大惨事になってしまいがち。それよりは、自分がなんで怒ってるのか、なんで嫌なのかを理解して、マイナス感情をたまに放出することで怒りのバロメーターを調整した方が結果的に平和です。

意見も感情も最初のうちは「わからない」と混乱するでしょうが、ともあれ投げ出さずじっくり考えてみてください。それで何か見えてきたのなら、それが成長の証だと思いますよ。

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