エニアグラムに興味を持てば、「あ、このタイプ嫌い」という勝手な偏見を持ってしまうことも普通にあります。
というか心理学や占いなど、「人を特定の方に当て嵌める」といったタイプのものが抱える宿命だと思います。
今回は、タイプ6が嫌いな人が「なぜ彼らを嫌うのか」という点に的を絞って考えていきましょう。
……無論、全タイプやりますよ?
タイプ6の概要はコチラ
タイプ6のココが嫌い!
タイプ6も、日本ではかなり嫌われてるタイプのひとつですよね。
もっとも、自分を他タイプだと思い込んでるタイプ6たちの同族嫌悪もかなり多いような気がしますが……。
ともあれ、手加減はできません。さっそくこき下ろしていきましょう。
突然キレる
唐突ですが、ピラニアがどうして狂暴なのかご存知ですか?無論、ひとつは捕食のため。
ですがもうひとつ理由があって、それは極端に臆病でパニックになりやすいからだとされています。
基本的にはイメージに反してビビりで非常におとなしい彼らですが、自分たちの縄張りで音がすれば「誰かが攻めてきた!」とパニックになって突然凶暴化するのだそうな。
タイプ6は、動物に例えるならピラニアです。大抵のことを怖がったり不安がるので、心の余裕を持てないのです。
例えば「いつ誰が攻撃してくるかわからない」とドキドキしていたり、「集団内から見捨てられるかもしれない」と被害妄想に駆られていたり……とにかく神経が敏感で、そんな自分を落ち着けるのに必死なのです。
だからちょっとでも「こいつは敵だ」と感じたり(外敵)、自分より弱そうなやつが醜態を晒したりすると(餌)、今までの大人しくて優等生っぽい性格が一変。
急に短気になったりヒステリーを起こしたり、ひどいと「え、ここでキレるの?」みたいな細かいところでキレ散らかしたりもします。
この辺タイプ5も似たり寄ったりな特性がありますが、あちらと比べてより極端なのが特徴ですね。

不健全気味のタイプ6なんかは、「倒すべき敵がいないと落ち着かない」の典型ですね。
誰かを攻撃していないと、「次は自分がやられる番だ」と不安になってしまう、と
他力本願なのにわがまま
タイプ6は基本的に、「自分なんてクソ雑魚だから、何かに頼らないと生きていけない」みたいに考えてしまうことがしばしばあります。
その結果、何かに依存してしまう傾向が強いのですが……その多くは権力者や友人といった他人ですね。他人に完璧に決めてもらおうとする癖がついている人も多いです。
他人に依存しているタイプ6は、人生の重要局面はおろか、下手をすると今日の晩飯すら決められません。
いや、自分ひとりで何か食べる時はまあいいんですが……特に友達とかと何かを食べる時、「自分は何でもいいよ」というスタンスを取りがちです。
で、いざ他人に決めてもらったところで難色を示したり、下手すりゃゴネることもあるんですよね。いや、そういう場面はめちゃくちゃ多いです。
で、これのタチが悪いのは、「完璧な提案をしてくれなかった」ということが半永久的にタイプ6の記憶に残り続けること。
「人間関係の決裂は日々の積み重ね」と言いますが、こういうどうしようもない采配ミスも立派な「積み重ね」のひとつです。
おおよそ本人たちの言い分は、「人の好みも把握していないのは人としてあり得ない」とかでしょうか。
この辺、タイプ6の難しいところのひとつだと思います。
「誰かに決定権を渡して、全部代わりにやってほしい。でも頼る相手が完璧じゃなかったら不安だから、やっぱりちょっと許せない」
頼られた側としてはどうしようもないです。
四方八方を攻撃
さて、先ほど「何かに頼らねば」というワードが出てきましたが……この「何か」って、実は人だけじゃないんですよね。
例えばの話、自分のことを「頼もしいヒーロー」とか「強くて賢いすごい人」とか自己暗示をかけることもあります。
自分を強いと思い込めば強い人になりきるし、賢いと思い込めば頭良さそうに振る舞う。「性格や振る舞いが全てセルフイメージに依存する」というややこしい人もなかなか多いのがタイプ6です。
要はアレですね。「自分は強いから悩まずビシッと難しそうなものを選ぶ」「賢い自分は知的分野が大好き」みたいなやつです。
こういうセルフイメージに頼り切りのタイプ6は一見すると頼もしいですが、そのぶんキレ芸に磨きがかかります。
自分の中の勇者イメージをぶっ壊しそうな奴、実際に強い奴、自分のストロングな決断に異論をはさむ奴、憐れむ奴etc……。
自己像に依存しきったタイプ6はあちこちに喧嘩を吹っ掛け、タイプ8も真っ青な危ない人になり果てることもあるのです。
言い訳が多い
タイプ6の世界観では、いつ誰が裏切るかもわからないし、誰かから激しい攻撃を受けることも常に想定しないといけません。
要は、人生いつでも気が抜けないんですね。
裏切られたり見捨てられる可能性を常に考えているため、自分の落ち度や失敗といった汚点は、どんなしょーもないものでも他者が付け入る隙になってもおかしくないのです。
つまり、落ち度を認めたら死ぬしかないくらいの気持ちでいる人も結構います。
まあ認めちゃえば死ぬんだから、そりゃ言い訳も言い逃れも、責任転嫁でさえ多くなりますよね。
誰だってそう。殺されるくらいなら、嘘もつくし人を貶めるのも、何も悪いことをしていない善良な人を生贄にささげることだって仕方のないことです。

まあ究極奥義は「自分のやったことを忘れる」ですかね。
記憶から自分の悪い点を抹消するとか、事実をねじ曲げて「相手が10:0で悪い」とか。マジで追い詰められるとそういうことをする人もいます
てなわけで、タイプ6は責任を逃れたがる側面を見られ、嫌われることも少なくないと思います。
思考停止
ぶっちゃけキレ芸とか横柄さとか言い訳なんかは、探せばタイプ3やタイプ5にも見られる特徴。
ですが、思考停止。ここだけは他タイプとの大きな違いになります。
タイプ6は物事の道理、というか人生そのものをマニュアル化して「教科書通りに生きればOK」な状況を作りたがってます。
当然、人生完璧なバイブルを作れるほど簡単ではないのですが……それでも、イレギュラーやうまくいかないことを極度に恐れるタイプ6的には絶対の正義は必要です。
「これにさえ従っとけば自分は何も悪くない」というバイブルを作らずにはいられないんですよね。
これが悪い方向に行くとどうなるかというと、正論であっても反対意見を聞けば攻撃していくようなアレがわかりやすいです。
「仕事に理由を求めるのは甘えている証拠」「常識は常識であって、そこに理由を求めてはいけない」「あの人が言ったことを疑うのは人として論外」などなど……人から言われたことはありませんか?
これなんかは、まさしく人生のバイブルを「絶対的に正しい」と信じて思考停止している証拠です。
「深い情報なんて求めない。その中にもし矛盾や間違いがあったら、信じているそれは正しくなくなるから」
タイプ6は、自分が「正しい」と信じたものほど、実はよく知ろうとしません。知っていくうちに、絶対のマニュアルが信じられなくなることを恐れています。
自分が信じてきた拠り所が正しくないと知るくらいなら、拠り所を盲信する馬鹿のままでいい。
ある意味、タイプ6が陥りやすい考え方なのかもしれません。

なおマニュアルを決定的に信用できない理由が見つかると、手のひら返してマニュアルそのものを死ぬほど恨む模様。
だって「自分を守ってくれる完璧な法則」が欲しいわけですからね。そうじゃなきゃお払い箱です
タイプ6はどうにも複雑な性格の人が多いため、ついつい悪口の内容が長くなって申し訳ありません。
では、次からタイプ6のいい面に目を向けていきましょうか。
信義と真面目さは人一倍

個人的には、タイプ6をもっとも端的に表す言葉に、真の仲間というものがあるのでは、と考えています。
これは彼らが本当に裏切らない仲間を求めていることも由来ですし、本当に信頼できる人が彼らに必要なのも言葉の意味に含まれます。
が、何よりも、タイプ6と信頼関係を築けた場合、他ならぬ彼ら自身が本当の意味で味方になってくれるのではないかという意味合いが強いです。
結局死ぬほど面倒くさいのも思考停止してんのも責任転嫁してんのも、自分以外のもの全部への不信感があるからなんですよね。
タイプ6は、往々にして人を信頼置ける相手かどうか試します。
まあ試し行為自体は感心できるものではありませんが……ある意味その人を「信用しようとしている」という証にもなります。
もし彼らが試し行為をしないレベルで誰かを信頼できたとき、その人のために他タイプの追随を許さないほどに忠誠的・献身的になるポテンシャルがあると思います。
色々と不安も多く疑念の絶えず不義も不忠も起こしやすいタイプですが、本質的には「不義も不忠も嫌い」なのは間違いありません。
もちろん、世間体のために不義不忠を嫌う面もあるでしょう。
しかし、それ以上に「この人を何としても信頼したい」という切実な思いも、裏にあるのではないでしょうか。
歯車適性は最強クラス
タイプ6はいわゆる兵卒、つまり数ある歯車的な人材の1人としては、飛び抜けた適性を持っているとされています。
言われたことには忠実、不信や不安を抱くまではどこまでも信用してついてきてくれる心強い部下です。
また、ミスを嫌う傾向が強いため、仕事ぶりも丁寧そのもの。
タイプ1のように頑固に自分が納得する仕事ばかりするのではなく、指示されたことを尊重して柔軟に動いてくれる。
「雑でもいいからスピード重視」と言われたら、可能な限り迅速に仕事を片付けようとしてくれるでしょう。
おまけに「人と歩調を合わせよう」という思いが強いため、協調性や仲間内での連携もかなり強い。
信頼を失うのを怖がるから、本人たちが認めた仲間内で横柄な態度をとることも少ない。
ぶっちゃけ、部下としては理想像に近いんですよね。
リーダーや指導者としての適性は健全かつ有能であることが前提になりますが……会社員としてはまさしくプロと言ってもいい人たちです。

これでISFJとかなら、理論上は最強の組み合わせ。日本人が実行部隊向きだと言われる所以です
不安の解消が何より優先
タイプ6の根幹にある物は、世の中のすべてに対する不安や不信感です。
何をどうしてもそれらがついて回ってしまいますが、やはり彼らのポテンシャルを十分に生かすには、不安要素を可能な限り取り除いてあげるのが大事になります。
当然過保護もよろしくありませんが……極力安全地帯に置いてあげて、降りかかる火の粉から守ってあげることで、彼らもこちらを信頼してくれることが多いです。
信頼関係さえ築いてしまえば、あとはこちらのもの。
相手の不信を買ったり横柄になってしまわないよう気を付ければ、タイプ6とは友好な関係を築けるはずですよ。
人間的な成長を促進したい場合は、長期的視点を持つこと。自信がないうちは右往左往したり、逃げてしまうことも少なくないでしょう。
まずは簡単なことから成功体験を積ませ、徐々に自信をつけてあげるとそのうち化けていきます。
ミスをしたり道を踏み外しそうになってしまっても、否定せず相手の言い分にしっかり耳を傾け、それから提案という形でやんわり注意を促しましょう。
自分が間違っていること、失敗することに過敏なので、責めすぎないのが成長の鍵です。
筆者:春眠ねむむ
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