タイプ1とタイプ5も、意外と見分けがつきづらいかもしれませんね。
というのもどちらも合理的なものの考え方をするタイプであり、あまり感情的にならない人が非常に多いです。
とはいえ違いもきちんとあるわけで……今回は、そこのところをちょっと見ていきましょう。
タイプ1とタイプ5の共通点
まずはこの2タイプの共通点から。雰囲気が結構似てますが、とりあえずいつも通り見ていきましょう。
合理型
どちらもハーモニクスの分類では合理型に組み込まれているタイプですね。
問題やトラブルに対しては非常に冷静で、何かしら起きた時は感情的にならず合理的に対処します。
とにかく生の感情をほとんど出さずクールな印象が非常に強い人たちで、自分の気持ちや本音に気づかないか、気づいても抑圧する傾向が強い人たちです。
また、ルールやシステムについていろいろと思うところの多い人たちでもありますね。
何にせよ、合理的思考で物事に当たる人たちということです。彼らが怒り狂ってる姿を見ることは極めて稀で、この点が判別を難しくするポイントですね。
博学な人が多い
タイプ1は「これくらい知っとくべき」という気持ち、タイプ5はただ単に興味関心と動機は全然違いますが、どちらも非常に勤勉で博学な人が多いのが特徴です。
世の中、なんだかんだ知識がある方が勝ちます。それを知っているのかそれとも無意識なのか、この2タイプはとにかく知識をよく求める印象が強いですね。
「正しさ」という観点についつい意識を引っ張られがちですが、普通にタイプ1も頭いい人が多いんですよね。
タイプ5は博学、タイプ1は勤勉ってイメージがあります
ともあれ、両タイプの知識に対する思い入れはかなり強いものがあります。基本的に知力はかなり高いタイプと言えるでしょうね。
見た感じは控えめ
あくまで見た感じの話ですが、両者とも結構控えめな印象を与えるタイプと言えるでしょう。
冷静で感情も抑えめ、そして生き字引的に知識に溢れている。そう考えると、何となく控えめな印象も「それっぽい」と言えるかもしれません。
ともあれ、この2タイプは基本的に控えめに見られがちです。唯一の例外は1w2くらいでしょうか。
もっとも、その中身は結構いろんな感情が渦巻いていたり、プライドが高かったりするわけですが……。
違いから見るタイプ1とタイプ5
正直違いをひとつひとつ丁寧に探っていくのも大変なので……ざっくりと双方の概要を、違いという視点から語っていきたいと思います。
タイプ1
直情径行が見られないとは言え、なんだかんだ本能センターですね。冷静で控えめな態度の裏には激情を秘めており、その片鱗が少しずつ漏れ出ています。
要するに、「べき」思想に基づくネチネチしたアレですね。
当然、当人たちに悪気はありません。顕在的な意識の上では善意でしょう。ですが、その裏には「どうして言う通りにしないんだ」という完璧主義ゆえの怒りがあるわけです。ここが、タイプ5にはない感情ですね。
この怒りの感情は、タイプ5からするとおそらくわけが分からないものになると思います。だって、そんなことよりも自分の未来を不安視するのが思考センターというものですからね。
タイプ1には自分なりの正義があります。基本的にはその正義に則って行動し、正義を振りかざし、正義に反するからこそ人を攻撃します。
しかもこれ、攻撃の自覚はないんですよね。自分では善意による是正のつもりです。タイプ5のように攻撃に悪意があるわけではありません。正しくないから殴ってる。それだけです。
というわけで、タイプ1のキーワードをあえて掘り出すとすれば「正しさ」です。(自分視点からですが)客観視して見て正しいかどうかを非常に気にするタイプと言えるでしょう。
また、本能センターらしく非常にわかりやすい思考回路や思想の持ち主とも言えるでしょうね。例えば「それで食べていけるの?」とか「それって何か役に立つの?」と言ったように、実生活に直接的に結びついた考え方をしがちな人たちです。
一方でモラルとか道徳とかも気にしますが、自分の理想以外は基本的に「食えるかどうか」で考えることが多い……かもしれません。
理想のために日々努力する姿や優れた道徳観念はタイプ5が持ち得ることは稀ですし、その点からもタイプ1を割り出すことは十分可能でしょうね。
なんだかんだ、理想主義で完璧主義。で、正しいか正しくないかで物事を考えがち。
ここがタイプ5との違いと言えるでしょうね
タイプ5
正しいかどうかよりも知性に重点を置きがちなタイプ。その点でタイプ1とは大きく違いますね。
タイプ1は自分の賢さはもちろん正しさに対しても「まだまだだ」とある種の謙虚さを持っていますが、タイプ5は自分の知性に関してはある程度以上のプライドと自信を持っています。
つまり、自分のことをそこそこ以上に賢いと思っているわけですね。
まあ実際賢いタイプですが、タイプ1には見えないプライドや驕りのようなものが見えるのがタイプ5の大きな特徴かもしれません。
またタイプ1は”善意”で相手を攻撃するのに対し、タイプ5の攻撃は普通に悪意があります。というか馬鹿(と思った相手)に対して見下した態度で応対することが多いです。
タイプ1を正しさを伝えるメッセンジャーとするなら、タイプ5は知性と真実を求める人と言った感じでしょうか。
正しさに対してそこまでこだわりはありませんし、むしろ自他の正しさそのものを疑ってかかるケースも普通にあります。
善悪で物事を判断している時も不健全気味で悪への攻撃そのものが目的でしょうし、そもそも善悪とか正しさとかよりも、自分の外殻を強くしていくのに忙しいタイプと言えるでしょう。その点、タイプ1よりもはるかに人に興味がないタイプと言えますね。
また思考センターらしく不安や恐怖が先行して行動する場面もありますし、ボトムらしくちょっと浮世離れした思想や思考を持っているケースが多いです。
タイプ1とタイプ5の言う正しさは、基本的に別物ですね。
タイプ1は「どう見てもこっちが正しい」という答えありき、タイプ5は(自分にとって)正しいものといった感じでしょうか
要するに
タイプ1:正しさで人を見がち
タイプ5:知性や知力で人を見がち
まあ他にも人への興味とか攻撃の動機とかいろいろありますが……ざっくり言えばこういう感じですね。
ともあれ、各タイプ意外なところで違いが出るものです。悩んだ時は、こういう些細な違いから外堀を埋めていければいいですね。一気にわかりやすくなります。
筆者:春眠ねむむ
X :@nemukedesiniso
threads:@shunmin.nemui
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コメント
タイプ5の”本能のサブタイプとウィング”返信ありがとうございます。
さてウィングつながりで言えば、対岸のタイプに似ている説明にある程度なっていると思います。1と5の場合、1w9と5w6は1w2と5w4よりも似ていると思いますが、いかがでしょうか。
綾紫様
こちらこそ、続けてのコメントありがとうございます。
さて、ウィングの類似性に関してですが、そちらは似ているとも似ていないとも申し上げられないというのが私からの回答になります。
1w9と5w6の類似している点としては、
・寡黙さ
・ある種の受動性
・自分の内面(知識あるいは理想)へのプライド
などがありますが、同時に違いも少なからずあるかと存じます。
例を上げるならば、
・理想主義か知識優先か
・自分の理想と才能のどちらを優先するか
・軽蔑する相手の違い(理想を理解しない人か、能力のない人か)
といったものでしょうか。
いずれもそれぞれタイプ1やタイプ5ならば持ち合わせているものであり、タイプ1ならば1w9も1w2もそれぞれ自身の掲げる理想があり、タイプ5ならば5w6も5w4も知識や能力を優先している部分があるかと思われます。
実際に1w9と5w6は似通った性質を持っている部分もございますが、私からは何とも申し上げられません。おそらく、見方や個人によって違うのではないかと考えられます。
何とも歯切れの悪い回答になってしまいまして申し訳ありません。
とはいえ、大変興味深い着眼点のように思えました。そのご慧眼、敬服いたします。