今回は爆弾発言&ちょっとした考察ですね。
不健全なタイプ2から、タイプ2が望む愛情とはなんなのかを考えてみたいと思います。
というわけで、早速やっていきましょう。
不健全なタイプ2
兎にも角にも、まずは不健全なタイプ2の状態をまとめないことには始まりませんね。というわけで、早速書籍から引用してみましょう。
人を操り、自分の有利を図り、自分に音を受けていると他者に感じさせることによって、罪悪感を植え付ける。
ー中略ー
自分の行為がいかに攻撃的、利己的であるかについても、極端に自己欺瞞的である。
性格のタイプ P72
件の絶版書籍ですね。これがまた毒舌でいろいろ書いてて面白いし助かるんですよね。
これ再版してくれないかなぁ……
不健全状態になったタイプ2は、主に2つの行動をとります。
- 支配的で傲慢な態度をとり、他者を密かに攻撃する
- 哀れな被害者を演じ、周囲の同情を買う
同情を買ったり洗脳したりといった手段で他人を操り、なんとしても愛情を手に入れようだとかやってる状態ですね。
ここまで落ちてしまえば、基本的にはもう何でもありです。
イカれた洗脳術にだって飛び付きますし、相手を救うためにあえて対象を窮地に陥れることだってやります。
不健全なタイプ2は助けるのがむずかしく、悪名が知れ渡るほど心理療法に抵抗する。自分がどんな言動を取っても、自分自身を道徳的に有意な立場に置く。
ー中略ー
誰かが彼らの行為や動機に疑問を呈すれば、彼らは決まってそれを相手の悪意のせいにする。はっきりした根拠があっても、自分の善意とは関係のないこととしてはねつけることができるので、彼らには何の効果もない。
性格のタイプ P102
加えて「【愛せよ、そして汝の欲することをなせ】の格言を愛の名を借りて好き勝手する許可証にしている」ともあり、まあ、おおよそ自分を善性と愛に溢れた人間と言い張るモンスターみたいな存在であることが伺えます。
断っときますが、どのタイプも不健全化すると方向性こそ違えど似たようなものです。タイプ2だけが特別ひどいとか醜いわけではないので、そこはご理解を
愛情の見返りを求める横暴さ
タイプ2は自分の中にある種の横暴さを飼っており、当人もその事をある程度自覚している人が多いです。
で、不健全に近づくにつれてその横暴さが姿をあらわになっていくことが多いように感じます。
例えばレベル6の場合だと、「自分がしたことが些細なことであれ妄想であっても相手にアピールし、感謝を求める」といった旨の文言があります。
「自分がいろいろしてあげた」という横暴さは、基本的に胸の内に押し込めています。なぜなら、他人にとっては好ましくない感情だから。
ですが、健全度が下がれば下がるほどそのタガが外れていくわけですね。
で、不健全に達したと同時に完全に爆発。人を操っても誰かを傷つけても平気でいられる危険人物になり果て、そんな自分を真正面から見せつけられても「いや、自分いい人なんで」「むしろ周囲は私に感謝すべき」とどこ吹く風です。
タイプ2の望む愛情
ここまでが不健全な姿。ではこの姿から、タイプ2の望む愛情の形を掘り出してみようではありませんか。
まず最初に結論から。特に不健全なタイプ2が望む愛情とは、決して相手から離れないこと。そして可能な限り依存すること。
相手が自分から離れずに好意的な感情を向け続ければ、すなわち自分は無限に愛されることになります。
そして手っ取り早く好意的な感情をもたらす方法が依存です。
つまり、タイプ2は心のどこかで共依存的な関係を求めているわけです。
だから通常段階のタイプ2は他人をよく褒めるし好意的な感情を向けまくるわけで、不健全になれば同情だろうが何だろうがお構いなしになってくるわけです。
好意的な関心が欲しい
まず本音としては、これだと思います。タイプ2は好意的な関心が欲しい。
ちょっとMBTIの話を入れますが、タイプ2の大半ってESFJやENFJだと思うんですよね。実際、この2タイプは半分以上がタイプ2というデータもあります。
結局は、人間関係ありきの人たち。人間関係を築くのに特化したような人物像をしていますし、もっと言えば「人とのつながりこそが大事をなす鍵」とも考えているような人たちです。
そういう人たちが多い以上、どうしても人からの好意的な気持ちや興味関心は生存戦略的に必要不可欠なものになってくるはずです。
というか、ぶっちゃけ不健全時にあそこまでするのも結局は興味関心欲しさという感情センターらしさの現れだと思うのです。
その中でも、タイプ2は特に愛情や好意といった感情を得ることで自分の承認欲求を満たすことを覚えたタイプというのが私なりの答えでしょうか。
不健全時にも道徳的な人の仮面は外さない
もう一度引用を引っ張ってきましょう。
不健全なタイプ2は助けるのがむずかしく、悪名が知れ渡るほど心理療法に抵抗する。自分がどんな言動を取っても、自分自身を道徳的に有意な立場に置く。
ー中略ー
誰かが彼らの行為や動機に疑問を呈すれば、彼らは決まってそれを相手の悪意のせいにする。はっきりした根拠があっても、自分の善意とは関係のないこととしてはねつけることができるので、彼らには何の効果もない。
性格のタイプ P102
不健全時においても、タイプ2は「いい人だ」「道徳的に優れている」という自己イメージを崩しません。
いや、むしろ強化するでしょう。
それはなぜか。おそらくは、自分が悪い人間だと確定すると愛されないことが確定するように感じるからでしょう。
結局のところ、タイプ2は健全であれ不健全であれ愛の人です。他者から愛されたいから人を愛し慈しみますし、それがまかり通らず深い挫折を味わえば強硬手段に出るわけです。
健全な姿のタイプ2は人を慈しみますが、不健全ならばその逆。むしろ愛され、慈しまれることを望みます。
健全化への道をあえて言語化するとすれば、自ら愛されにいくことをやめること……なのかもしれません。
健全なタイプ2の愛情
最後に健全な状態のタイプ2について言及してみましょう。
感情移入しやすく、同情心が強く、他者と共に他者のために感じる。他者の面倒を見、気遣う。社交性に富み、情熱的で、友情と親切の手を差し伸べる。気配りが良く、心温かく、寛容で、真摯である。
性格のタイプ P71
要するに、すげーいい人といった感じでしょうか。
自己顕示欲などではなく本当の意味で他人を気遣い、私心なく人と接し、そして仲良くなっていく。そんな感じの人ですね。
当然、この状態になるのは簡単ではありません。率直に言って、かなり難しいです。
ただ、そのぶん本当のいい人として周囲からもモテますしちょっとした有名人くらいにはなれるので、タイプ2的にも目指す価値はあるのかなと思います。
愛情というのは厄介なもので、求めて手に入るものでもありません。もしかすると無私の愛を向けることで、やっと手に入るものなのではないかなと。
タイプ2にとっては、この「無私の愛」がネックになります。なぜなら、自分はそれを人に向けているつもりでいるから。
そのためにセルフケアが必要不可欠で、だからこそ統合がタイプ4に向くとされているわけですね。
タイプ2は他タイプ(タイプ9とか)に偽装することもあり、実際に自分の状態を客観視するのが苦手なタイプです。それは不健全な状態からもよく確認できますね。
というわけでかなり難しい話にはなりますが……今一度自分のタイプについて見直し、そして改めて自分の健全化に向けて進んでいくのもいいのかなと思います。
非常に雑なまとめになりましたが……ともあれ、今回はここまでですね。
普通のタイプ2解説もやっておりますので、よろしければそちらもご覧ください。
筆者:春眠ねむむ
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