タイプ1は正義の人という感じで、なんともキビキビしていたり、無自覚でいろんなことにキレていたりする人が多い感じですね。
悪い人では決してないのですが、見ているものに不満を持ちやすく、「ああするべきだ」「こうせねば」と横から言ってくるので、苦手意識を持っている人も少なくありません。
じゃあ、そんなタイプ1にウィングとしてタイプ9が乗っかるとどうなるのでしょうか?
今回は、1w9の性格について見てみましょう。
テンプレのタイプ1と何が違う?
さて、まずは完全なテンプレのタイプ1との違いについて見てみましょう。
ほとんど純正に近いタイプ1とウィング9が強いタイプ1の1番の違いは、何よりも「見た感じの厳しさ」でしょう。
ウィング9が強くなればなるほど、タイプ1はタイプ1らしいイライラした様子や神経質っぽさがなくなって、のびのびとやっていけるようになります。
理想主義的で「こうあるべき」という正義がある点はあまり変わりませんが、「ああ、あれもダメだ」「これもアウトだよ」と理想と現実のギャップに振り回されてる所がほとんどありません。
9のウィングの作用でのんびり屋属性が追加され、「人は人、自分は自分」感が出てくるってことですね。
ちょっと冷たい感じもするかもしれませんね。というか実際内面は結構冷たいです
ウィングが強くなれば強くなるほどぽやっとしているところが目立ち、タイプ1のように「こうあるべきだよ」「ああしなきゃだめだよ」ときっちりしているところを見せません。
結構のんびり屋な人も多いわけですね。
無論、これはウィングの強さにもよります。
純正のタイプ1に近づくほど、「これはこうあるべきだ」といったような強い改革意識が生まれたり、規範を守ったり守らせたりする傾向が強くなるでしょう。
基本は「自分が望む世界を目指したい」
タイプ1は理想の世界や自分を目指す。ウィングとしての9はおとなしく他人にそこまで干渉しない性格を表す。
これが指し示すところは、「周囲の世界や自他に働きかけるよりも、自分が目指す世界を自分の内界で作りたい」。これに尽きます。
どれだけぽやっとしていても、中身はタイプ1です。「こうありたい」「世界にこうなってほしい」という理想はあります。
ただ、その内容はどこか非現実的だったり、抽象的でつかみどころがなかったりすることもしばしばあります。
例えば「世界のみんながもっと幸せに生きられればいいのに」とか、「自分は葦のようにしなやかに生きたい」「みんなには道徳的に生きてほしい」みたいに、ちょっとふわっとしていたりよくわからなかったりすることもあります。
無論、ウィングが弱まれば弱まるだけ理想は具体性を帯びてきたり、現実に即したものになっていきます。
ですがどちらにしても理想主義的で、「こうあるべきだ」よりも「こうだったらいいな」という願望に近いものとなっていくでしょう。
理想に対するスタンス
タイプ1は純正に近づくほど(というより1w2に近づくほど)自分の理想の正当性を主張したり理想のために断固とした行動をとりますが、1w9は基本的にそういった野暮ったいことはしません。
理想は自分の胸にあり。実際に理想のため行動するのではなく、ただゆったりと語るもの。
「こうすべき」という思いはあれども人に強制するものではなく、「あくまで自分はそう思っている」というスタンスに終始します。
そのため1w2と比べると理想を固持することが少なく、あくまで「こうなればいいなー」とだけぼんやりと考えます。
基本的にあまり動かず、「わかるひとだけわかればいい」「というか最悪誰もわからなくてもかまわない」と考え、場合によっては理想を語ることすらしないかもしれません。
改革よりも理想を語る
このタイプは、改革を語り周囲に働きかける熱血タイプではありません。どちらかというとぽわっとしており、理想を夢見ることに終始します。
そのため、語るものは「ここは直すべきだ」という改革の主張よりも「こうなったらいい世界になるんだろうなー」という理想です。
つーか健全にもならない限り動かないですね。泥にまみれることは基本嫌います
人に働きかけたり説得しようとするのは嫌。それよりも見ている夢を語りたい。そんな人たちであり、囚われの怒りもあまり顔を出さないでしょう。
人間関係における問題点
タイプ1はえてして独善的な一面をどこかで抱えており、人間関係に問題を抱えることも少なくありません。
1w9のそれは、選民思想的な価値観ですね。
人間関係においては積極的に他者に働きかけることは少なく、理想に燃える点はかなり抑えめになっていると言えるでしょう。
かなり穏やかで、タイプ1らしい厳格さがほとんど見られない人たちですね。
ですが一方で選民意識が強く、自分の理想をしっかりと理解している人、していない人を線引きするところがあります。
特にタイプ9が強まれば強まるほど、個人主義的な面や「こっちの話を聞かない奴は管轄外」のような他人行儀な部分が目立つようになるでしょう。
場合と当人の性格によってはエリート意識が強くなり、自分の理想を理解しない人・理想と違う方向性の人とみなし、まったく相手にしない可能性もあるでしょう。
タイプ1にタイプ9の要素が加わることで、ある意味で人を自分や理想と切り離す一面も出てくるのです。
基本的に一人でいることを好み、「自分の理想は自分だけが見ていればいい」という考えにもなりえます。
どこかで人間関係を厄介事と捉える気持ちもあり、そのために孤立主義者・隠者になることも少なくありません。
タイプ9ウィング1との見分け方
1w9は、どれだけのんびり屋でゆっくりしていてもタイプ1です。
悪人を更生しようとしなくても、あるいは場を乱す人に対して「しょうがないなー」と渋々許すような言動を取っていても、「これこそが正しいんだ」という正義や矜恃は絶対に持っています。
9w1との区別は外面的にはつけづらいですが、9w1の方が周りに流されやすく、一方1w9は不動といった感じですね。
総じて1w9の方が厳然・断固としており、例え周囲と軋轢が生じようとも断固として自分の理想を保持する姿が見られます。
9w1の方が良くも悪くも柔軟ですね。なんだかんだタイプ9なので、人間関係の波乱は嫌っており、自分から理想を口にすることは圧倒的に少ないです。
1w9はあくまで理想主義者。夢見るだけのタイプ9とは違います。
世界に働きかけるかどうかは人によりますが、絶対的な自分の理想を持っており、それを一人になっても追い求めています。
タイプ1ウィング2との見分け方
同じタイプ1同士でも1w2との決定的な違いがあるとすれば、外向性と理想主義の適用範囲でしょうか。
1w9の基本スタンスは「理想は自分の中のもの」「わかってくれる人だけわかってくれればいい」というものです。
この辺1w2は大きく違っており、良くも悪くも周りを見捨てず、理想を人に押し付けたり理想と現実のギャップでイライラしたりします。
テンプレのタイプ1に近いのは、どちらかというと1w2の方でしょう。
1w9にとっての理想とは、あくまで自分が強く願うもの。共有できる相手とは共有しますが、それ以外の人には特に興味を示しません。
1w9が欲しがっているのは人からの理解や共感よりも、「自分は正しい」ということを裏付ける証拠です。
1w2は「自分が正しい」という根拠よりも賛同者を欲しがる傾向があるので、そこが大きな違いと言えるでしょうか。
人間関係はむしろ自分の正しさをおびやかす可能性もありますし、何より1w9にとっては煩わしいものなのかもしれませんね。
いろんな人の理解を得るより自分が正しいと思ったことをして、自分の正しさを証明する。1w9は基本的にそういうスタンスです。
こだわり強く口うるさいのは1w2の方ですが、頑固なのは1w9でしょうね。
理解を得られなくても正しいと思ったことをする。これもまた立派な高潔さのひとつです
タイプ5ウィング6との違い
見分けがつきにくいタイプとして、5w6との違いも考えてみましょう。
この2タイプの違いは、主に物事に対するスタンスに現れています。
どちらも否定的な部分が目立つタイプですが、なぜ否定的なのかが大きく違いますね。
5w6は基本的に何でも疑うようにしています。これはタイプ5がそもそもそういうタイプなのに加え、タイプ6の心配性があるからです。
一方の1w9は「こうあるべき」という強い思いからくる批判主義です。
自己保存優位型ともなると心配性な一面も出てきますが、それでも「これで理想は叶うだろうか」という意味合いの、理想ありきの不安感です。
また、現実的に物事に対応する5w6と違い、1w9は理想主義的ですね。「こうあればいいのに」という思いが非常に強く、行動するときもとりあえず目の前に集中するより理想ありきです。
総じて1w9の方が理想を語り、パッと見では頭を使っているように見えるかもしれません。5w6はひたすら分析・解析に終始しており、理想や理念は語りません。
健全度ごとの1w9
健全な姿
洞察力が鋭い人たちです。
やや隠遁傾向ですが「社会とかかわりたくない」と考えているかと言えばそこまででもなく、「この理想をできれば実現したいなー」と考えながらゆったりと動きます。
理想にこだわるところもあまりなく、周囲の意見や事情を取り入れながら柔軟に形を変えていく柔軟さがあります。
冷静で寛容、人を思いやることができ、他人に対して「こいつはわかっていない」という顔をすることも少ないでしょう。
通常段階の姿
基本的に汚れ仕事や政治は嫌い。それよりもきれいな理想を夢見ることを好みます。
基本的に穏やかでほとんど怒りを表出させず、涼しい顔でゆったりと構えています。そのため、1w2と比べてうるさくはないですね。
自分の正当性について強く主張するよりは、のんびりと理想を語っていたい。そんな感じの人たちです。
あまり意見が異なる相手に寄り添わなくなり、「こいつは卑しい存在だ」とか頭の中で考えながら距離を置く姿も見受けられるようになります。
不健全な姿
「自分だけが正しい理想を知っているんだ」「他の奴らはわかっていない。馬鹿だ」と他者を徹底的に見下し、口を開けば鼻につく物言いが目立つようになります。
また、孤立主義的で隠遁主義な様相が強く表れ、「馬鹿ばっかりだ」「馬鹿な世間とはさっさと縁を切りたい」という思いに支配され、世の中にほとんど姿を現すことはなくなるでしょう。
ではたまに世の中に現れて何をしているのかというと、人を馬鹿にしたり上から目線で批判したり欠点をあげつらったりと、かなり攻撃的なことがほとんどです。
自分の感情と正義の区別がつかなくなり、嫌いな相手をすべて悪だと決めつけることもあるかもしれせん。
まとめ
タイプ1は「自分も人も正しくなければ」「自分が正しい方向に導かなければ」という強い使命感を持っていますが、ウィングが9に偏ってもそのことは変わりません。
特に1w9の場合は、「こうあってほしい」くらいのゆるいものですが、一方で理想には妥協がない言えるでしょう。
一方で自分の正しさや理想を理解できない人には案外冷たく、「まあ好きにすれば?」と冷たく突き放す側面もあります。あくまで自分の理想の追求に忙しいのです。
どうあれ、自分が思う正しさにどこまでもひたむきであり、それだけに高潔な人物であることに変わりはないでしょう。
非常に理想に忠実な人たちなので、なんとなくその生き方がまぶしく見えてきますね。
筆者:春眠ねむむ
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参考書籍
エニアグラム解説
タイプ一覧
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