【ユング心理学】内向的思考型とは

ユング心理学
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今回はユング心理学より、内向的思考型について軽くまとめてみようと思います。

ガチ記事と異なり、こちらは比較的さっくりを目標にやっていければと考えています。

私なりのガチ考察が見たいという方は以下のページをご覧ください。

内向的思考型のあり方

このタイプも外向的思考型と同様に理論や理念を追求しますが、それは客体のものではなく主体。つまり、いいと思った考えを輸入するのではなく、自分の頭の中で「ああでもないこうでもない」とこねくり回すタイプということですね。

ユング曰く、「彼が目指すのは深めることであって、広げることではない」。要するに理論や理屈を高度化し深めることであり、間違っても外界で使う(制度化する・体系化する)ことではないのです。

ここは外向的思考との大きな違いですね。

例えば「弱者救済」というテーマがあったとして、外向的思考型は実際に今ある救済制度をアレンジしたり組み合わせたりして外界で適用するのに対し、内向的思考型は「弱者とは、救済とは何か」とやり始める感じです。

その姿は、さながら哲学者。ユングは「教師失格」と言っていますが、私も同感。というより、教師にしては頭が良すぎます。頭が悪い人に合わせるということができません。

あかつき
あかつき

要するに知的でちょっと引っ込み思案な人という感じですね。

え、他と同じように貶せって?なんで?

このタイプの強みは、間違っても人に物を教えるとか言われた通りのことをするとか実務的なものとか、そういうところにありません。

哲学です。自分なりに色々とこね回して完成した独自の見解は、必ずと言っていいくらい非凡なものになっているはず。それこそが、このタイプの強みなのです。

使い所は……やはり学者とかが一番わかりやすいでしょうか。他にも発明家なんかにも内向的思考は多いです。

とにかくゆっくりじっくりと物事を考えて、それを突き詰めてとことんそれっぽい形にしていく方面でとんでもない力を発揮します。

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主体としての思考

さて、主体的な思考についてもう少し深掘りしてみましょう。

これらは一言で言えば哲学です。

哲学者はよく「人間とは」「人の気持ちとは」と色々と論理づけて考える傾向がありますが、これこそまさに内向的思考の得意分野であり独壇場。この点においては、他の追随を許しません。

自らの理念や思考、出した結論に対して忠実ですが、外向的思考とは異なりそれらは内向きです。思考が内に向かう、つまり自分の中の奥深くに浸透していくわけですね。

この結果が、先程言った哲学です。

「そもそも◯◯とは」「これが一体どんな意味を成すのか」と頭の中で色々考え、自分の中で一つの結論に辿り着くまでひたすら自問自答を繰り返す

どうでもいいことでも着実に拾い、他の人では及ばないくらいの長い時間、頭をフル稼働させて考え抜く。

基本的に思考に関しては休みいらずな人たちなので、休んでいる時もご飯を食べている時もひたすら考え抜きます。

そうやっていわゆる真理に辿り着き、結果優れた哲学を生み出すに至るわけです。

この結論が出るまで延々と繰り返される思考や自問自答こそが内向的思考の真骨頂であり、最高の得意分野なのです。

外界とのつながりについて

外界に対しては、基本閉鎖的。というか外界と関わる術を持っていませんね。というより、外界に対して何かを恐れています。この辺、エニアグラムではタイプ5が多い所以ですね。

ユングはこの敵という感覚に対し「なだめ、あるいは手を引かせようとする」と表現しています。

もしも相手が敏感な人なら、「嫌っているのでは?」「何かある」と感じさせ、ひどいと「なんか見下されている」と感じる人もいるかもしれません。

基本的に目立つことを嫌い、自分自身の思想ごと埋もれているのがこのタイプ。とてもではありませんが、他者と積極的に関わるタイプではないのです。

立ち居振る舞いが不器用な傾向があり、どこかぎこちなく、やもすればロボットのように見えてしまうこともあるかもしれません。

基本的に排他的で無関心で無愛想。場合によっては尊大でとっつきにくい。

そこまで思われるこのタイプですが、何と言っても劣等機能は外向的感情。自分と仲良くなった人には結構優しめです。というか、心を許した相手には意外と従順で純粋です。

普段は自分の思想を見せることに関して臆病ですが、心を許した相手、「こいつならわかってくれる」と思った相手には結構ペラペラと喋ってくれます。根っこは割とお喋りで明るいところがあるのです。

そのため案外知っている人からは愛されたり、逆に利用されたりしやすい一面を持っていますね。

劣等機能:外向的感情

このタイプの劣等機能は外向的感情。つまるところ社会とのつながりです。

劣等のため扱いが苦手であり、先述の通り無愛想に見られたり仲間内に愛されたり、下手すると利用されたりするところがある人たちですね。

また、普段は決して人と距離を詰めない分交友関係が「狭く深く」になりがちで、結構ベタベタと甘えたり仲間内では妙に人懐っこかったりします。

ですが狭く深いということはそれだけ依存先が少ない傾向にあると言え、普段は人と結構な距離を保っているにも関わらず、懐に入られると意外と依存しやすいところがあるのです。

基本的に冷たくて知性的でちょっとお高く止まっている印象がありますが、多くの場合彼らにそんな自覚はありません。それだけに、理解者の出現は非常にありがたいものと言えるのです。

あかつき
あかつき

理解者の出現に小躍りする内向的思考。想像したくもないですが、なんか実例がいくつか……

私が持ち得る実例としては、恋をした異性に対しては盲目的になり、普段の理性的な様子は吹っ飛び、他の誰かがその人と仲良くしていると独占欲を発揮して批判するという人ならいました。

このように、懐に完全に入ってきた相手・自分が入れたいと思った相手には意外な執着を見せるところが彼らにはあります。

こういうところで、外向的感情が発揮されるのです。

感情の抑圧の末

とはいえ、このタイプの感情機能はそう表出するものではありません。多くは抑圧されています。

そして抑圧がひどくなると、次第に頑固で強情な一面を見せるようになります。具体的には、自分の意見に対して絶対的な自信と「その他の意見は間違っている」という気持ちを抱くようになり、自分の意見に固執するようになるわけです。

また、そうなるにつれて周囲の仲間への依存は強まり、同時に親しくもない相手には無関心で場合によっては敵視することすらあります。

この辺内向的感情と似ていますが、彼らの行動は常に利他。つまり自分の感情でなく他人優先のものです。

要するに、自分の感情ではなく周囲の欲求に応えるタイプ。下手をすると共依存につながる恐れがあるくらい、近しい相手に尽くします。

あかつき
あかつき

ここ、気に入った人ではなく「近しい人」というのがポイントですね。これが外向的感情たる所以です

発言は独りよがりになる一方、近しい人にはとことん受容的で尽くしていく。さらには情緒不安定で怒ったり泣いたりを繰り返す。

外から来るものは全て外敵と捉えて拒絶し、失った人間関係の埋め合わせとしてさらに近しい存在や自分の理解者との依存関係を深めていく。

これが、完全にタガが外れた内向的思考の向かう先です。

所感・個人的に思う内向的思考型

なんと言っても、思考に関する体力はお化け、もはや思考だけで物を言うなら後衛適性もあるタンク役と言っても過言ではありません。

考えることにおいては他の追随を許さず、知性一点特化のトンデモ人物です。

そんな彼らの強みといえば哲学や理論体系の構築。現在では不要論も出ていますが、これらがなければ人はそれぞれに適した生き方ができません。要するに体感8割の人は地獄を見ます。

そう考えると、やはり内向的思考の出番は多いのかなと。

もっとも、この思考力はいわゆるINTPのそれです。ISTPだと、また違った様相を呈していそうですね。

おそらくISTPが得意なのは、実用方面での理論構築。簡単に言えば、独自理論が求められるタイプの仕事。意外と技術者とかがそう言ったパターンに当てはまるのではないでしょうか。あるいは何かの設計図を書いたりとかも得意そうですね。

総じて、その頭の中は考え事でいっぱい。色々と考えて色々と悩んだ末に素晴らしい答えに辿り着く、そんな人たちなのかなと。

一方で他人に依存しやすいと言うのは個人的に驚いたポイントです。

ですが言われてみれば「確かに」と思い当たる節はいくつかあります。例えば軽く先述した人なんかがその一例ですね。

交友関係はどうしても狭くなりがちで、かつ利他的で相手を意外と大事にする。考えてみれば、依存に行き着く条件は揃っています。

この辺、外向的思考の方が依存からは遠そうですね(あっちはあっちで暴君化しやすい危険性がありますが)。

ともあれ、意外と仲間を大事にする、心優しく誠実な人が多いタイプと言えます。表面的にはドライ過ぎてパッサパサですが。

あとは、外向的感情の使い方が下手すぎて交友関係を限定しやすいのもおもしろポイントと言えます。

特に不健全時は来るもの拒むといった感じになってしまうあたり、やはり思考機能の持ち主は交友がどうしても狭くなるのかなと。この辺、感情機能優位な方が得意そうですね。

もっとも、このタイプには「哲学」と言う強大な武器があります。そしてそれは他の心理機能の手に余るような強力な代物です。

そんなとんでもないものを操れる内向的思考、その思考力には脱帽です。

まとめ

というわけで、今回は内向的思考型についてまとめてみました。

外向的思考共々、悪い人ではありません。むしろわかりやすい意味での優しさではこちらの方が上と言ってもいいでしょう。

哲学が得意分野と聞けばいらない人たちのように見えますが、地味にこの世界に必要な要素のひとつです。邪険にせず、縁を大切にしていきたいですね。

といったところで、今回はここまでです。他にも色々と心理機能についてまとめていますので、興味がおありでしたらぜひご一読ください!

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