囚われ | 貪欲 |
統合 | タイプ5 |
退行 | タイプ1 |
タイプ7は、明るく愉快な陽キャ連中というイメージが強いですね。
実際には結構物静かな人もいますが……楽しむ姿勢を何より大事にし、いつも何かにのめり込んでいる「熱中する人」です。
明らかな陽属性で退屈を嫌い、常に刺激を求めて様々な冒険や挑戦を繰り返すタイプ7。ですがその一方で、「冷たい」「自己中心的」という声もちらほら聞きますね。
この冷たさや身勝手な行動が、ある意味タイプ7を象徴するダークサイドなのかもしれません。
健全度別のタイプ7
健全度に関しては以下の記事をご覧ください。
レベル1 | 「満足するためには楽しみや刺激をいっぱい詰め込まないと」という思考を手放した姿。 次から次へと活動拠点を変える事をやめ、楽しいと感じることや今やっていることを腰を据えて楽しみ抜き、最大限に恩恵を受けることができる。 深みや本当に満たされた気持ちを手に入れ、感謝と喜びに満ちている。 |
レベル2 | 自己イメージ、「幸福で、自然体で、外向的」。自分がこれからやるありとあらゆることにワクワクして、楽しみに満ちている。 世界は可能性に満ちており、世界の美しさを知る人となる。 |
レベル3 | 「人生は良い物だ」と信じ、自らのあらゆる才能を使って必要なものを手に入れる算段を立て、実際に手に入れることで自己イメージを高めていく。 情熱的、多芸多才、大胆ながらも現実的で生産的。 |
レベル4 | 「もっと良いものや価値のある体験が他にあって、それを見逃しているのではないか」と恐れ始める。落ち着きがなく多動。如才がなく行動的で実績が多いが、こらえ性がなく忙しない。 さまざまな環境に身を置いて実に多くの課題をこなそうとし、世界に置いていかれないように次から次へと新しいものを手に入れようとする。 欲しがりの消費者。選択肢は多くなければ落ち着かない。 |
レベル5 | 注意散漫。熱しやすく冷めやすいの典型。冗談や面白いことを好んで明るく元気な雰囲気を作ろうとするが、気が散りやすく焦点が定まらない。 退屈、欲求不満、心の闇を怖がり、常にエキサイティングな体験や活動に身を置くことでそれらから逃げようとする。 暗い話は何が何でも聞きたがらないし、楽しい体験や面白いことを少しでも取りこぼしたくない。 |
レベル6 | 「まだまだ不十分。自分が欲しがっているものですら、まだ人生で必要なものの全てではないのかもしれない」。 気が短く、即座に結果が出ることを求める。即物的で、所謂スルメのように「噛めば噛むだけ味が出る」みたいなのは大嫌い。旨味なら初手で出せコノヤロウ。好きなものだけ食べて、他を捨ててすぐおかわりを頼む人。 欲も大きい。しかも要望通りのものが手に入ってもまだまだ全然足りない。気持ちがすさんで、自己中心的な振る舞いも目立ち、自分の過ちに無頓着な浪費家になる。そういう姿勢が間違いであると認めない。 |
レベル7 | 「痛みと不幸からは逃げられない」「そんな無限の苦しみを生み出してるのは……自分?」そんな考えが頭をよぎる。当然、認められるわけがない。苦しみも痛みもあってはならない。どんな手を使ってでも取り除く。 非常に無責任で衝動的な行動や言動が目立つ。自分を省みることはここまで落ちるともはや不可能。 とにかく何でもいいので、現実逃避できそうなもの、苦しみを覚えずにすむものを探し回り、安易に飛びつく。もはや「何でもいい」状態であり、そこに喜びも楽しみもない。 |
レベル8 | 躁鬱状態。人生の苦痛から逃げ回るのに必死で、他のことはもはやどうでもよくなる。自分をコントロールできず、ヒステリックで向こう見ずな無謀な性格へと変貌する。 急速に不安定になり、一貫性もなければ感覚もない。無感覚、無思慮で極端な行動ばかりすることも多い。なりふりかまっていられない。ヒステリー性の衝動からくるめちゃくちゃで無軌道な振る舞いと、鬱屈とした性格が交互に顔を出す。 |
レベル9 | 「人生も行動のための能力も、全て取り返しのつかないまで壊れてしまったかもしれない」、そんな気づきがタイプ7にとっての最大の地獄となる。もはや人生を楽しむだけの希望も、痛みから逃げるだけの余力も残っていない。地獄の中で生きる以外選択肢がない。 パニックになって追い詰められたように感じる。人生全部つまらない。世の中ゴミ。 気力も喜びもとっくに尽き果て、行き過ぎた行動の代償だけがその身に残る。 |
ダークサイド:自己中
現実逃避の数で言えば、それこそボトム(タイプ4、タイプ5 )やタイプ9の方が多い気はしますが……それでもやはり、タイプ7のダークサイドは現実逃避からくる自己中心性に通じるところがあると言ってよいでしょう。
暗い面や悲しみ、痛みを見るのが死ぬほど嫌いで、ネガティブな面に触れざるを得ない場面に出くわすとよく逃げます。
そして、深い関わりや情などを通じて1箇所に縛られたり、好き勝手できなくなるのが本当に苦手。
例えば真剣な相談に対して聞き終えるより前に「その程度でへこたれるな!」と一喝してしまったり、「そんなことより、この前おいしいレストランを見つけてさ」と完全に話をぶった切ることもしばしば。
あるいは仲間だと思っていたのに、ある日突然別のグループに混ざりに行ったっきり戻ってこなくなった……なんてこともあるでしょう。
タイプ7にとって人生とは楽しい場所でなく、「楽しくなければならない場所」。心躍る面白い出会いも、思わず熱中してしまうエキサイティングな展開も、座して待つのではなく自分から作っていくものです。
タイプ7は別に「自分さえよければいい」と思っているわけではなりません。友人からの真剣な話を本気で聞こうとする人も当然います。組織や仲間への忠誠心もゼロではありません。
ですが、「楽しくない人生に価値はない」「満たされる環境が欲しい」という渇望は本質にも大きく関わるものです。
楽しみの優先度があまりに高いので、結果的に
友達を助けたい <<< 楽しいことだけに目を向けたい
という風に、気持ちの天秤が偏ってしまうのです。
冷たい行動をとってまで楽しいことを優先させる理由は、主に2つ。
- 小さい頃から抱える「満たされない」という大きな欠乏感をどうにかしたい
- 不安や痛みから逃れたい
どちらも、タイプ7にとっては生命線。だからこそ、タイプ7は自己中心的とも言える行動をとってしまい、結果的に「冷たい」と言われることもあるわけですね。

幼少期にネグレクトを受けてた人も多いようで、特に痛みには敏感な人が多いですね
自己中のもととなる心の闇に関しては以下のページに詳しく書いております。よろしければそちらも併せてご覧くださいませ。
段階ごとのタイプ7
通常段階のタイプ7
貪欲の囚われがもたらすものは、「とにかく楽しくやりたい」「楽しいことや面白いことを詰め込めるだけ詰め込みたい」という願望です。
タイプ7は「満たされたい」という気持ちが強く、そのためにいろんなことに飛びついてはめいっぱい楽しみ、一通り楽しみ抜いたらすぐに別の楽しみを見つけて旅立っていきます。
要するに、せわしない人が多いというわけですね。
タイプ7はいろんなことを楽しんで場を明るくするエネルギッシュな人ですが、同時に根気がなく、すぐに結果を求めてしまう傾向があります。
「満たされたい。今すぐにいろんなことを経験したい。不安も苦しみも、暗い面も見たくない。常に楽しいことだけに囲まれて、明るい面だけ見ていたい」
そんな気持ちが強くなればなるほど、タイプ7は活動的になっていき、不健全に向かうトリガーにもなってしまいます。

人間、一度満足しても次の機会にはそれ以上を求めてしまいますからね。
タイプ7もそこは一緒で、「今すぐにいろんな楽しみを味わいたい」と思えば思うほどいろんなことを体験し、すぐに飽きてしまいます。
「以前ほど楽しくない」と失望を覚えれば、その時チラつくのは見ないようにしていた自分の暗黒面……
不健全段階のタイプ7
退行:タイプ1
色々なことに飽きて満足できなくなったタイプ7は、やがて「盛り上がらない!」「自分の人生つまらない」という苛立ちを覚えるようになります。
そこで、最終的には「注意力が散漫だと、やりたい事もどうにもならない」と気づき、自分の人生にさまざまな制約を付け加えて道を踏み外さないようにしていきます。
ですが、タイプ7が作った人生のガイドは自分の楽しみや気持ちを縛りつけるばかり。ストレスがストレスを呼び、欲求不満で爆発しやすくなっていってしまいます。
自分を満足させてくれない無能な自他にイライラし、少しでも不完全さがある他人や仕組みにイライラし、何となく楽しそうな人たちにイライラし……
やがては他人の粗探しや批判ばかりが趣味のようになってしまうこともあるかもしれません。
そうしてタイプ1のような振る舞いを繰り返しても一向に欲求不満は解消されず、不健全段階に落ちてしまえば、いよいよ目から光が消え、何も楽しめず鬱屈とした性格になってしまうこともあるかもしれません。
楽しいと思えないことでも、人生の苦痛を思い出すことが減るのなら衝動的に飛びつき、自己破壊的に散財や放蕩を繰り返し、それでも決して満たされることはありません。
ヒステリックでイライラしやすく、考えなしにあれやこれやと安易に飛びつき、かと思えば鬱屈とした気持ちで空虚に時を過ごし……
人の助けがなければ、不健全に落ちたタイプ7はどんどん楽しみという感情を失っていき、見たくなかった苦しみや痛みだけを感じ続けるようになるのです。
健全段階のタイプ7
統合:タイプ5
一方、健全な状態のタイプ7は、これまで見向きもしなかった「味わえば味わうほど深みを増す楽しみ」を覚えるようになっていきます。
気晴らしや興奮できる体験ばかりを求める部分もあまり見られなくなり、代わりにじっくりと物事を楽しみ、最後の最後まで味わい抜きます。
もともと頭の回転の速いタイプ7です。落ち着きを手にした際には、生産性や創造性も大きなものになるでしょう。
「よりよい体験を」「もっといいものがあるはずだ!」と慌ただしくあたりを駆け回るのではなく、ただ自分が何をすれば一番楽しめるのかを知り、そこに集中する。
その姿は、ある意味健全なタイプ5 に重なるところがあるかもしれません。
色々頭に浮かぶときは……?

「色々なことがどんどん頭に浮かんでくる」。
一見すると頭が冴えている状態なのかもしれませんが……特にタイプ7にとっては、一旦ストップして気持ちを落ち着かせることが必要なタイミングかもしれません。
タイプ7が楽しいことやいろんなアイデアを次々と連想するのは、不安や痛みから逃れようとしている時が多いです。
こういう時に「どうしたい」ではなく「何があったのか」を追求していくことは、タイプ7にとっては大きな気づきになることでしょう。
一度頭を落ち着かせるために深呼吸し、それから落ち着いたら「どうしたのか」を掘り返してみて、不安の元凶を探ってみましょう。
特に退屈を覚えている時は、重要なヒントになるかもしれません。
自分の気持ちを知り、その気持ちの出所と、自分の苦しみが何をもたらしたのかを知る。
残念ながら、タイプ7は苦しみを全く感じなくなるほどバカでもありませんし、鈍感でもありません。目を背け、油断しているとついつい気になってしまう場所に放置してしまっているのが現状です。
こういったものは捨てることもできませんし、余裕を持てて覚悟が決まった時に少しずつ開けてしまうのがよいでしょう。
痛みも苦しみも楽しいものではありませんが、見てしまったことが長期的には悪くない結果を招くことも多いですよ。
筆者:春眠ねむむ
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