タイプ2は自己犠牲を働いてでも人を助けようとするところがあります。また、どことなく「助けてあげている」という感じのイメージを出すこともありますね。
ですが、2w3は同じ助ける人でも(表向きは)「助けてあげる」という上から目線の感じをあまり出さず、なかなかどうして絡みやすく世渡り上手なタイプでもあります。
そんなわけで、今回はタイプ2の中でもウィング3の人たちがどういう性格をしているのか見ていきましょう。
意外と計算高くて抜け目ない?
タイプ2は「自分は人助けや人に優しくすることを通じて誰かに認めてもらわないと存在価値がない」という思い込みに、大なり小なり囚われています。
これは、2w1でも2w3でも変わりません。
特に2w3は、タイプ2とタイプ3の相乗効果で、「認めてもらいたい」という気持ちが人一倍強いです。
ですが、2w3は「認めてほしいので人に優しく」という点は持ち合わせても、「誰にでも優しくする」という見境のなさはなかなか出しません。
それどころか、自分が歩み寄る相手を慎重に選んでいる面まで持ち合わせているのです。
恩を仇で返すとか自分のことを嫌ってるとか、そういう実りのない相手は基本的にスルー。
自分が求める見返りを全く期待できない「自己犠牲」「一方的な世話焼き」をうまく避けて、自分が気に入った人や気に入ってくれている人のために力を尽くそうとします。
要するに、関わる相手を選んでなさそうでかなり選んでいる抜け目ない一面があるのです。
勝ち目のない戦いはしない。ああ、わかります。
やっぱ無私のご奉仕でお腹は膨れませんからね
社交的で外向的
2w3は、2w1と比べると明らかに社交的で人とよく関わります。
愛想がよくフレンドリーで、人に積極的に関わるという性格を持っている人が大半ですね。
もし社交性を欠く人がいたとしても、それは生育環境が悪かったからと言えるでしょう。根っこの部分では人との関係を求めています。
関わる相手は選びますが、それでも自分の身内と呼べる人の範囲は広く、身内を文字通りもてなしていい気分にさせることに長けていますね。
魅力的な自分を演出する能力に優れており、多くの人を引きつけます。もっとも、引きつけた相手のうち大半を切り捨てることもありますが……。
自分のダメな部分を見つけたり自己批判する暇があるなら人と関わる……というような人たちで、内省の暇があるなら友達を増やします。
そんな性格なので交友関係はえてして広いですが、同時に嫌っている人も割といそうですね……。
内側にある「関わってあげてる」感
タイプ2でもウィングが3に傾けば、あからさまに「自分がいろいろしてあげてる」という様子は出しません。それでは嫌われるとわかっているからです。
ですが内面では、通常のタイプ2以上に「ここまで関わってあげたんだから」と思っているところがあります。
そのため大げさに落ち込んでみたり演技をしてみたり、芝居がかった自身の誇示をしてみたりと、様々な手を使って見返りとしての愛を求めます。
欲しい物もはっきりと口にし、相手におねだりしたりしながら必要なニーズを満たそうと画策します。
やはりどこまで行っても「人から愛されたい」というタイプ2的欲求は切り離せないのです。
そのためなのか、気に入った相手や好きな相手から愛されなかったり「関わってあげてる」という気持ちに釣り合う対価を受け取れなかったとき、2w3は豹変します。
具体的には、かなり高圧的に愛情を要求したり、非常にわがままになったり、傲慢なふるまいを見せたり……。
2w3はなんとしても自分が欲しい「愛情」という対価を受け取りたがります。
もてなすことに対して、非常に強く対価を求めるのです。
2w3には「もてなす人」という別名がつけられていますが、これはタダで尽くすことはありませんよという態度の表れと取れるのではないでしょうか。
2w1と比べて自尊心がかなり強いので、タダで利用されてやるタイプではありませんね
2w1との違い
同じタイプ2ですが、結構な違いがあります。
まず、2w1の方が明らかに人に尽くします。2w3はその辺あんまり興味ないですね。気に入った人や好きな相手をもてなす方に意識が向きがちです。
また、愛情が手に入らない時もまた違った反応を見せます。
2w1:自己犠牲的で悲劇のヒロインのように振る舞う
2w3:傲慢になり何が何でも愛情を得ようと相手を威圧する
こうやって見ると、結構な違いがありますね。
また、2w3の方が外向的で友人が多く、代わりに自分がやっていることや思っていることに対して良くも悪くも疑いの目を向けないのも特徴の一つです。
3w2との違い
続けて、タイプ違いの3w2とは何が違うのかを見ていきましょう。
意外かもしれませんが、相手を選ばず気に入られようとする一面は2w3よりも3w2の方が強く出やすいです。
というのも、3w2にとって人気とは自分の価値を測るための大事なバロメーター。
対して2w3は「何人に好かれるか」より、「どうやったら目の前の人の好意を得られるか」を気にしています。
何人に好かれたとかどんな権威者に好かれたかを気にしがちな3w2と違い、2w3は好きになってくれる人やロックオンしたその人自身を見てるわけです。
一見2w3の方が人として優れているようにも見えますが、まあそのぶん近づいてきた人への束縛が強くなるから何とも言えませんね
3w2はある意味、自分を好きでいてくれさえすればそこまで深い興味を示しません。それよりも数字稼ぎに目を向けます。
対して2w3は好きになってくれた人に対してかなり興味を抱きやすいです。
2w3が健全ならば3w2よりも関わりがいのある人格者になりますが、関わりが深くなりやすいぶん、依存・搾取・暴力と問題が起こりやすい面もあります。
場合によっては、「この前◯◯してあげたでしょ!」とゴリ押して色々要求してくることもあるかもしれませんね……
健全度ごとの2w3
健全時
愛情を求めるために、とにかく相手をもてなす人たちです。ですが一方で、もてなし方は「相手が好むこと」というよりも「自分にできること・できる範囲内のこと」がほとんどですね。
とはいえその献身性は本物で、家族や友人に対して自分ができることならば文字通り何でもします。
一方で自分自身も大事にしており、それが深い内面世界と個性を作り出してもいますね。
総じて社交的で接しやすく、その一方でしっかりと自分の世界を持っている人たち。自他境界がしっかりしており、無い袖を振ろうとすることはありません。
通常時
社交的で愛想がよく、人にいい印象を持たれやすい人たちです。ただし自分の中に明確な目的・目標を持っており、それに沿って行動することが多いです。
世話焼きや献身にはそこまで興味がなく、どちらかというと人をひきつけ、相手と密接に関わることで愛情への渇望を満たそうとします。
内省する暇があるなら人と関わり、親しくすることを求める人たち。
そのため時には大げさに自分の存在をアピールし、周囲の関心を引こうとする面が姿を現します。
不健全時
愛情を得るためならばもはや何でもアリな状態へと陥っていきます。
そのため相手に対してとことん上から目線で迫ったり、拘束したり、誰彼構わず恩を売り飛ばしたりと、もはや手段を選びません。
「自分は人と関わってあげている」という思いが極限まで高まり、その対価をひたすら要求し続ける状態と言えるでしょう。
ですが、そんな自分に気づきたくない。だからこそ内省を一切行わず、ひたすら周囲から愛情を求め続けることになるのです。
まとめ
2w3は2w1と違って、興味ない人や自分を好きになってくれそうにない人は基本スルーします。
ですが、スルーと言っても排除したりだとか、いじめてストレス発散のようなヤバいことをやるようなタイプではまずありません。
基本的に誰に対しても愛想よく明るく接しますが、その中でも特に気に入った人や好きになってくれそうな人に猛アタックをかける。そういうタイプです。
社交的ですが内省時間を必要としない分本当のニーズが置き去りになりやすく、時折変な暴発を見せることもあるかもしれません。
ですが、根っこはやはりいい人なので、なんだかんだ周囲には愛されるタイプのひとつですね。
筆者:春眠ねむむ
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