エニアグラムには健全度(心の成長度)という概念が存在します。
エニアグラムには9段階の健全度が存在し、そのうちの1〜3のレベルを健全、4〜6を通常、7〜9のレベルを不健全な段階とされています。
さて、今回していくのはこの健全度のさらに踏み込んだ話。
それぞれのタイプは健全に向かう時、あるいは不健全になっていく過程では別のタイプとも近い特徴を示すとかで……。
公式書籍では統合、分裂となっており、書籍によって統合を成長、分裂を退行、後退と呼ぶこともありますが……ここはネットで一番ポピュラーであろう、
統合⇄退行
という呼び方で統一させていただきましょう。分かりやすさ重視です。
統合?退行?何それ?
退行は本来「分裂」とされていますが、ネットでは退行という表現がメジャーなため、今回は退行で統一させていただきます。
さて、それでは「統合、退行とはなんぞや」から見ていきましょう。
先ほどもチラッと言いましたが、どのタイプも健全になっていくか、あるいはストレスなどの影響で不健全化していく時に出てくる、まるで別タイプのような特徴を指します。
その中でも健全な状態に向かっていく時に現れるものを統合、逆に不健全に陥る過程で生じるものを退行と呼びます。
統合とは
統合の方向
1→7→5→8→2→4→1
3→6→9→3
ある意味ではリラックスした時に出やすい特徴、あるいは真価を発揮するのに必要な資質とも言われています。
「統合が必ずしもいいものとは言い切れない」とは書かれていますが……書物を読む限り、結局いいことづくめのように書かれていますね。
私個人としても「必ずしも全ての人が目指すべきものとは言い切れない」とは思いますが、一応目指すべき先と見てもいいかもしれません。
例えば強硬派で支配的とされるタイプ8がタイプ2のように柔和になったり、あるいはいつも切羽詰まって余裕のないタイプ1が自然体で遊び心ある人になったり……こんな感じで、ざっくり言えば不安や囚われに不必要に振り回されなくなった状態と言えるでしょう。
当然、無意識下で統合に向かうのはかなり難しいでしょう。ある程度自分の意思で統合に向けた選択をしていく必要があります。
ですが、結局最後には自己実現のために必要な要素も多分に含まれています。目指すだけの価値はあると言えるでしょう。
詳しくは以下に記載してますので、より詳しく知りたいという方はそちらをご参照ください。
退行とは
退行の方向
1→4→2→8→5→7→1
3→9→6→3
一方の退行はというと……統合の逆ですね。方向も、統合に向かう方向の逆を指しています。
統合はある程度意識して囚われや根源的恐れから離れていくのに対し、退行は強烈なストレス化で生じた、囚われから生まれた悪感情の類と言って差し支えないでしょう。つまり、自分の欲求が通らなければ衝動的にとってしまう行動です。
一般的には不健全化に伴って出ていく要素で、不健全になればなるほど強烈に姿を見せる要素となります。ですが、不健全かせずとも油断していると退行が始まってしまうことも珍しくありません。
例えばタイプ2が「誰も愛してくれない」と感じるとそれが強いストレスになり、強硬手段(脅迫や暴力)を用いてでも人に反応や感謝を要求するでしょう。
タイプ3は「何をしても自分には価値がない」と諦観してしまえば、これまでが嘘のように引きこもって何もしなくなるかもしれません。
このように、強烈なストレス、挫折、囚われへの強い刺激、不安に反応して出てくる「裏の顔」「その人の暗部」が、この退行なのです。
詳しくは以下にまとめておりますので、そちらも併せてご覧くださいませ。
筆者:春眠ねむむ
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threads:@shunmin.nemui
参考書籍
エニアグラム解説
タイプ一覧
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