エニアグラムに興味を持てば、「あ、このタイプ嫌い」という勝手な偏見を持ってしまうことも普通にあります。
というか、心理学や占いのような「人を特定の型に当てはめる」ものが抱える宿命だと思います。
今回は、タイプ2が嫌いな人が「なぜ彼らを嫌うのか」という点に的を絞って考えていきましょう。
……無論、全タイプやりますよ?
タイプ2の概要はコチラ
タイプ2のココが嫌い!
……結構多いなタイプ2が嫌いな人。偽善者だの善人はクソだの、そういう言葉が流行った弊害でしょうか?
まあともあれ、早速始めていきましょう。
ひたすら鬱陶しい
何よりまずタイプ2はかなりの世話焼きです。というか、人の世話を焼いたり、ベタベタひっついて飯とか家具とか買ってきたり。
献身と言えば聞こえはいいんですが、如何せん暴走しまくって行き過ぎることもあります。
何というか、ちょっと不気味なうえに窮屈なんですよね。さらっと決定権や主導権も奪っていきますし。
いろいろ気にかけてくれるのはうれしいのですが、それが行き過ぎればむしろ束縛になりますし、悪い言い方とはわかっていても邪魔に思えてしまいます。
押しつけがましい
お節介の延長線上の話になりますが、頼んでもないことを善意で色々と押し付けてくるのもタイプ2あるあるです。
例えば風邪を引いたら家まで栄養ドリンク片手に押しかけてくるとか、なんなら食材まで一緒に買ってきて勝手に台所で料理を始めるとか……。
まあここまでいけばレアケースですが、普段から割とこんなノリです。
彼らも交友関係の維持に必死であるがゆえにこうなるわけですが、あんまりやりすぎもちょっと……いやめちゃくちゃしんどいですよね。
イ”ヤ”ア”ア”ア”ア”ア”!!
好きにさせて!自由にさせて!!
いわゆる「お節介な人」の多くが、タイプ2の素養を強く持っています。
みんな感謝が欲しいんですよね。それが「自分が必要とされている」という証になるので。
なんか上から目線
気づく人は気づくんですが……何というか、彼らから感じる雰囲気は「手伝って”あげてる”」って感じなんですよね。
どこか、恩義をネタにこちらを支配してこようとするような妙な感覚と言いますか……。
実際、タイプ2は優しくていろいろと人の面倒を見てくれます。
それに対して人は「ありがたい」と思いながらも、どこか不気味さと恐ろしさを感じてしまう。というかちょっとイラっと来る。
得体の知れない不気味さを秘めた人が、にっこりといい笑顔で色々世話を焼いてくれるし親密な態度で迫ってくるわけです。
まあ、そんなわけで苦手意識を覚えても仕方ないと思います。
もっとも、本人たちが恩義をネタに法外な見返りを要求するとかそういうことはしないわけですが……何の得にもならないことに首を突っ込みながらも、無茶苦茶な見返りを求めない姿勢もまた怖いです。
感謝や反応を強要してくる
自分に対して感謝や反応を求めるのも、タイプ2が嫌われる要因のひとつとしては結構大きいかもしれません。
とにかく自分のやったことに対して「あなたのため」という空気感が強いわけですね。
実際相手のためにやってることで、言葉の綾も嘘もないです。
ですが、とにかく「今の気持ちは?」みたいに、こっちの反応を期待する態度をしょっちゅう向けてくるわけですね。
さすがに相手の行動に感謝しない人間はクソだと思います。
私事ですが、ありがた迷惑に対して「迷惑」とハッキリ言うのは大事なこととはいえ、あの手この手を使ってでも善意自体を全否定する奴も嫌いです。
ですが、それにしても超えちゃいけない限度があるわけで。
タイプ2は特に、感謝の強要だったり感謝されるためのモーションが行き過ぎる場合がかなり多いです。
というかアレですね。「私求めないよ」みたいな顔して普通に感謝や反応がないと、むくれたり最悪癇癪起こすような人たちです。人の反応に関してはわりとヤバいです、このタイプ。
たまにヤンデレ
エニアグラムでヤンデレと言えばタイプ4を真っ先に思いつくかもしれませんが、ぶっちゃけタイプ2も大概です。
人から必要とされなければ自分の存在意義を保てないタイプなので、相手からの救援要請や感謝の気持ちを引き出すために手段を選ばない傾向があります。
大事な人からもっと頼られたい、自分だけを見てほしいetc……そんな思いが爆発した結果、共依存も辞さない覚悟であの手この手を尽くすタイプ2も存在します。
本人的には相手が自分から絶対に離れていかなければそれが一番いいわけですから、極端に不健全になると監禁や洗脳なんかで無理矢理自分に縛り付けて離れられなくする……てな寸法です。恐いですね。
実際に不健全なタイプ2が暴走した結果、メサコン化して人を再起不能にすることもあるとか何とか……
くわばらくわばら……
はい、ではボロカスに非難したところで、次からは擁護のフェイズといきましょうか。
その優しさは本物です
実際、「もっと頼られたい」「あわよくば依存関係を……」なんてワンチャンの欲求はこの際置いときましょう。
タイプ2のふりまく優しさや愛情は基本的にプライスレス。
恩義をネタに後々見返りを求める連中は、よほどの例外でもない限りタイプ2の皮をかぶった別タイプと言っても間違いではないでしょう。
結局タイプ2にとって優しさとは自分の存在価値であり、「これが無ければ人から愛されない」という命綱です。
実際承認欲求が暴走しやすい側面にはいろいろ思うところがあるとは思いますが、タイプ2の優しさや愛情表現が本物であることは、紛れもない事実なのです。
そもそも、タイプ2みたいに誰にも言われなくても優しさを振りまくタイプがいなければ、世の中の行先は乱世です。
優しさが一切いらない世界では、人を絶対に信用してはなりません。騙し合いの殺し合いが基本です。
ある意味タイプ2は、悪い奴こそが勝つ殺伐とした世界のストッパーであると言えるかもしれませんね。
ボランティアにも思惑も何もなく善意だけで参加し、道端で困っているお年寄りがいたら当然の顔で助け、迷子の子がいたら一緒に親を探してあげる。
こういう人たちを偽善者と呼ぶのであれば、世に善人など一人もいません。
”普通の”優しさは条件付き
通常、優しさや愛情なんてものは条件付きの物でしかありません。
要するに、「自分のニーズに合致している人だけに優しくする」というやつですね。
よほど愛情深い人でも近くにいない限り、周りが価値を見出さなければどんな人格者でもクズ呼ばわりです。
タイプ2の人たちは、理不尽に排除されてしまう人にも優しく手を指し伸ばせる存在。
例えばいじめなんかがわかりやすいですね。
周りが明らかに不当な理由で小数をターゲットにとことんぶっ叩く中、「やめてあげてよ!」と声を上げる。タイプ2は、そういう特性を持った人たちなのです。
もっとも、それがしばしば行き過ぎてしまう点に関しては私では擁護に限界がありますが……普通の人がめんどくさがる善行すら進んでやる点は、他タイプにはない長所の1つと言ってよいでしょう。
タイプ2は存在を認められると化ける?
タイプ2がサイコヤンデレ化する最も大きな要因が、「いつまで必要とされるかわからない」「そもそも自分がいらない子なのではないか」という不安感です。
逆を言えば、それらを取り除きさえすれば単なる聖人君子です。
とはいえ、余計なお節介まで焼かれてしまうと、今度はこちらが持ちません。
自分の距離感と相手の気持ちのバランスをうまく保つのが、タイプ2とうまくやっていくポイントになります。
余計なお世話に対し、怒りのあまり相手の気持ちをガン無視するのも当然ダメですが、相手のペースに乗せられてもズブズブとメンヘラの沼に沈んでしまいます。
相手の気持ちに感謝したり大事な人であることはきちんと伝えつつ、言いたいことは毅然とした態度でハッキリと伝える。
タイプ2と健全に関わるうえで大事なのは、「気持ち」と「事実」を分けることなのかもしれません。
筆者:春眠ねむむ
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参考書籍
エニアグラム解説
タイプ一覧
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