今回はエニアグラムの雑談会。タイプ4の人間関係について、独断と偏見で見ていきたいと思います。
なんだかんだ言って、やっぱり人を見る目があるタイプ。ですが、それでもロマンスや救いを求めるあまり、頭で「こいつではダメだ」とわかっている相手にすり寄ってしまったり、逆に突き離すべきではない相手と縁を切ったりしてしまうことも……
タイプ4の人間関係
タイプ4が求める人物像は、通常は以下の2通りがほとんどです。
・自分を救ってくれそうな人
・自分の理想や都合の良い妄想の材料に使える人
何となく辛辣な書き方になってしまいましたが……まあ、だいたいこれが通常段階以下のタイプ4が好む人間関係です。
芝居がかった喋り方をしたりクセのある言い回しを好んだりして、自分の独自性を確立しようとする様子も多く見られます。
距離が近づけば近づくほど……
極端に言えば「自分の人生という壮大なドラマの登場人物か、それ以外か」で人を区分けするところがあり、たまに変な気位の高さや理想の高さが見え隠れします。
「ビビッときた!」みたいなインパクトある出会いとか大好物で、特に本能タイプがセクシャルなら余計にその傾向が強くなるでしょう。
ですが、いつも意中の人以外に冷淡なわけではありません。「人は人、自分は自分」と割り切っており、対して興味のない人を冷遇する面はほとんど見えません。むしろ相手の価値観を尊重する面が目立つでしょう。
正直、問題は自分の人生に必要な人に加えられた人への接し方にあると言っても過言ではありません。
タイプ4は「自分には他者にない心の傷がある」という特別感を抱えると同時にそれが苦痛にもなっており、無意識レベルで救ってくれる人を探しています。
通常段階〜不健全にかけてのタイプ4が距離を近づけるということは、つまり「自分を特別な苦しみから救ってくれる何かがあるかもしれない」と期待を寄せていることとに等しいです。
もし勝手に期待して勝手に「期待外れだ」と失望を覚えたとき……タイプ4は自分が密かに抱えている苦しみやそれを生み出した相手に対する怒りや憎しみを、救ってくれなかった人にあらわにすることでしょう。
要は半分八つ当たり。もう半分は理不尽なクレームです
理想化と失望の無限ループ
タイプ4にとって人生とは壮大なドラマ。自分たちはそこに登場するキャラクターのようなものです。
自分は虐げられたヒロインとしての要素が少なからずあって、周囲はその痛みをわかってくれる人や痛みや苦しみから自分を時はなってくれる人でなければなりません。不健全化すればするほど、この気持ちやドラマ世界を生きている感覚は強まっていきます。
結果として、自分の描いた台本と周囲の実際の行動に乖離が発生します。
要はアレですね。「自分の想像では、あなたはこう動くはずだった!どうしてそれをしてくれないの!」というやつです。
当然、通常段階のうちは、さすがにそれが理不尽なクレームにすぎないことを理解しています。
ですが、余裕がなくなればなくなるほど、「自分が考えた人物像と違う!」というクレームは正当であるように思えてくるわけです。
相手の過度な理想化と脱価値化による失望。このループは、タイプ4にとっては課題の1つになることでしょう。
タイプ4の求める人物像
これは先程述べてしまいましたね。
タイプ4が求める人は、まずひとつが自分の痛みや気持ちを理解し、救ってくれる人。もうひとつはキャラクター設定通りに動く人、つまり人生というドラマに使える材料です。
健全であれば自分のためになる人やつまらなくても好きな人を選びがちになりますが、不健全になるにつれて選ぶ人も「言わなくても自分のことを理解してくれる人」「自分を苦痛から救ってくれそうな人」に傾いていく傾向があります。
あるいは自分の人生を彩ってくれるキャストも大好き。
通常段階以下のタイプ4にとっては自分の人生には「特定のムード」と書籍で言われる台本があって、その台本と違うものは自分でも自分が関わるべきものでもありません。
この自分のムードを加速させてくれる人……つまり台本通りの登場人物に興味を持ちやすいです。
タイプ4は基本的に昔負った傷やその中から見つけたアイデンティティに固執しやすい傾向があります。これは人間関係にも現れており、どれだけ素晴らしい人が目の前に現れても、一瞥すらしないことも少なくないのです。
タイプ4の恋愛
タイプ4にとっては、恋愛もロマンスを大事にしやすいです。
独特の雰囲気を展開したり特別な体験を求める気持ちも強いのがタイプ4の恋愛。好きになった人には、基本的に理解と救いを求めます。
好みのタイプは、一貫して自分を支えて、ずっとときめかせてくれる人……といったところでしょうか?
感情を大きく揺らされる甘く切ないロマンチックな恋愛や痛みを伴う激しい恋愛を好む傾向が強いように思いますね。
本気で愛してくれる素晴らしい人を「つまらない」と切り捨ててメンヘラを選んだり、急に連絡が取れなくなって数年後にまた声をかけてきたり……そういうのも割と見ますねぇ
タイプ4にとって人生とはドラマ。つまり恋愛もドラマです。
自分を愛してくれる人との安定した平穏な関係より、不安的でデメリットばかりでも燃える恋愛を好むのは、ある意味性分かもしれませんね。
もしタイプ4と恋愛を進めていきたいなら、八つ当たりやわがままをぶつけられても真意を汲み取る思考力と忍耐力、そしてはっきりと愛情を伝えるマメさが必要……かもしれません。
タイプ4と相性がいい人、悪い人
相性◎な人
- 正確に称賛し正確に否定できる人
- ムードに流されず真摯に向き合える人
- わがままに振り回されずしっかりと愛情を向けられる人
まず、同じボトムに位置するタイプ5はまあまあ波長も合いやすく、ムードに流されにくいので心強い味方になるでしょう。
もっとも、問題はタイプ5自身が出不精でほぼその気ゼロなこと、あとはお互い内気すぎて関係維持が難しいことですが……
また、タイプ5とほぼ同様の理由でタイプ9も正確にタイプ4を見てくれる人と言えるでしょう。ただしこれも自然消滅注意。
気が合うこととズブズブの共依存への注意が前提ですが、タイプ2もしっかりとタイプ4させてくれるので好相性と言えるかもしれません。
ともあれ、タイプ4との関係維持に必要なのは自他の境界線をしっかり引くことと、ムードや大きすぎる感情に振り回されない冷静さが大事になるわけですね。
当然、一貫してタイプ4を好きでいてくれて理解しようとしてくれる人というのも、タイプ4にとって(どのタイプにとってもだけど)重要な人物になり得ます。
相性×な人
- ルーチン好き、保守派
- ムードに一緒に流されてしまう人
- 自分を見てくれない人
正直、通常段階以下のタイプ4を長期間同じ場所に引き留めるのはかなり難しいと言えるでしょう。
そのうち刺激不足やつまらなさを理由に突然いなくなることもありますし、束縛しすぎるとそれ以前にタイプ4は限界を迎えます。
タイプではありませんが……本能タイプが自己保存方の人は、タイプ4と末長く良縁を維持するのには一工夫必要になるかもしれません。
当然、ムードに流されてしまう人も、タイプ4と喧嘩別れしたり共依存に陥る原因にもなるでしょう。タイプ2は、特に相性がいい代わりに共依存の可能性も付きまといます。
タイプ6も性格次第で相性の良し悪しが分かれますが、人に追従するタイプであれば喧嘩になりやすいかもしれませんね。
また、タイプ7やタイプ3のように自分の進展が主眼にある人も、タイプ4が「自分を見てくれない」と拗ねて関係がこじれることにもなる可能性もあります。
ロマン主義の産物
さて、繰り返しになりますが……今回は通常〜不健全にかけての、根源的欲求も囚われも働いているタイプ4に限ったお話。当然健全になれば相性の良い相手も増えますし、相性の悪い相手も減ります。
タイプ4にとって最も重要になるのは、「自分の世界にのめり込むことだけが人生の楽しみではない」「自分を暗い過去から救うのは人ではない」と知ることです。
当然自分の人生の台本を捨てることは痛みを伴いますが、ロマンスではなく現実に自分を救ってくれるものに目を向ける余裕を与えてくれます。
ついつい「相手はこう思っているはず」「あの人はこんな人だ」と想像に頼ってしまう点がタイプ4にはありますが、それを正解だと思わず事実がどうなのかを確かめることが、タイプ4が良い人間関係を手にするための第一歩ではないでしょうか?
筆者:春眠ねむむ
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