タイプ6「への」アドバイスではありません。タイプ6「が求める」アドバイスです。
というわけで、今回はより深く、ちょっぴりダークな内容でお届けいたします。
タイプ6が求めているアドバイスとはどんなものか?それを見ていくことにしましょう。
タイプ6が求めているアドバイス
率直に言います。たいぷ6はアドバイスなど求めていません。
では何を求めているのか?
それは正解です。
これだけでは何のことかわかりませんね。かいつまんでになりますが、解説しましょう。
タイプ6がなぜ正解を求めるのか?それは根源的恐れと根源的欲求によるところが大きいです。
根源的なんとかがよくわからないという方は以下のページをご覧くださいませ。
【エニアグラム】各タイプの根源的恐れと根源的欲求を自分なりに考えてみる
【エニアグラム】囚われのもと?各タイプの根源的恐れと根源的欲求

他記事の宣伝は忘れないスタイル。まあブログ書いてるとよくある話ですけど……
それぞれ、タイプ6は「支えや導きがないこと」を恐れ、「安全」を求めます。それがどういうことなのか、詳しく見ていきましょう。
根源的恐れ「支えや導きがないこと」
なぜ根源的恐れが「支えや導きがないこと」なのか。それは、タイプ6が幼少期親から受け取った無自覚のメッセージにあります。
「あなたは自分を信じてはダメ」
まあ書籍の内容をそのまま載せるのであれば「自分を信じるのはよくない」ですが、似たようなものでしょう。
要するに「自分自身を信じてはダメだから、支えてくれたり自分を導いてくれるものを求める」。これが根源的恐れにつながっていきます。
根源的欲求「安全」
では、続けて根源的欲求である「安全」についても見ていきましょう。
安全と支えや導き。一見するとつながりのない両者ですが、実際のところは深い関わりがあります。
その一連の流れを端的に表しましょう。
「支えや導きを求める=自分を守ってくれる絶対の存在を求める」
タイプ6は絶対的な安全に身を任せて安心したいのです。そのための安全です。
タイプ6がほしいのは「アドバイス」ではなく「正解」
では、ここで当初の話題に立ち返りましょう。
ここまで考えてみると、タイプ6の特性としてあるものが見えてきます。
「タイプ6が求めているのは、自分を安全だと思わせてくれる存在である」
要するに、不安要素を一切排した絶対的な安全地帯。「こうすれば大丈夫」という答えです。
「どういう理屈でそうなっているか」とか「こういう道もこういう方法もあって……」とか、そういう話ははじめから求めていないわけですね。
欲しいのは、「これこそが正しい」「これが絶対の答えだ」という言い切り。要するに理屈や「なぜ」ではなく、正解と答えだけが知りたいのです。
特定界隈ではよく「日本人はマインドではなくノウハウ、つまり理屈ではなく答えが知りたい」「断定口調でなければ不信感を抱かせる」と言います。
いや、ひどい人はノウハウすら知ったことではないですね。「そんなこと言われてもわからない」と思考停止し、「やれば間違いなさそうなこと」だけを求めています。
「で、結局何が正解なの?」「小難しい話とかそんなことはいいから、どうすればいいかだけ教えてくれ」「答えを言わないクソバイス」。
リアルでタイプ6と思しき人にアドバイスをした時、8割方返ってくる答えがこれです。

こいつ答えだけを求めているのをわかってやってますからね。他人の人生に立ち入らないよう予防線を引きたいんですって。
そりゃ嫌われますよ。ホント馬鹿
結局アドバイスという言葉を求めながら、その実アドバイスなど求めていません。
彼らが言うところのアドバイスは、すなわち答えです。それ以外の何物でもありません。
「こういう手もある」ではなく「こうしよう」。
「これとかどうかな」ではなく「絶対これがいいよ」。
これこそが、タイプ6が求めるアドバイスのあり方と言っても過言ではありません。
「勝ち組」という正解
よく言われる価値観を例に出してみましょう。
「勝ち組」というものがありますね。
いい大学を出て、大手の会社に就職し、終身雇用で高給をもらってマイホームと車と美人な配偶者を娶って……。
あるいは女性の場合も、経営者やその手の勝ち組と結婚し玉の輿に乗ることをよしとされていましたね。
もっとも、最近になって「副業」「経営」という新たな正解が現れてほとんどがそっちに行ってしまいましたが……問題はそこではありません。
「勝ち組」「経営」「副業での成功」。なんでもいいでしょう。とにかく、正解です。勝ち組も、副業も、全て正解です。正解だから人々が群がります。
実際、今でも勝ち組絶対説を信じているか、それを「馬鹿だ」と思っていても、副業をすることや経営者を目指すことは正解だと思っている人が大勢いるでしょう。
私が関わった人の中では、7割方の人がいずれかを正解だと信じて目指しています。
ここでも、「自分で考えるのはよくない」という親のメッセージ、そして「支えや導きを失いたくない」という根源的恐れが関係しています。
かなりざっくりと言うなら、世間で言われている安直な正解に飛びつくことで、自分の身の安全を図っているという状態ですね。
赤信号、みんなで渡れば……
ちょっと話を逸らしましょう。安直な正解に飛びつくことが、なぜ身の安全とつながるのか?
理由は簡単です。「赤信号 みんなで渡れば 怖くない」。
「みんなやってるじゃん」というやつですね。エスニックジョークで「日本人を海に飛び込ませるなら『みんな飛び込んでるよ』と言えばいい」みたいなやつがありますが、大体そんな感じです。
要するに、多数派への迎合です。良くも悪くも、みんなで心を一つにすることで不安な気持ちに対抗します。
時に、タイプ6の囚われは恐れです。よくわからない方は以下をご覧ください。
これは未知への恐れ、孤立への恐れ、間違いへの恐れなどなど、あらゆることへの恐れを表します。
タイプ6は、非常に心配性なのです。その心配を和らげてくれるのが、仲間という存在です。
仲間と一緒に未来を敵視したり謎に楽観視したりし、孤立しないよう集団色に染まり、間違いや失敗を恐れるため別の考え方を断固として否定する。
健全化すればまた変わるのですが……タイプ6は仲間に支えられることで、気を大きくしたがる。なぜなら心配でやっていられないから。
何事にもまず正解を求めるのも、「心配を和らげてほしい」という気持ちが大きく影響していると言えるでしょう。
「これが正解」というバイブル
さて、「根源的なんたらとか囚われとか知らんし、結局タイプ6が正解を求める理由はなんやねん」となった方もいらっしゃることでしょう。
タイプ6が正解を求める理由。それを簡単に言い表すなら、「これこそが正解」という一種のバイブルです。
「こういう理屈である」、ではなく、「これが正解ルート」。
「こういうマインドが大事で……」という話はどうでもいいので、「とにかくどうすれば結果が出るのか」を教えてほしい。
全て、理屈ではありません。
欲しいのは理屈や論理といった小難しい話ではなく、選択肢でもなく、ただただ「こうしなさい」という正解のみです。
なぜ正解なのか?そんな難しい話を求めているわけではないのです。「こんな正解もある」という話も同じです。
ほしいのは「これ!」というただ一つの答え。それだけです。それ以外は、あえて悪い言い方をすればゴミ同然です。
よく「たくさん選択肢があったら逆に困る」「ひとつ選択肢を知ればそれだけでいい」みたいなことを言う人がいますが、その思考回路はこうなっているわけですね。
思考停止というより「思考を停止したい」
さて、ここまで長々と話してきましたが、タイプ6は何も考えず目の前の答えに飛びついているわけではありません。
擁護するなら、非常によく考えているのです。よく考えた結果として、思考停止している。それだけです。
これでは意味がわかりませんね。順を追って説明しましょう。
タイプ6の考え方は、ある意味では選挙に似ています。
選挙の仕組みは言うまでもありませんね。政治家を自分達で選び、投票し、あとは当選した政治家が政治を行う。
一方、タイプ6の思考回路はこうです。
将来とか未知とか色々不安だし、思考停止してもついていける正解がほしい。ただ、正解と思ったものが不正解だったら嫌だな。ならば自分たちで正解を選ぼう。よく観察して本当の正解を見極め、正解が見つかったらあとはその正解に身を委ねて、思考を止めて生きていこう。

正解のゲシュタルト崩壊
タイプ6は正解の前には思考停止します。ついでに言えば、正解以外は見ていませんので、「結局何が正解なのか」という話以外の場面でも思考停止しています。
よく日本人は権威主義に陥りますが、それも「権威ある人が言ってるんだから間違いない」という、ある種実績重視の選挙思考ゆえのものと言ってよいでしょう。
そんなわけなので、タイプ6は「正解が何か」についてはよく考えを働かせますが、選択肢を与えてくれるアドバイスには興味を持たないか、「何が正解かわからなくなる」と敵視することもあります。
それゆえに、私は「タイプ6はアドバイスよりも正解を求める」という話をしました。これが答えです。
まとめ
というわけで、今回はタイプ6とアドバイスについてまとめてみました。
正直、今回タイプ6について結構な手の内を見せたと思っています。
実のところ、タイプ6にとってアドバイスとはすなわち正解への導きです。それ以外のものは求めていません。
正直なところを言いますが、結構いますね。アドバイスを求めてきては、「こうしてください」と言わなかったら怒り始める人。おそらく、「正解が何なのか見極めなければ」という思考に囚われているのでしょう。
大半のタイプ6には、道を拓いて選択肢を与えるような助言は逆効果です。むしろ信用できる理由を話して「これこそが正解」と一つの方法を提示してしまった方が、手っ取り早く動かすことができるでしょう。
何の役に立つかはわかりませんが、一応参考程度に。
ともあれ、身を委ねられる答えを求める選挙思考を持ったタイプ6。指示待ち人間の多さや「アドバイスは求めるけどアドバイスを求められるとムカつく」という人が多い理由は、ここにあるのかもしれません。
といったところで、今回はここまでですね。エニアグラムについて色々な記事を書き散らしておりますので、この後もいくつか見ていっていただけると幸いです。
筆者:春眠ねむむ
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