今回はエニアグラムの雑談回。タイプ6の人間関係について、独断と偏見で見ていきたいと思います。
このタイプは不安感を覚えやすいのが特徴と言いますが、一番わかりやすいのは「頼れる人も欲しいし、でも独立していたくもある」という複雑な心境でしょう。
どっちに転びやすいかは人によりますが、本人が「自分はそんなことない!」と思っていても、不思議と従属と独立を行ったり来たりしているものです。
※あくまで今回は通常段階以下の典型的なタイプ3に限った話です。
タイプ6の人間関係
タイプ6の描く人間関係は様々で一概に「こうだ!」とは言えませんが、そのほとんどで言えるのは自意識の高さと、かなり細かな気遣いや配慮です。
ぶっちゃけると、かなり気にしぃなのがタイプ6。所属集団への貢献や信じた人への献身を何よりも大事にします。
責任という言葉が服を着て歩いているような人も中にはいますね。
「日本人は真面目で責任感が強い」とよく言いますが……要するに気にしぃゆえの「頑張って味方であることを伝えなければ」とか「しっかりと自分の働きでこの人を助けなければ」とか、そういう意気込みみたいなものを胸に、タイプ6は人間関係を構築していくのです。
「人は1人では生きていけない。だから助け合うんだ」
あるいは
「人は群れの生き物。集団から放り出されることがあれば生きていけないんだ」
みたいな。
そんな信念を抱えて生きる人が多数派ですね。
でも依存しすぎるのも不安や……
自分が賭けた集団にベッタリな人が多数派なタイプ6ですが、それでもやはり思考センター。思考停止していても、時折「本当にこの人たちについていって大丈夫なのか?」と不安になることもあります。
「実は利用されてる?」
「貢献をやめてみたら、実はあっさり捨てられるんじゃないの?」
と。こんな感じに不安を感じることも多くあるのです。
基本的には危険や良からぬ予感を未然に防ぐことで所属集団を守る方に気持ちが働くタイプ6ですが、(特に健全度が低くなるにつれて高頻度で)「良からぬ予感」の矛先が所属集団や信じた相手に向くこともあるのです。
そういう時には、タイプ6は急によそよそしくなったり、下手をすると盛大な裏切りを画策するかもしれません。
タイプ6は「自分は完璧に守られている」という保証も欲しいし、一方で所属集団に完全に染まらずある程度独立していたいという気持ちも抱えています。
依存心と独立心を同時に持っており、それが交互に出ることも少なくないのです。
タイプ6が求める人物像
精神が割と複雑なタイプ6は、難しさが同レベルのタイプ5並……下手するとそれ以上に求める人物像も複雑さを極めます。
まず、自分を安心させてくれるだけの力強さや権威を持つこと、そして絶対の味方でいてくれる素晴らしい人であることは、大半の人が条件に上げるのではないでしょうか?
要するに、口だけでなく本当に自分を守ってくれる人が好きというわけです。
基本基準は「いい」「悪い」
健全度が低めであればあるだけ、タイプ6は善悪の二極論に思考が傾きやすい傾向にあります。
通常段階以下のタイプ6が人間関係や人付き合いで相手に少なからず求めるものは、「絶対的な正解」です。
極端に凝り固まったタイプ6にとっては、まさに正解だと感じるものは「いい」もの、そのほかは全て「悪い」ものです。
もっと言えば、自分のことを理解して道を示してくれる「いい」権威者に出会えば、絶対の忠誠を誓うでしょう。
一方で「いい」部分(自分への理解度、自分の味方であること、自分を守れるだけの権威や力)に一瞬でも陰りがあるように感じると、絶対の忠誠心は強い疑念に変わることが多いわけですね。
もう一度言いましょう。タイプ6が信じた人に求めるものは、絶対の正解です。
示した正解に自信や絶対性、現実性、確実性が感じられなければ、一気に不安を覚えるのです。そして不安が不安を増殖させ、いつしか「いい人」だった相手は、「悪い奴」に置き換わっていくのです。
でも独立性も保証して欲しい……
タイプ6は何かに依存することで安心を得ようとしますが、同時に「何かに依存したままでは自分は安心できない」と頭で理解しています。
そのためか、どんな相手であっても、「自分が相手に飲み込まれる」「相手に取り込まれていく」という感覚を非常に嫌っています。
要は、相手に頼る気持ちが強い一方で、自立心も旺盛なところがあるのです。
信じた人がいないのも不安、かといってベッタリしすぎても不安……どうすればいいのかわかりにくい人たちでもありますね
不健全になればなるほど依存心を強める傾向にありますが、それと同時に独立心も暴走し、不満体質のような人にもなっていくのです。
その結果、いろんな人に理想化と失望を繰り返して依存先を転々としたり、「搾取されている」という強迫観念に支配されて些細な行き違いを敵対行為と受け取ったりする人も……
それでも信じた人への献身は本物
このように同じタイプ6でも「こうはならんやろ」と言いたくなるほど複雑怪奇な性格をしている人も多いタイプ6ですが……一概に「本当に認めた味方に対しては献身的で非常に頼りになる存在になる」という特徴もあります。
当然、健全になればなるほどみられる傾向ですが……通常段階以下でも、信じた人をちょっと疑ってみることはあれど、不安を増大させなければ絶対の味方でいつづけてくれるでしょう。
それこそ家族のために身を挺して働いたり、みんなが敵の状況でも1人だけ味方してくれたり……一般的に抱かれがちなイメージをいい意味で裏切る姿を見せてくれることも、意外と多いかもしれませんね。
タイプ6の恋愛
どのタイプにも割と言えることですが……どうにも、タイプ6は特に気を許した相手に対してはそのよさも悪さも出やすい傾向にあるように思います。
「信用した相手を信じ切ろうとする気持ち」と「裏切られたという被害者意識」が渦巻いているような人が、恋愛や夫婦関係では多く見られますね。
例えば「あの人とならば自分は幸せになれる!」と駆け落ちを決めて、家も財産も地位も捨てて2人で愛の逃避行を決めたり、あるいは愛する人のために全てを捧げ、「相手の喜びは自分の喜び、相手の悲しみは自分の悲しみ」を地で行くタイプ6もいます。
一方で「そもそもあいつと付き合い始めてから、自分は不幸になったんだ」と不幸の責任を相手にとことん転嫁する人、「自分の相手はひどいものだ」と相手を敵だと認定して激しく憎んでいるのになぜか別れない人。これもタイプ6に多いパターンですね。
愛情という重い対価を支払っている分相手への想いも大きくなりますし、相手に求めるものも大きくなる。これが、通常段階のタイプ6に多く見られる傾向ですね。
健全度が高まれば高まるほど要求のハードルは低くお互いのより良い関係を考えるように、低くなればなるほど高く理不尽になっていくのもよくある特徴です。
望むものは共依存関係か、あるいは健全である程度独立しつつ、お互いを思いやれる関係か……
ま、この辺は健全度次第ですね
タイプ6と相性がいい人、悪い人
相性◎な人
- とにかく安心させてくれる人
- 懐が深く、肯定・否定を的確にできる人
- 心の底からクサい台詞を吐ける人
最後のは半分ネタ枠です。悪意はないので悪しからず……。
さて、何よりタイプ6を健全に導いてくれるには、何より健全に不安を取り除いてくれる人が安牌です。
当然ポジティブなだけでは「何をわかったように」と不安がってしまいますし、その場での安心感を与えるだけではその安心が崩れた時が怖いです。
しっかりとタイプ6が「この人のためなら」と思えるだけでなく、タイプ6がたまに抱えてしまう不安や被害者意識を程よいところで受け流し、「絶対の味方」というポジションから的確に肯定・否定できる人であることが望ましいですね。
絶対の味方ならタイプ2、的確な評価ならタイプ1、タイプ5あたりが好ましいでしょうか。
あとは条件の最後のアレですが……これはもうタイプ6を安心させるための特効剤としても機能します。
どれだけいいことを言っても、タイプ6が安心して聞く耳を持つ状況でなければ意味はありません。
その辺考えると、9w8あたりが(気持ちさえ合えば)最良の相手になりやすいのではないでしょうか?
相性×な人
- 口先だけの人
- 味方アピール少なめの人
- 同じ白黒思考の人
タイプ6とうまく付き合えるかどうかは、タイプ6自信が安心できるかどうか、そして一緒に暴走してしまわないかの2点にかかっています。
とは言えどちらもうまくいっている時には問題なく歯車が噛み合いますが、どこかで狂いが生じると一気に瓦解するでしょう。
口先で仮初の安心を与えてくれる人とかはまさにその典型ですし、味方アピールが少ないといつの間にか疑念を持たれてしまうこともあります。
実を伴ったフォローとこまめなケアやサポートは、タイプ6の安心と信頼を勝ち取るための必須条件ですね。
相手をほったらかしにしがちなタイプ3、タイプ5、タイプ7あたりは、噛み合えば素晴らしい関係性を築ける反面、最悪になるリスクも無いとは言えません。
また、同じく白黒思考に陥りがちな人も、一緒になってお互いの不安を増大させたり、お互い自分の正しさに固執して関係が拗れることもある……かも?
リラックスリラックス!
さて、繰り返しになりますが……今回は通常〜不健全にかけての、根源的欲求も囚われも働いているタイプ6に限ったお話。当然健全になれば相性の良い相手も増えますし、相性の悪い相手も減ります。
人間関係はもちろん、何事もです。タイプ6にとっての課題は、いくらでも湧き上がる不安や疑念とどう向き合うか、どう解決していくかにかかっていますね。
基本的には「自分は不安を覚えていない!」という自己暗示や安易な善悪二元論にすがることで不安に対抗しますが、そこに気づくこと自体がなかなか難しく……
ひとまず、リラックスするのが大事ですね。深呼吸し、目を閉じて瞑想なんかしながら、今の自分の生の気持ちに触れてみましょう。
課題や今後の人生戦略に触れるのはひとまず後です。まずは無意識に持っている緊張感を解きほぐし、「あいつは敵だ」「あいつはクズだ」といった怒りをいったん脇に置き、冷静になるところから始めるのが一番いい結果を生むはずですよ。
筆者:春眠ねむむ
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参考書籍
エニアグラム解説
タイプ一覧
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