なぜか人気の薄いタイプ6。はい、タイプ6です。その中でも恐怖対抗型の放つ雰囲気はどんなものか。そして何を考えているのでしょう?
ぶっちゃけ、タイプ9の次くらいに変幻自在なタイプだと思いますが、その中でも恐怖をあえて克服しようとする人、結構いるんですよね。
ともあれ、今回はそういう恐怖対抗のタイプ6について考察してみましょう。
恐怖対抗とは
そもそも恐怖対抗型とはどんな人なのか。その特徴をちょっとまとめてみましょう。
大雑把にまとめると、こんな感じです。
【恐怖対抗型タイプ6とは】
通常のタイプ6ならば恐怖に対して色々と不安がり逃避したりフリーズするところを、逆に自分から強気に恐怖へと向かっていくという変わり種タイプ。
sx優位やトライタイプで4や8を含有する人に多く見られ、しばしばタイプ8あたりと混同されたり間違われる。
要するに通常のタイプ6ならば不安や恐怖に弱く色々と対策や逃げる算段を整えるところ、このタイプは逆に恐怖へと向かっていきます。克服して自分の強さを実感したいから。
ともあれ、「恐怖対抗型=強気で怖い物に逆に向かっていく人たち」みたいに覚えておいて、おおよそ間違いはないでしょう。
なんつーか、あれですね。心霊スポットでたまに見かけるヤンキータイプ?
昔読んだ本曰く「霊障に遭うのは根性がないからだー」「心霊なんて気合いで乗り越える」みたいな気持ちで心霊スポットをタムロ場所に選ぶそうですが、まんま思想が恐怖対抗なんだよなー……
恐怖対抗タイプ6の雰囲気
雰囲気は、まあおおよそイカツイですね。というか、本物のタイプ8と2人並べて「どっちがタイプ8?」とかやったら、ほぼ間違いなく恐怖対抗型のタイプ6がタイプ8扱いされるでしょう。というか本人たちも結構間違えます。
というのも、彼らにとって恐怖とは克服するもの。無意識下で気にしないようにしているのか思いっきり気にしているのかは知りませんが、恐怖が目の前にあれば踏み潰して進みます。敵やナメくさった態度をとった奴がいたら血祭りにあげます。
よって、肉食獣よりも肉食獣。腹が減っていなくても脅威を感じれば捻り潰します。
タイプ8は虐殺や過激な手段の中に損得とか義侠とか理想とかが見えてきますが、タイプ6にはあまりありません。自分が恐怖を感じたりナメられたと感じたら、その時点で相手は狩りの対象です。
理想や信念、義憤、利害といったものよりも、「脅威はまず踏み潰す」「不安を想起させる奴は殺す」という精神が先行しているのが恐怖対抗型の1番の特徴かもしれません。
脅威や自分達を見下す輩がいれば、どんな手を使ってでも、どんな犠牲を払ってでもシメてのして叩き潰します。
おおよそ、雰囲気はタイプ8よりもさらにトゲトゲしていたり、あからさまに周囲を威圧するようなケースが多いのではないでしょうか?
なんだろう。最近の研究で有名になった鎌倉時代の武士連中の生き様とか見てたら、「やっぱり日本はタイプ6国家なんだろうな」って。
名誉を重んじ、名誉を傷つけた者はどんな手を使ってでも殺す。この精神が彼らには根付いていたとかなかったとかで……
眉唾ですが、一説には「腕を鈍らせないために虐殺を嗜みとしていた」という話まで上がる始末です。
この極端すぎる過激さは、多分タイプ8よりタイプ8やってると言ってもいいですね、はい
恐怖対抗型の心理
では続けて、刺々しく攻撃的なことが多い恐怖対抗型タイプ6が何を考えているのか、それを考えていきましょう。
不安や恐怖を「感じない」
この人たちの感情としては、まずこれですね。表向きは不安や恐怖を感じないと公言しているか、あるいは表層意識の上ではシャットアウトしています。
なので不安も恐怖も基本的に自分から表現しませんし、「不安や恐怖を感じたことは?」という質問に対して「あるわけないだろう!」と答える人も多いでしょう。しかも多分3割くらいの人は半ギレで。
もっとも、行動面は明らかに不安を意識したものではありますが……「怖くない」と唱えながら恐怖にわざわざ逆張りする姿はしょっちゅう見られますね。
信じるのは自分ではなく「ベリーストロングな自分」
彼らも結局タイプ6なので、「素の自分は弱い」「自分を信頼するのはよくない」という特有の呪いからは原則逃れられません。
よって、常に思い描くのは強い自分。彼らが従っているのは自分の思いや本音というより、多くの場合は「強い自分ならこうする」という一種の法則なのです。
腹の底からというより頭で作り上げた自分というのが、タイプ8との違いでしょうか。
「強い自分ならこうする」という思考・行動パターンが染みついており、常に自立を求めます。
自己暗示的な面も
よくよく見れば、結構不安だらけなのがこのタイプ。強気に出ていますが、時折その姿勢に違和感を感じさせることがあります。
多分エニアグラム界隈で多いのは、「自分は絶対にタイプ8だ」「タイプ3とタイプ5とタイプ8で悩んでいる。タイプ6?あり得ない!」みたいな人たちでしょう。
こうやって自分や他人にいろいろ言い聞かせることで、不安や恐怖から必死に逃げ、抗っているのです。
恐怖対抗型にしかない特徴
さて、散々タイプ8よりタイプ8していると語ってきましたが、最後に対抗型のタイプ6にしか見られないような特徴を挙げて、タイプ8との違いとしましょう。
仲間は大事にする
タイプ8、とりわけ8w7は独立独歩型。自分の面倒を自分で見れない奴は嫌いだし、基本的に人のことにそこまで興味を示しません。
その点、恐怖対抗といえどもタイプ6はタイプ6。仲間を作るかどうかはともかく、その大切さはしっかりとわかっています。
なんだかんだ中身は不安と恐怖が詰まっているので、その分協力者のありがたみを理解しているわけですね。
ヤンキーはしばしばタムロしますが、あれも不安であるが故の仲間意識の表れなのかもしれません。
時々卑劣
タイプ6は殴っていい相手と殴ってはならない相手の区別をつけるのが上手いです。
そのため、時折殴っていい相手をスケープゴートに見立て、「こいつが全部悪いんだ」「こいつはどうしようもないクズだ」みたいに思い込むところがあります。
攻撃してもいい相手を見つけると、先手を打って猛攻撃を加えることも。
策謀家
中身はタイプ6なので、正面切って戦って惨敗する可能性を常に考えています。
そのため、好む手段は策謀の類。
相手を弱体化させ、丸裸にし、孤立させることで、自分でも確実に勝てる状況を作り出します。
懐疑的
恐怖対抗型の最たる特徴がこれですね。
信用ならないから反発する。敵かもしれないから攻撃する。偏見を持つのもそれが脅威になりかねないから。
疑念と恐怖への対抗が行動原理と言っても差し支えなく、とにかく信用ならないからこそ周囲に反発する姿も見受けられますね。
全ては疑念に通じており、その疑念は究極「怖いから」につながります。当人たちは認めようとしませんが……。
恐怖対抗は自分をタイプ6だと認めない
多分、本気で思っている……もとい思いたいのでしょう。「自分はあんな惰弱なタイプではない」と。
ですが、こういうやたらと強いタイプ6がいることは、エニアグラムを学ぶ上、ましてや誰かを「このタイプか?」と推察したりして知識を使う上では覚えておいていただきたいところ。
なかなか見分けがつかないタイプ6も、結構います。その中の一つの形が、恐怖対抗型のタイプ6と言ってもいいでしょう。
聞けば、彼らの多くはタイプ6であることを自覚せず、場合によっては嫌がり、エニアグラム関係のワークや会合を通じてやっと自分がタイプ6だと自覚するかどうか微妙なところだとか何とか。
やっぱりタイプ6って人気がないのでしょうか?今度褒めちぎってみようかな?
基本は忠実なタイプ6との間を行ったり来たり
とはいえ、常に恐怖に対抗しまくっているタイプ6もそう多くはありません。基本的には忠実で従順な姿との間を行ったり来たりしています。
自分を守ってくれそうな存在に忠実になり、疑念が浮かび、疑念が爆発して守ってくれるはずだった存在に食ってかかり、また別のものを見つけて忠実になる。
脅威を見つける。恐怖を覚える。回避策を見出し、実行する。別の脅威が見つかる。どこかで恐怖がキャパオーバー。反転攻勢し恐怖を消しにかかる。束の間の安全。別の脅威を見つける。
通常はこのどちらか、ないし両方の繰り返しです。
恐怖に対抗するのも、ある意味では恐怖を前にしてキャパオーバーしてしまったから。窮鼠猫を噛むを文字通り体現していると言っても間違いではないでしょう。
まとめ
というわけで、今回は恐怖対抗型のタイプ6について考えていきました。
とにかくこのタイプはタイプ8に見られやすく、また当人も「自分はタイプ8だ」と強く思っていることが多いです。
タイプ8でなければ死んでしまう。だから自分はタイプ8以外ありえない。こんな感じの人も、実は結構見受けられますね。
とはいえ、よく見ればこのタイプもきちんとタイプ6をしています。なんだかんだ、恐怖を感じないようにしつつ意識しているわけですね。
意識しているからこそ逆行する。意識しているからこそ立ち向かう。
タイプ6を表す言葉に「勇敢」とありますが、まさに恐怖対抗状態になったタイプ6にぴったりな言葉なのではないでしょうか。
筆者:春眠ねむむ
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