今回はセキュリティ・ポイントについてですね。
個人的見解ですが……これ、タイプ判別するのに結構使えるのかなと。
というわけで、今回さっくりとまとめていこうと思います。
セキュリティ・ポイントとは
セキュリティ・ポイントを簡単に表現するなら、統合先の通常段階の特徴です。
主に相手との関係性がしっかりとしていて安心できる時なんかに、ちょっと出てしまう特徴のようです。
普段はリスキーなため抑制していますが、信頼関係のある相手に対して、あるいは安心できる状況下ではまったく別の反応を示すわけですね。
試すでも貶めるでもなく、ただ安心できるあまり出てくる特徴というわけですね
当然、統合とはちょっと意味合いが違います。属性としてはどちらかというと退行に近く、外から感じる圧力(各タイプの特徴)をガス抜きする意味合いがあるのです。
ある意味では「特別な状況下における行動化」と言えるでしょう。
統合とは違うもの
さて、「通常段階の特徴が出る」ということは、当然ながら健全段階の特徴が出る統合とは違います。
統合はある程度意識しなければできないのに対し、こちらは衝動的・自動的に発露します。要するに安心しきったがゆえに素が出たとか、そういうのに近い反応と言えるでしょうね。
こちらは信頼関係にある相手だとか、何か安心できる状況下で出るもの。とすれば、どうしても健全な状態とはちょっと異なります。
どう足掻いても統合先の通常段階の性格。統合ではありませんし、どちらかというとガス抜きや本音といったものに近いでしょうね。
個人的な見解
さて、ここまでは書籍をなぞった内容です。ここからは個人的な意見を並べていこうと思います。
はっきり言えば、これらはいわゆる「地の性格が出た」というものに近いでしょう。
各タイプの隠れた本音だったり、素の特徴だったりが出やすくなるのがある種の特徴と言えるでしょうね。
「どのタイプも統合先の性格こそが地の性格だ」と言えばそれはちょっと違う気がしますが、地の性格を出すことによって統合先のような行動をとるのは間違いないのかなと。
結局どのタイプも全タイプの特徴をある程度持っているというわけですね。
特に統合ー退行ラインは結構色濃く持っているという言説もあるくらい関係性が深いです
セキュリティ・ポイントとは、そのタイプが隠していた本音や等身大の思いの丈。
例えばタイプ1ならば「もう少し自分の幸せを追求したい」という本来封印していた思いが表出し、タイプ4ならば自分が隠し持っていた(というか自分なりの生き方のためにがんじがらめになって出せなかった)不満や完璧主義的な一面を見せる……といった具合でしょうか。
結局のところ、各タイプともに自分の封印していた(あるいは出せなかった)気持ちだったり理想だったりを全面的に押し出すことをセキュリティ・ポイントと呼ぶのではないかというのが個人的な見解です。
当然これらは安心しきって自分を出せる環境でないと発露しませんし、基本的には各タイプの解説にあるような性格・特徴ないし恐れや囚われを有しています。
各タイプのセキュリティ・ポイント
タイプ1
セキュリティ・ポイント:タイプ7
基本的に高潔かつきっちりした人間であろうと、いついかなる時も自他を厳しく律しようとするタイプ1。
ですが安心しきるとついついハメを外したりちょっと遊んでみたくなったりして、かなりお茶目な面を見せてくれるようになります。
日々しっかり者をやっている人が反動で遊び好きになることがありますよね。要するにあんな感じです。
いろんなことに手を出そうとしては次々に興味が移り、日頃遊び慣れていないのもあってなかなか焦点が定りません。
タイプ2
セキュリティ・ポイント:タイプ4
元来は明るくポジティブで、決して心の闇を見せないタイプ2。人に優しく決して自分を優先しない、そんな人たちです。
そんな人たちがセキュリティ・ポイント下でどうなるかというと、日頃自分を気にかけない反動で少しわがままな性格になります。
要するに、これまで自分を抑えつけていた反動ですね。自分の欲求がないわけではなく、日頃は抑圧しているだけなのです。
気分や気持ちがコロコロと変わり、自分自身の感情にやたら素直になり、普段見せなかった裏の顔を遠慮なく見せるようになるわけですね。
タイプ3
セキュリティ・ポイント:タイプ6
普段は自分を完璧な人間に見せようと意気込み、弱みなど間違っても見せないタイプ3。
ですがセキュリティ・ポイント下ではそういった面がなりをひそめ、本当は密かに抱えていた悩みや自身に関する不安を打ち明けるようになります。
「本当に自分は有能なのだろうか」とか「あれのここが気に入らない」とか、とてもタイプ3とは思えないような自己不信や外部への不満などを、良好な関係と思えば遠慮なく打ち明けます。
また、タイプ6らしく相手への絶大な信頼や「離したくない」という思いを発露することもしばしばあります。
タイプ4
セキュリティ・ポイント:タイプ1
基本的に自分も他人もOKな感じのタイプ4。自己放縦に陥りがちですが、それと同時に相手のこともしっかりと認めるように努めます。
ですがセキュリティ・ポイント下のタイプ4の身に何が起こるかというと、唐突な道徳心の目覚め、そして完璧主義です。
もともとこだわりが強いタイプ4ですが、そこに「善良であろう」という思いと相手の細かいところへの不満や批判意識が乗っかかる感じでしょうか。細かいところを普通に指摘してきます。
理想主義的な面が顔を出し、自身のこだわりや「かくあるべし」という理想を熱く語る人もいます。
タイプ5
セキュリティ・ポイント:タイプ8
基本的に自分の脳内に引きこもって外部とは一線を引いたところで観察に努め、理性や知能で物事を裁こうとするタイプ5。
ですが、セキュリティ・ポイント下ではタイプ8のように反応的、そして意志が硬く強情な一面が顔を覗かせます。元来人に黙って従うタイプではないのです。
安心できる相手の前では自己主張を決して恐れずためらわず、ガンガンに主張するという血の通った一面を見せることが多いです。
自分の意見を熱く語り、時として相手を力技でねじ伏せようとする一面も……。
タイプ6
セキュリティ・ポイント:タイプ9
基本的に物事に対しては一生懸命でちょっと悲観的、そして慎重で腰が重く、与えられた責務に忠実なタイプ6。
ですがこれといった責務が発生しない気の置けない関係性の前では、タイプ9のように伸び伸びした様子を見せることもあります。
普段張り詰めている分、思いっきり緩む感じですね。
ちょっと楽天的でのんびり屋、そして肩の力が抜けた人になります。その分周囲の要求に対して非常に鈍かったり意固地になって無視するところもありますが……当人たちがリラックスできるならこれでいいのかもしれません。
タイプ7
セキュリティ・ポイント:タイプ5
基本的に楽しそうなこと、自分を幸せにしてくれそうなものなら何にでも飛びつくタイプ7。忙しなくあれこれと手をつけては飽きていく姿が印象的です。
ですが安心しきった状況下では、無理に幸せを追い続ける必要はありません。そのため、何かしら興味を持った分野に対して超絶的に集中する傾向があります。
その分外部との接触がおろそかになってしまいますが……まあ当人たちが楽しそうなのでそれでよし。
ちなみに他の楽しそうなことに無理にエネルギーを割かなくもなりますね。無理していろんな楽しみに飛びつく必要がないのでしょう。
タイプ8
セキュリティ・ポイント:タイプ2
基本的に力強くかなりの強硬派、まかり間違っても相手に服従するなどもってのほかというタイプ8。縄張りを荒らされることを嫌い、危険には徹底抗戦の構えを見せます。
ですが縄張りの中では安心しきり、群れの中の特に愛着が湧いた存在には途端に優しくなる傾向があるようです。
気に入った傘下の人間に対してやたら世話を焼いたり、贈り物などをマメにしたりして、普段のイカツイ感じとはかけ離れた姿を見せるかもしれません。実際、家族に対して優しいタイプ8なら私の周りに実例もあります。
もっとも、これらの優しさには「自分から離れられなくする」という狙いもあるにはありそうな気がしますが……。
タイプ9
セキュリティ・ポイント:タイプ3
基本的には波風立てずのんびりやっていきたいと願うタイプ9。自分の快適さが一番と、のらりくらりやっていこうとするところがあります。
ですが、そんな彼らの中にあるのは、「つながりが欲しい」という願望。セキュリティ・ポイント下では、特にこの一面が表面に出て、タイプ3のように周囲の期待に応える形で繋がりを得ようとする姿を見せるでしょう。
当然自己主張型としての側面も出て、自分のしてきたことややっていることを自慢げに話し、気に入った人にとにかく褒めてもらいたがるところも出すかもしれません。
何にせよタイプ9らしさは微塵もないですね。安心しきると、途端にタイプ3という色に染まり始めるわけです。
まとめ
というわけで、今回はセキュリティ・ポイントについて色々とまとめてみました。
正直、結構興味深い概念ですね。安心しきると別の側面が顔を出す。この点に着目して、今一度自分のタイプを見直してみるのも面白いかもしれません。
といったところで、今回はここまでですね。
もしよりしければ、タイプ考察や自認タイプを決める上での参考にしていただければと……。
筆者:春眠ねむむ
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threads:@shunmin.nemui
参考書籍
エニアグラム解説
タイプ一覧
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