「あなたのために」。正直、この言葉に関しては個人的には半信半疑です。
というのも、人はやっぱりエゴの生き物。どうしても心のどこかで人を意のままに動かしたいと思ってしまいますし、他ならぬ自分の損得も考慮したアドバイスを人にしてしまいがちです。
当然、そのアドバイスを受けた本人が素直に従ったところで、本当にその人のためになるかどうかはわかりません。
正直、このワードが出た時こそ、真剣に自分のためになるのかどうか考えるべきです。
「あなたのために」という言葉の信頼性
とやかく言わず、まずはっきりとお伝えします。
あなたのためだけに本気で動いてくれる人は、少なくとも普通は存在しません。
大体はみんな打算が絡んでいますし、さらに言えば「あなたのため」なんて言ってる人間の9割9分は自分の損得しか見てないと言ってもあながち間違ってません。
「お前のために口を酸っぱくして……」
「あなたのためだけにやってあげる」
正直私が人間不信なだけかもしれませんが……往々にしてこういう言葉を軽々しく使う輩とは、個人的には縁を切ったほうがいいですね。
亜種として「困った時はいつでも言ってね」「いつでもあなたの味方です」というのも信頼するのは危険です。
あなたが本当にその人から見て特別な存在なら、こう言われても全然信用できるでしょう。ですが、そんな人間が世の中にホイホイ出てくるものなんでしょうか?
というかそもそもアレですね。
本当にあなたのためを思って行動している人が、「言う通りにしろ」と怒ったり言う通りにしないと不機嫌になること。あると思いますか?
私には、どうにも怪しいと思えてしまいます。
また極端なことを言って扇動を……
一応言っときますが、本当にその人のことを思って「あなたのために言ってる」って人も中にはいますからね。少数派なのは認めるけど
特に怪しむべきは以下2点
とはいえ、この手合いの記事を読んでる方のことです。言われるまでもなく、「怪しい……」と感じて、確認のために読みに来られた方も大勢いらっしゃることでしょう。
ここからは、そんな「信じたくはあるけど信じられない」という方に向けての内容。
まあ個人的には「あなたのため」なんてすべからく最低1回は疑ってみるべき言葉だとは思いますが……ともあれ、特に「これはほぼほぼ黒だろ」と言っても間違いではないケースが存在します。
言ってしまえば、
- よく知らない人が言い出した時
- 実質的に「従え」と言いたげに圧をかけてきた時
この2点ですね。どちらか一方だけでもほぼギルティです。偽善者か、あるいはあなたを操って楽しみたいだけか……
特に後者に関しては、親や友人であってもかなり怪しいですね。
ともあれ、「なぜ怪しいか」を順を追って説明していきましょう。
よく知らない人は腹黒認定が無難
ちょっとやそっと文通しただけの人、初めて会った人、あるいはビジネスやお金関連のつながりの人……色々いますが、これらの人たちの「あなたのため」はいずれも信用できません。
というか、ハッキリ言って「自分の利益や目的のために」というパターンがほとんどですね。
その利益や目的というのがお金か、あるいは使い捨ての手駒か、はたまた人を支配している快感なのかは知りません。
ただいずれにしても言えることは、あなたの事をよく知らない人に、あなたのために尽くす義理も動機も無いという事です。
そんな人間が、よくわからんまま「あなたのために」と何かしてくれた。人生を変えるような説教をしてくれた。
なんか出来すぎてるし、気持ち悪いと思いませんか?
大概こういう食わせ者の毒牙にかかるのは、藁をもつかみたいくらい追いつめられた人たちです。
困ったときに都合よく助けが出てきてくれたら、ついついその手を掴みたくなってしまう。その気持ちはわかります。
私も絶望の淵にいた時に話しかけてきてくれた人がいましたが、残念ながらその人は某カルト教団の回し者。親身に話を聞いてくれた後に入会金とお布施を迫られ、断ったら罵倒して去っていきました。
私だけが酷い目に遭ったわけではありませんよ。残念ながら、「あなたのために」という言葉は大抵がそういうもんです。
「あなたのために」風な顔で強制してくる奴はヤバい
「あなたのために」と言いながらも、対案や今のあなた自身のやり方はすべて否定する。答えの決まってる誘導尋問。あるいは強制。従わなければ怒る。説教の合間合間に入る「あなたのために」。
うーん、正直に言いましょう。こういう類の奴は、親や友人、教師、師匠……とにかくどんな関係にある人であっても、マジで信頼すべきではないです。
何が狙いかは状況によりますが……この特徴が当てはまる人間はどれであっても「『あなたのため』は自分のため」を地で行く可能性が非常に高いです。
おおよそ、狙いは以下のどれか。
- 「自分が上だ」と安心したい
- 自分の願望の押し付け
- 単なる実利
どうやっても、人は「自分は人を操れている」「絶対服従を強いることができている」という快感や安心感とは切っても切り離せません。
相手を自分の意見に従うだけの人形に仕立て上げることで、「いざとなればこいつが盾になってくれる」「自分は何も間違っていない」と自分を安心させたい生き物なのです。
また、「こうあってほしい」という願望も元をただせば支配欲と同じものですね。
自分の思い通りにならなかったり都合の悪い事を、人はどうあっても嫌うものです。特に相手が子供や生徒、部下といった自分より弱い立場の場合、余計「思い通りに動かない方がおかしい」と思ってしまうものでしょう。
ですが、「お前は私の操り人形として生きるべきだ!」と正直に言えば、自分が悪者に思えてしまう。
だから、そうならないための予防線としてこういうんですよね。「これはお前のためだ!」と。
こう言えば「これは相手への献身である」という言い訳もできますし、相手にも「言うとおりにしないと……」と義務感や罪悪感を与えることができます。
言わば、魔法の言葉ですね。単なる自己陶酔や身勝手な願望も、「あなたのために」という言葉ひとつで綺麗なものに偽れるわけです。
そんな言葉、息を吐くように使う奴を、本当に信用できますか?
本当に人のためにできること
「あなたのためには信用ならん!」とガッツリ語ったところで、最後に「じゃあ人のためにできることは何なのか」を考えてみましょう。
特に人の人生をよくするために、他人にできること。それは、「こうすればいいのでは?」と1つの選択肢を提示すること。これだけです。
もっと言いましょう。金銭的・物質的な支援などの例外でもない限り、これ以外にできることはありません。
他人の人生に口出しするのは、言ってしまえばその人の人生を自分好みにねじ曲げるという事。
人の人生を力づくでねじ曲げるだけねじ曲げといて、そのせいで生じた狂いやゆがみに関しては一切責任を負わないという、無責任以外の何でもない鬼畜生の所業です。
やめてほしいことがあれば自分の意見や意志として言うべきですし、子供が思うように育たないからと強引に人格も何もかもねじ曲げてしまうとどこかで子供自身に反動が来るものです。
師匠という立場を利用して使い捨てようと考えているならそれこそまさに外道の行いだし、それが友達ならフレネミーすら超越した邪悪な何かです。
そんな奴の言葉、素直に聞く必要はありません。ただアドバイスだと思って一旦話を持ち帰り、今一度有益かどうかを冷静に考えましょう。
自分にとっても有益ならば乗ってみるのもいいですが、原則として「あなたのため」という言葉を軽々しく使う人間の話は聞かないのが吉。それは忘れないようにしましょう。
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