事あるごとに自分の話をしたり他人を見下して自分を上げようとするナルシスト。ぶっちゃけウザいですよね。
ですが最近、「そんなナルシストにも何か秘められた暗い過去があるのでは?」と思い、考えてみました。
今回はそんなウザすぎるナルシストどもの深層についていろいろ意見を述べていければと思います。
ナルシストの意味・語源
ここで語るのもアレですが……まずは意識統一として、ナルシストの特徴を見てみましょう。
ナルシストとは、
1.自分をこよなく愛し、自分に陶酔する人を指す言葉。
2.自分自身を性的な対象として見る人を指す言葉。
ギリシャ神話の登場人物で誰もがその容姿に一目惚れする少年・ナルキッソスがその語源ですね。彼は自分に自信があるあまり自己中心的になり、多くの人からは愛されたものの多くの神の怒りを買うことになってしまいました。
そんなある日、泉で水を飲もうとした時にたまたま自分の顔が泉に映り、ナルキッソスはそんな自分に一目惚れ。見惚れるあまり寝食を忘れてひたすら眺め続け、みるみる痩せ細っていき、ついにはその姿は消滅。そこには水仙の花が咲くだけだった……というのが物語のおおまかな流れですね。
ネットで探せばそこかしこに転がっている有名な逸話ですね。ここで書く意味あったの?ねえ?
ともあれ、そんなナルキッソスの逸話から「自分だけを性愛の対象とする自己陶酔」を意味するナルシシズム(ナルシズム)という言葉に転じ、そこから昨今知られるナルシストという意味で知られるようになったわけですね。
ちなみにここでは便宜上、1番の「自分をこよなく愛し、自己陶酔する人」という意味合いで語らせていただきます。
キツい?気持ち悪い?ナルシストの弊害
ナルシストの意味と語源を共有したところで、今度はナルシストがなぜ嫌われるのかを見ていきましょう。このブログをご覧の方は、多分幾らか共感できるものもあるかと思われます。
自分の話しかしない
自分の話を色々してくれるのは、特に話下手な人からすると非常にありがたいですね。ですが自分の話ばかりをされると、それはそれでキツいものがあります。
ナルシストはまさに「自分の話しかしない」の典型で、中には人の話の腰を折ってでも自慢話を始める剛の者もいます。
例えば「そう言えば美味しいラーメン屋をみつけてさぁ……」という話題に対して「俺ラーメン作れるよ!」と唐突に言い始める、みたいなやつでしょうか?
中には話題と無関係な自慢話をひたすらしまくる人もいて、他の人が話したくても話せなかったり、同じ話を何度もされてゲンナリしてしまうこともしばしばですね。
人を見下す
正直ナチュラルに自分に自信があるだけならばまだいい。問題は、自慢や能力誇示の過程でいちいち他人をディスったり下げる傾向のある人がまあまあいます。
例えばこんな感じですね。
「俺、最近プログラミングを始めてさ。成績優秀って講師からめっちゃ褒められんの。で、もうある程度アプリとかも作れたりして……。
ところで君はプログラミングできるの?あ、やったことないの?wごめんねぇww」
「みんなイケメンイケメンって言ってくれるけど(※実際は誰も言ってない)、俺の内面を誰も見ないんだよね。俺なんてみんなの内面までしっかり見てるのに、自分だけ損した気分だよ」
……ウザいですね。
これらはまだまだ良識がある方で、中には見下しを足掛かりに人格否定を始めたり自称お説教が始まるタイプもいます。
嘘つき
例えば「任せろ」と息巻いて引き受けた仕事をやらないとか、あるいは責任転嫁のために誰かの罪状をでっちあげたりとか、かなり悪質な嘘をつくナルシストも割といますね。
ですが一番典型的なのは、ガスライティングと言われる手法ですね。ガスライティングの意味は大体以下の通り。
心理的虐待の一種であり、被害者に些細な嫌がらせ行為をしたり、故意に誤った情報を提示し、被害者が自身の記憶、知覚、正気、もしくは自身の認識を疑うよう仕向ける手法。
wikipedia
例え話を出すならこんな感じでしょうか?
「お前、前にもこの話しただろ(※してない)」
「お前のせいで骨折したぞ!どうしてくれる!(※実際は無関係)」
「おい聞いたか?目の前のあいつ、窃盗の前科持ちだってよ(※根も葉もない嘘っぱち)」
要するに嘘を吹き込んだり、あえて嫌がらせの証拠を残して相手の不安を煽ったりしてまともな判断力を奪うような方法ですね。
ナルシストは主に、これを先述のディスりの延長線上に用います。
根も葉もない嘘っぱちでライバルを蹴落としたり、嘘と大袈裟な話で相手の正気や判断能力を奪って奴隷化したりするのが主な手法ですね
原因は愛情不足?
まあ、勝手に自分の美しさとか有能さに自惚れて自信満々な発言を繰り返したりうっとり自己陶酔してるだけなら、まだ健全です。
問題は、なぜか自己陶酔の過程で他人を貶めたり明確に攻撃したり、あるいは自分のイメージを守るために積極的に他者を犠牲にするタイプ。
彼らは非常に有害ですね。危険人物です。あなたがまさにその被害を被っているとか目をつけられたというのならば、加減などする必要はないでしょう。
一刻も早く逃げる手段を整えるか、さもなくば上手く付き合う覚悟か叩き潰す準備をすべきです。
ですが、余裕がある方だけにも知っていただきたいのは、彼らの内側には愛情不足という黒い過去があるかもしれないという点です。
回避依存症のナルシストも多い
回避依存症
他人と親しくすることを避け、傷つくのを避けることで精神的なバランスを保つ状態のこと。
おおよそいじめやDVなんかで人間不信に陥った人がなりがちな、人間関係を避ける傾向が病的に強いものを回避依存症と言います。
この回避依存症は人によっていくつかのタイプに区分けされますが、その中には「ナルシストタイプ」というタイプが存在しています。
もしかすれば、これがウザくて気持ち悪い嘘つきナルシストの正体なのかもしれません。
ナルシストタイプの原因
ナルシストタイプの回避依存症は、基本的には「過保護によってもたらされたもの」とされていますが、個人的には過保護も愛情不足もどっちでもあり得るのかなと思っています。
この点は、精神医学的にも否定はされていません。
どちらも「自分は万能の天才だ」「本気を出せば万事思いのままだ」という勘違いを手放してしまえば立ち直れなくなる、非常に脆い精神の持ち主ですね。
ちなみにですが、このタイプの最大の弱点は恥をかくことです。
自尊心がアホみたいに高いのは、つまるところ心の壁。A.T.フ◯ールドです。
過剰な自信がへし折られることはすなわち自分を否定され、無能でしょーもない自分を強制的に見せられることであり、心が耐えられないのでしょう。
……捻り潰すときに使える手法だからって安易に実行しないでくださいね?一生かけて恨まれますよ
この高い自尊心が生まれる原因は、やはり幼少期の体験にあるのでしょう。
過保護に育った場合
おそらくナルシストタイプの多くは、親からの過保護によって生じたものでしょう。
過保護と言っても、親から褒められて育てられたというわけではありません。「ああしなさい」「こうしなさい」と常に親からの指示があり、その操り人形となって生きる子供たち。
親が嬉しいことをすれば褒められ、親が嫌だと思うことをすれば怒られ……。そうやって行動の動機が「親が喜ぶかどうか」に限定されてしまうという子供も少なくありません。
そんな幼少期を迎えた人間はどうなるのかというと、おおよそ「自分は親の付属品・道具に過ぎない」という無能感に苛まれ、それを否定するために「いや、自分は何でもできるんだ」と思い込もうとする人もいるでしょう。
あるいは親に守られて「何でもできる」という幻想を抱いてしまい、それが「自分は天才で無敵なんだ」という勘違いを生んでしまうこともあるかもしれません。
どちらにせよ、まともな育ち方はしないでしょうね。過保護も立派なDVと言えます。
その結果のひとつが、例えばエニアグラムでいうタイプ3の不健全気味な人たちですね。
当然、そんな無敵感はどこかで潰れてしまいます。ですが、このタイプの人たちは大きな挫折に対抗する手段なんて親から学んでもいませんし、経験もしていません。
結果、自分そのものとも言える「無敵」という自己認識を手放すことができず、挫折から目をそむけ、不都合や挫折のたびに「無敵」の自己認識が凝り固まっていくわけですね。
愛情不足の場合
愛情不足の場合も、少数派ですがナルシストタイプになり得ます。
誰にも愛されず、何をやっても否定され、徹底的に存在をこき下ろされ、挙げ句親からは「お前なんて生まれなければよかったのだ」と……。
こんな状況で育てば、さすがに普通はメンタルが持ちません。どこかで崩壊してしまうでしょう。
メンタルの崩壊を避けるために、子供は何かしら妄想や強迫観念を持ち、それに依存することでどうにか自我を保ちます。
そのうちポピュラーな妄想の一つが、「自分は不遇の天才だ」「本当は本気を出せばどうにでもなる」というもの。
この場合、エニアグラム的にはこっちのタイプが多いでしょうか?
あとは過保護型と一緒ですね。
もし本気を出しても不可能な壁がいくつも迫ろうとも、「自分は本当はまだまだやれる」「自分は無敵だ」と言い聞かせ、頑なに無敵の自己像を信じ、そんな自分を何があっても曲げられなくなる……そういう末路を迎えるのです。
悪化すると自己愛性障害の可能性も
実のところ、ナルシストタイプの回避依存と自己愛性障害は非常に似通ったところがあります。ナルシストが悪化すると、本当にパーソナリティ障害になってしまうことも少なくはないでしょう。
自己愛性障害の症状
誇大性
自己愛性パーソナリティ障害の患者は自分の能力を過大評価し、自分の業績を誇張します(誇大性と呼ばれます)。自分が他者より優れている、独特である、または特別であると考えています。患者が自分の価値や業績について過大評価する際、しばしば他者の価値や業績の過小評価も行います。
特別であるという空想
患者は大きな業績という空想(圧倒的な知能または美しさについて賞賛されること、名声や影響力をもつこと、または素晴らしい恋愛を経験すること)にとらわれています。自分が、普通の人とではなく、自分と同様に特別で才能のある人とのみ関わるべきであると考えています。患者はこのような並はずれた人々との付き合いを、自尊心を支え、高めるために利用します。
賞賛を受ける必要性
自己愛性パーソナリティ障害の患者は過度の賞賛を受ける必要があるため、患者の自尊心は他者からよく思われることに依存しています。このため、患者の自尊心は通常は非常に壊れやすいものです。患者はしばしば他者が自分のことをどのように考えているかを注視しており、自分がどれだけうまくやっているかを吟味しています。
自己愛性パーソナリティ障害の患者は、他者による批判、また恥辱感や敗北感を味わう失敗に敏感であり、これらを気にしています。怒りや軽蔑をもって反応したり、荒々しく反撃したりすることがあります。または、自尊心を守るために、引きこもったり、表向きはその状況を受け入れたりすることもあります。患者は失敗する可能性のある状況を避けることがあります。
MSDマニュアル 家庭版(外部サイト)
ここまで落ちてしまえば、もはや立ち直りは困難になると言ってもよいでしょう。単にウザいナルシストも、こういう重いものを背負っている可能性があるわけです。
思ったんですが、ぶっちゃけYouTubeのコメント欄や人の作品に対して誹謗中傷をぶつける人とあんまかわんないですよね。不遇の生い立ちも含めて。
結局、他人をボロカスに否定しないと自分を保てないほどすり減って弱くなってるんですよね、こういう人たちは
ナルシストとの上手い付き合い方
さて、ここまで重いものを持っていると聞いて、中には攻撃する気が失せてしまった方もいらっしゃるかもしれません。
その方々のために、「こう付き合えばいいのでは?」という方法をいくつか考えたので、参考にしていただければ幸いです。
話はテキトーに聞き流す
重症化すればするだけ、話の内容は自慢や否定、嘘の割合が多くなっていきます。
正直言って、聞くだけ無駄です。仮にどうにかしたいなら、大人しくカウンセラーや精神科医に任せたほうがいいでしょう。
できることといえば、嘘や人格否定……さっきも出てきたガスライティングを真に受けないこと。
できるだけ自慢はテキトーに褒めちぎり、人格否定はスルーを決め込みましょう。
こういう人たちをこれ以上傷つけないために何より必要なのは、優しさではなく鋼のメンタルです。
恥はかかせないが吉
うちのあかつきちゃんも言っていましたが、彼らにとって恥の感情をぶつけてプライドを傷つけるのは極めて危険。最悪刃傷沙汰に発展する可能性すらあります。
基本スタンスはテキトーに受け流すこと。たとえ論破できそうな状況になったとして、間違っても論破など考えないでください。
プライドを傷つけず、やんわりテキトーに褒めてやることで、とりあえず機嫌を悪くはしないはずです。
感情的になったら負け
基本的に、感情的になってしまえば負けです。陰口や自慢話が始まっても、「まーたわけのわかんことを言ってるよ」くらいの気持ちでテキトーに相槌を打っておくくらいが理想でしょう。
どんな理由であれ、人を敵視すると何をしでかすかわからないところがあります。
何か言いたくなっても、ご自身の安全のためと割り切ってグッと堪えることが大事です。
気休めかも知れませんが……多分、ほっときゃ自滅します。
とりあえず戦わないが上策か
先ほどは「叩き潰す準備を〜」的なことを言った気がしますが……原則として戦うと面倒な相手であるというのは念頭に置いておくべきでしょう。
彼らの強固なナルシズムは、もしかすれば自身の生命線かもしれません。もしかすると、その強固な自己認識にケチをつけることは、向こうからすると刃物で攻撃してくるようなものかもしれないですね。
人間といえども、やはり動物です。場合によっては法律も憲法も知ったこっちゃないとなることもありますし、命を脅かすようなシチュエーションなら尚更です。
とりあえず原則近づかないがマスト。関わる場合にも、しっかりと身の安全を考えた対応をしましょう。
彼らの自己愛を何とかするのは、他の人の役目のはずです。
コメント