「ISTP 頭悪い」。嘘のようで本当に見かけたGoogleサジェストです。
まあ私自身はそうは思いませんが、おそらく世間には「ISTPなんて物事の本質も理解出来ないバカだろ」と見くびっている人がいるのでしょう。多分。
というわけで、今回はISTP回。彼らがなぜバカだと思われているのか、そしてどの辺が頭いいのかを考えていきたいと思います。

こういうことを言い出すのは大抵自称NT……いや、なんでもありません
ISTPが頭悪いと言われる理由
なぜ「頭悪い」なんてサジェストが出回っているのか。まずはそこの解明からですね。
私的には、理由はおそらく2パターン存在するのかなと考えています。
ひとつはその場その場に対応する、悪く言えば行き当たりばったりな部分。
もうひとつは見たまんまの情報ばかりを主機能Tiに取り込んで理論を組み上げる、ある意味では深みのない考察力。
他にも単純に周囲に溶け込まないため否定的な目で見られやすいとか独自理論で動くから理解されにくいとか色々ありますが、とりあえず大きな理由は上記の2つなのかなと。

ぶっちゃけネットってNT志向みたいなところありますもんね。大局的に物を見ない人間はバカにされがちな環境です。頭の良さってそれだけじゃないんですけどね、実際は
目先に集中する=バカ
まず最初にその場その場に対処する性格から。これは言い換えれば、「先のことを予見する気がない」「予測力が欠如している」とも取れますね。ここが、ISTPの頭悪いポイントとされている大きな一要因でしょう。
もともとISTPは短期的な視点を持って、その場その場に対応したり適応するのに適しています。ストレングスファインダー的には、戦略性が低く適応性が高い感じに仕上がるでしょうか。
ある意味では非常に対応力が高く機転が利く。ですがある意味では長期的な物の見方が欠如している。
ぶっちゃけこれ、ネット世界では問答無用で「頭悪い」とされかねない要素なんですよね。だって大局的な物の見方や、ある意味N型チックな価値観が好まれるのがネットだから。
ISTPが持つ器用さも対応力の高さも機転も、「頭悪い」と吹聴していたり信じている人にはお呼びではないのでしょう。
そんなわけで、「頭悪い」なんてサジェストに繋がったのかなと。そういう感じに考えてます。
見たまんまの情報ばかりを組み入れる=バカ
基本的にISTPの強みは洞察力ではありません。その観察眼と、それをもとに組み上げる客観的理論の精緻さです。
見方を変えましょう。この人たちの視点は客観と観察。これしかないです。
だからと言うわけではありませんが、基本的に考察とか想像が苦手な傾向があるんですよね。ぶっちゃけNiが第三機能にあるのでESTPとかよりはマシですが、それでも限界はあります。
何度も言いますが、ネットの世界はN型チックな世界が好まれる場所です。S型であっても、どこかN型っぽい感じのことが好きな人が集まります。実際、S型の中にもN型と誤認している人は結構いるでしょう。多分。きっと。
そんな環境下で見たまんまの情報と客観的な事実の羅列、そして無味乾燥な理論の解説ばかりやっている人がいたらどう思いますか?
まあ、つまんないと感じる人は多いでしょうね。
「そんなことわかってるわ」ということまでつらつらと述べるのもSe勢の特徴。それとつまんなさが相まって、「頭悪い」なんて流言がまかり通っている点は否定できないでしょう。

友人のISTPに歴史好きがいますが、彼の喋り口なんかは典型的なSe勢でしたね。
「こんな人がいた」「この人はこんなことをした」「こんな戦いがあった」と、基本的にやってるのは事実の羅列です。考察なんかはありませんし、面白エピソードを挟むこともありません
ルールより大事なものがある=バカ
他にも思い当たる節は色々あります。
世の中には「こういうもの」「気にしたら負けなもの」がたくさんあります。特にSi民なら、その辺の分別をつけて生きていく物だと思います。
が、Se-Ni民は、案外こういう「理屈もへったくれもないけど従うべきもの」を軽視しがちです。
特にISTPはTi主機能。そんなことよりも客観的に筋が通っているかどうかの方が何倍も大事な種族なわけです。
よって、なかなか「こういうもの」的なルールには黙って従いません。
ここで思われてしまうわけですね。「こいつはルールも理解していないバカだな」と。要は誤解です。
独自理論に従う=バカ
先述の通り、ISTPはTiの民です。つまり、自分視点から客観性と一貫性が担保されたものしか信奉しません。
その結果として嘘や理論的な矛盾にはかなり聡い方なのですが……世間様的にはそんなものどうでもいいです。それよりも自分たちに従順かどうか、矛盾の嵐に文句言わないかどうかの方が大事です。
こういうところも、バカと思われる所以かもしれませんね。
周囲と協調しない=バカ
ISTPの劣等機能はFe。つまり周囲に溶け込んだり優しくできる素養はあるのですが、原則軽視しがちです。
特に問題となりやすいのが、溶け込まないこと。そしてクラスや職場内で「政治」をしないこと。
ぶっちゃけ、そんなことより筋を通す方が遥かに大事です。体系的に物事を捉えて分析する方が100倍優れています。Ti民はそう言う人たちです。
で、そう言うのを見てて、周囲(特に視野の狭いF型)は思うのです。「こいつ頭悪いのかな?」と。
ISTPの頭の良さについて
さて、ISTPが頭悪いと思われがちな点はいくつか挙げてみました。続けては、彼ら的な頭の良さについてのターンですね。
実際、このタイプは非常に優れた頭脳を持っています。ただ、「ISTPはバカ」と思っている人とは頭の作りや重きを置いている価値観が違うだけなのです。
それでは、いくつか例を挙げてみましょう。
頭の良さ1:優れた論理的思考
まずはこのタイプの本領から。Ti民は基本的に優れた論理的思考力を持っています。物事の一貫性や矛盾にすぐに気付いたり、体系的・立体的に物事を捉えたりできることがいちばんの強みと言っても良いでしょう。
ISTPはどこかに神の視点を持っています。この視点は、自分自身すらもひとつの要素として分析する冷めた視点です。
この冷めた視点があるから、ISTPは批評家として非常に優秀な人物となります。具体的に何が悪いのかを分析したり、物事を平等かつ公平な視点から見ることができるわけです。

学校でよしとされるロジカルシンキングですね。ロジックで物事を捉えることができるから、感情に流されず画一された視点や基準から平等に物事を裁けます。
これ、できてるつもりで、実はできてる人が少ないんですよね
頭の良さ2:優れた観察力
平等に物事を裁くとして、じゃあその判断材料はどこから持ってくるのかと言うと、多くはSeがその役割を果たします。
要するに、優れた観察眼ですね。問題の肝となる部分を見抜き、それを洗い出し、観察して得た事実だけを抽出することで精度の高い情報を編み出します。
これをTiで裁くことによって、例えば同じTi主機能のINTPと比べても洗練された判断をすることができるわけですね。
さらに言えば、このタイプは勘が鋭い傾向にあります。と言うのも、五感がかなり優れているからですね。
直観を捨てて感覚にフルスロットルするSeユーザーだからこそ、この鋭さを身に付けることができていると言えるのです。
頭の良さ3:機転や目先のことには非常に聡い
目の前に全力投球するのが、Se勢のいいところでもあり悪いところです。とすれば、当然目の前に全力投球するからこそ生まれる長所というのもあるわけで……
ISTPの場合、その目先への全力投球がTi、そして未熟ながらNiと結びつきます。実はなんだかんだ言って、一手先はよく見ているのです。
歴史上優れた軍略家が多く属したり囲碁や将棋が得意という話もありますね。これらも、目の前のことだけをTiで客観的に裁きまくっているからこその証左と言えるでしょう。
実際、割くべきリソースや必要な脳内の容量をよくわかっているため、最速で最適解に結びつくことも可能なのです。
ISTP、バカじゃない
まあなんだかんだ大半の人はわかってたことでしょうが……ISTPは別段バカなわけではありません。むしろ目の前のことや一手先のことになればトップクラスに頭のいい人たちです。
まあ頭の良さなんて人それぞれですし、「先のことを考えられないから頭悪い」なんて言われたら手も足も出ませんが……それでも、今この瞬間という分野においてはトップクラスに知恵が回る人たちであることは忘れてはなりません。
というわけで、今回はここまで。
普通のISTP解説もやってますので、よろしければそちらもご覧いただけますと幸いです。
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