タイプ6の説明を読んだところで、ピンとこない人も大勢いらっしゃるでしょう。
今回はそんな方のために、2種類のタイプ6についてまとめてみようと思います。
その名も、恭順型。もう一つが、みんな大好き(?)恐怖対抗型。
長話も何でしょう。早速まとめていきましょう。
タイプ6:2タイプの違い
では、まずはお互いどんな感じなのかを簡単にまとめてみましょう。
恭順型
・おとなしめで典型的
・主に支えを求める
恐怖対抗型
・激情家であることが多い
・主に自立を求める
恭順型は支えられることを求め、恐怖対抗型は自立を求める。こんな違いがあります。
タイプ6を語る上で欠かせないのが、「権威への信頼と疑念の両方を持ち合わせる」という特徴。
そのうちの信頼属性が強めなのが恭順型、反発属性が強めなのが恐怖対抗型というわけですね。
タイプ6は、支えを求めるフェイズと自立を求めるフェイズの両方を行ったり来たりします。ですが、その2つの態度にも軸足になる属性はきちんと存在しています。
恭順型の軸足は信頼であり、たまに不信感を抱いてします。
恐怖対抗型の軸足は疑念。だからこそ反発するが、認めた権威には従順。
だいたいこんな感じでしょうか。
恭順型の特徴
さて、では、まずは恭順型から見ていきましょう。
恭順型は、権威を信頼し、恭順を示すことで支えを求めます。よくあるタイプ6の姿ですね。
ちなみにこの権威、なにも権力者や常識といった強い影響力ばかりではありません。
時には仲間、配偶者、共感した思想家、果ては反権威的団体まで……自分を守ってくれる・支えてくれると感じたものならば、納得さえすればどんなものにも付き従います。
付き従う相手を決めれば、あとは恭順ですね。その権威の色に染まることで、身の安定を図ります。
強い責任感
責任と勇敢さは、タイプ6を語る上で割と出てくるワードではないでしょうか。
恭順型を表す属性は「責任」。つまり責任感が非常に強い人たちということですね。
恭順型のタイプ6は、信じた権威には非常に強い忠誠を示します。その証として、常に責任ある行動を心掛けるでしょう。
組織のためを思って本気で行動するタイプと言えば、私は真っ先にタイプ6が浮かびます。
このタイプのタイプ6は、文字通り組織に身を捧げます。
もっとも、それが行きすぎるあまり多くを背負いすぎることもあるのですが……。
ともあれ、かなりオーソドックスなタイプ6と言えますね。
仲間内では温和を希望
この手合いのタイプ6は、敵ならともかく仲間内でギスギスすることは苦手です。そのため、議論が白熱したりすると、大抵宥め役に徹します。
「まあまあ、落ち着いて話し合おうよ」
「喧嘩はよくないよ……」
激論が轟く場面において、こんな感じに場を鎮静しようとする人はいませんか?こういう人のほとんどはタイプ6かタイプ9です。
まあここでタイプ9まで出るのは混乱のもとではありますが……タイプ9との違いは以下をご覧いただければと。
とにかく、仲間内が混乱することをひどく嫌うのがタイプ6です。その傾向が特に強いのが恭順派ですね。
簡単に言い表せば、「みんな争わずにちゃんと仲良くしましょうね」と。
仲間の団結・結束を強く求め、不和を嫌い、みんなで同じ方向を向こうとする人たちです。
そのため薬にはなっても毒にはならない人間になりやすいですし、黒い話をするならスケープゴートを作り出してでも仲間内の団結を重視します。
たまに挟まる疑念
当然、タイプ6も気に入った相手の全てを無条件に肯定し続ける馬鹿ではありません。時折「捨てられるのではないか」「自分は支えを失いつつあるのではないか」という疑念を抱きます。
その最たる例が、見捨てられ不安ですね。
当然疑念に対する何かしらの対応を迫られるわけですが、その対応は主に以下の2通り。
1.試し行為
2.更なる忠勤に励む
「タイプ6が、時折こちらを試すような行動をする」。これはタイプ6と接したことがある人の多くが感じていることです。
「本当に私のことを守ってくれるのか?」と不安になり、このままつくしても安全かどうかを確かめようとするわけですね。
その方法は多岐に渡るので、ここで書き記すことはできません。ただ、何かしらの方法で相手の庇護を試す点は否定できないでしょう。
一方、見捨てられないよう、より安全な地位にいるようにとさらに相手に尽くすケースも多々見受けられますね。
理屈としてはこうです。「見捨てられるか不安であれば、見捨てられないようにすればいい」。
積極的に相手に恭順し、必要以上に尽くし、場合によってはイエスマンに成り果てて……あらゆる手を使って、タイプ6は相手に取り入ろうとします。
不安と恐れは、タイプ6の段階が下がる要因。「見捨てられるかも」と疑念を抱いた瞬間から、不健全への扉は開かれているのです。
恐怖対抗型の特徴
このタイプは、とにかく反抗的、そして恐怖に自ら向かっていくほどに勇敢です。
タイプ6によくある不安な様子は一切見られず、むしろ怖いものや脅威になり得るものに勇敢に立ち向かっていく姿が見受けられます。
詳しくは、ここで語るより以下の記事を見ていただいた方が早いかもしれません。
とはいえ、ここでもある程度語る必要はありますよね。というわけで、以下参考程度にご覧ください。
恐怖に自ら向かっていく
恐怖対抗の名前からわかる通り、恐怖対抗型は自らの手で恐怖や脅威に向かい、徹底的に抵抗します。
タイプ6を象徴する言葉に「勇敢」という一見場違いなものがありますが、これはまさに恐怖を克服・撃破しようと立ち向かっていく姿に端を発します。
怖いものは怖い。恐怖は人間の心理として当然にあるものです。
ですが恐怖対抗型はそんな恐怖に徹底抗戦することで、タイプ6らしからぬパワフルな様相を周囲に見せつけることがあります。
恐怖への”逆張り”
恐怖対抗型は、ある意味では恐怖に対して逆張りを展開しています。
積極的に怖いものに立ち向かっていき、あえて自分が最も恐れていたことをする。そうやってあえて恐怖に逆行することで怖いという感情に対抗し、逆に打ち勝とうとする姿が見られるわけです。
タイプ8とよく似ていますが、恐怖を「無視する」のか「立ち向かう」のかで大きな差が出ます。タイプ6の場合は後者ですね。
タイプ6とタイプ8の違いについては別記事に書き記しておりますので、そちらも参考程度に……。
行動原理は疑念
恐怖だけでなく権威にも反発するのが恐怖対抗型の特徴ですが、その原動力の一つに疑念があります。
要するに、権威が本当に正しいのかどうかを疑っているわけですね。
偉いからといって間違えないわけではない。
みんなが信じているからといって正しいとは限らない。
何にでも反発するヤバい性格の裏では常に疑問を呈する冷静な疑念があり、正しいものを見極めようとする一面も見られるのです。
基本的には行ったり来たり
さて、完全に「恭順型」「恐怖対抗型」と二分してしまったわけですが、これだけではタイプ6を語るには不十分です。
というのも、タイプ6は恭順型と恐怖対抗型を行ったり来たりするタイプだからです。
ある時は権威に対して恭しく従い、またある時には権威が正しくないと弾劾する。
盲目的に従っているように見えて、実のところかなり疑り深く世界を見渡しているのがタイプ6。そうしなければ従う相手を間違えてしまうからです。
恭順型だって反社会的集団に順応しようとすることは往々にしてありますし、恐怖対抗型が認めた相手に素直に従うこともあります。
今回お話しした2つのタイプは、言ってしまえば「タイプ」というより「顔」に近いかもしれません。
型という軸足こそ確かに存在しますが、あらゆるタイプ6が完全に恭順/恐怖対抗の枠組みに収まっているのかというと、そうとも言い切れません。
タイプ6は「二面性のあるタイプ」とも言いますが、この恭順型と恐怖対抗型こそが二面性の大まかな括りとなります。
まとめ
今回は恭順型/恐怖対抗型と名付けて、タイプ6の実態について解説していきました。
権威や所属集団に忠実に尽くす恭順型と、疑念と勇気を持って行動する恐怖対抗型。なんとも対照的な2タイプですね。
これら2つのタイプが同居し、時に部分的に、時に全面的にどちらかのタイプが顔を出すのがタイプ6。こうやって見ると、そのアンバランスさと奥深さが伝わってくるようです。
決して教科書通りといかないのがエニアグラムですが、特に教科書から大きく外れたところに行きつきやすいのはタイプ6なのではないでしょうか。
「自分はこんなにヤワじゃない」と話す恐怖対抗型。対して「こんなに人を疑っていない」と話す恭順型。
どちらもタイプ6なのですが、その判別は、特に自己認識の上では難しそうです……。
といったところで、今回はここまでですね。他にも色々と記事をあげていますので、あと2、3ほど見て行っていただけるとうれしいです!
筆者:春眠ねむむ
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