サジェストで出ました。春眠ねむむです。
ウィングは各タイプの隣のタイプと混ざり合って完成する概念。例えばタイプ1なら、お隣のタイプ9、タイプ2とだけ混ざり合う……といった具合ですね。
タイプ5の場合は5ウィング4(5w4)、5ウィング6(5w6)しか存在しないわけですが、ちょっと調べてみると出てきたのが、5w8という不思議な組み合わせ……。
今回はこの謎について、ちょっと考察してみましょう。
※ウィングがわからないという方は、以下に詳しい説明がありますのでそちらをご参照ください。
無料エニアグラム診断とウィングの浸透度
自分のエニアグラムタイプを決めるにあたって、無料診断を頼りにしたという方は多いはず。
実際、あれらはエニアグラムの浸透に大きく寄与していると思います。

ゆーてちょっとニッチな分野になってますけどね。知る人ぞ知る的な
実際、エニアグラム入門者にとってはかなりわかりやすいです。自分のタイプがどれなのかを明確に可視化してくれるので。
右も左もわからない方や浅く知れば満足という方にとっては、まさに渡りに船と言っても差し支えないでしょう。
掴みとしては完璧ですね。
ですが、多くのエニアグラム診断では測れないものがあります。それが、ウィングという概念。
最近はウィングまで算出してくれる無料診断もあるようですが、多くの場合ウィングが何なのかについてはよく明かされていないのが実情です。
そのため法則性がわからないままにウィングという存在だけを知り、結果として「要するに他のタイプが副次タイプとして存在するんでしょ?」という雑な覚え方をしてしまうケースが多いのでしょう。
結果として誕生するもののひとつが、5w8というウィング。本来あるはずのない形です。
※「ウィングみたいないろんな概念についてもう少し知りたいよ」という方向けに、中級編と銘打ってまとめた記事も公開中です。そちらも併せてご覧いただけると、ウィングについてもいろいろわかるかもしれません。
併せてどうぞ
初級から中級へ!wとは何を指すのか解説します
エニアグラムの複雑さと教えてもらえない環境
半分保身のために擁護しておくと、5w8というウィングを提唱した人・名乗っている人の頭が別段悪いというわけではありません。
こういう珍妙なタイプが爆誕するのには、きちんと理由があります。
そもそもの話、「ウィングとは何か」「ウィングの法則」について語っているサイトがかなり少ないのが一番の要因でしょう。
ウィングはエニアグラムという概念を一気に複雑化させる要素のひとつです。
ウィングによって9タイプだったエニアグラムタイプは倍になり、さらに特定の法則性もあったりと、エニアグラムのややこしさをモロに露呈してしまいます。
そのため、ただエンタメとして楽しみたいライト層や、そういった需要を拾いたい大手企業サイトはウィングを忌避してしまうのです。
結果としてウィングについても言及するのは、うちのようなどこの馬の骨かもわからない個人サイトばかり。
だから「ウィングって何?」となった方の受け皿が少なく、雑に「ウィングってこういうものでしょ?」と間違った覚え方をし、雑に知識を展開する人も一定数いるわけです。
なぜ5w8なのか
おおよそ前項で5w8の誕生秘話は終わりなのですが……せっかくです。同じ間違えるでも、なぜ6w9とかでなく5w8なのかを考えてみましょう。
とりあえず多い順
まず5w8が完成する土壌として、「とりあえずネット診断で強く出たタイプトップ2をくっつける」という風潮が完成しているのでしょう。
この場合、トップが5、次点が8ですね。
要するに、単なる強い順です。一番強いタイプをメイン、二番目に強いタイプをウィングにするわけです。
ちなみにこれは、ウィングの概念をしっかり学ばれている方にも少なからず見られる傾向です。
例えばタイプ5が一番強い場合、タイプ6よりタイプ4の方が強いから5w4……といった具合に、「とりあえず両隣のタイプのうち、☆の数やゲージが多い方をウィングにする」という形に収まる人が多いです。
調べものをするからタイプ5
続けて、なぜ無料診断におけるメインタイプ……すなわち最も高いスコアを叩き出すのがタイプ5なのかを考えてみましょう。
まず前提として、MBTIと違って下火気味なので、なかなかキラキラした表舞台に立てていません。
そのため、「エニアグラムって何だろう?」とか「自分のタイプは何だろう?」と自発的に興味を持って調べなければ、エニアグラムという概念にはたどり着けないのです。
一方で無料診断におけるタイプ5は、「気になるものや興味事はとにかく調べたい」という特徴を前面に出して描写されている感が否めません。

前面に出ている特徴なら、分析思考もありそうですがねー。まあ調べるのと分析はある意味セットというか、調べ物が好きな人は「自分は分析力がある」と自認しやすいです
内向的な人が多いのもタイプ5の理由
またタイプ5を象徴付ける特徴として、「一人でいたい時が多い」というものもあります。
タイプ5は基本的に人に邪魔されるのが嫌いなので、大体の場合は単独行動を好みます。
一方の日本人もまた、基本的に内気で社交の場が苦手な人が多いです。そのため人といるとエネルギーを使うことが多く、一人の時間を必要とする場面も多々あります。
「一人でいたい時もあるし、タイプ5かも」と。無料診断や多くのサイトを見てそう判断するのは無理からぬことと言えるでしょう。
タイプ8は願望?
一方のタイプ8ですが、基本的にパワーファイターでゴリゴリ物事を推し進める人たち。基本控えめな日本人とは毛並みが大きく異なります。
とすれば、基本的に憧れが入っているのかなと。
心理学用語に、ミラーリングというものがあります。簡単に表すと、憧れの存在をまねて行動することですね。
強い人に憧れて、自分もそのように振る舞い、結果として「自分は強い」という認識が生じると。こんな感じでタイプ8をウィングに選ぶ人も少なくはないかもしれません。

ネットにウジャウジャいる自認タイプ8にもぶっ刺さりそうですね。
強い自分と強くなりたい自分がごちゃ混ぜになって一緒くたになっている人も結構見ます
日本人はタイプ6が多い
日本人はタイプ6国家。そのため、実のところタイプ6の人がかなり多いです。
さて、そんなタイプ6ですが、ウィングに5を持っています。要はタイプ5の素養を少なからず持っているということです。
特に調べ物とか正確な情報の算出なんかは、タイプ6も結構やっています。ついでに言えば一人でいたがることもあります。この辺、タイプ6がタイプ5を自認しやすい要因ですね。
一方のタイプ8要素としても、恐怖対抗(書籍では対抗恐怖)という概念が存在します。一部のタイプ6、あるいは特定状況下のタイプ6は、タイプ8も真っ青なくらい強気でけんか腰になることがあるというのです。
恐怖対抗については以下にまとめていますので、興味がありましたら見てみてください。タイプ6の固定観念が吹っ飛ぶはずです。
よろしければどうぞ
雰囲気がやばい?恐怖対抗型のタイプ6について
タイプ6がもともと持っているタイプ5の素養に、恐怖対抗状態になった時の自分の力強さ。この2つの要素が合わさった結果、5w8というタイプを名乗るに至る可能性は大いにありそうです。
まとめ
というわけで、今回はたまたま見かけた幻のタイプ、5w8についての考察でした。
ウィングの概念を知っていると不可思議です。不可思議ですが、こうして考えてみると合点がいくことも多いですね。
ウィングという存在をもっとフランクに、わかりやすく、ちょっとチャラついた感じで紹介できればいいのですが……ぶっちゃけMBTIより2タイプ多いうえに法則性がめんどくさいので、なかなかうまくいきません。
まあ愚痴を言っても仕方ありません、当ブログは当ブログのやり方で、エニアグラムを少しずつ浸透させていくとしましょう。
といったところで、今回はここまでですね。当ブログではエニアグラムについていろいろと話したり考察したりしているので、もし興味がおありでしたらいくつか漁ってみてください。それでは!
筆者:春眠ねむむ
X :@nemukedesiniso
threads:@shunmin.nemui
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