喧嘩を売るようなタイトルから失礼いたします。春眠ねむむです。
突然ですが、タイプ3の囚われは「欺き」ですが、これをそのまま解釈すると嘘つき野郎ということですね。
今回は、そんな「嘘つき野郎」の観点からタイプ3を掘り下げてみようという記事です。
タイプ3が嫌いな方もそうでない方も、ネタとして見て行っていただければ幸いです。
タイプ3の嘘
まずはじめに大事なことからお話ししますが、タイプ3は必ずしも人を騙して陥れようとしているわけではありません。
もし嘘をついているのだとしても、それは自分の承認欲求をこじらした結果。要するに「認められるためならば多少の嘘も致し方ない」という状態ですね。
さらに言いましょう。そんな嘘つきなタイプ3も、初手から人をだまそうとしているわけではありません。
当然といえば当然ですが、真っ当に生きようとしているタイプ3も大勢います。むしろそちらが圧倒的に多数派と言えるかもしれません。
ですが、自分が認められるために暴走して、嘘でも水増し報告でもなんでもしてしまう人たちも確かにいる。
そういう嘘つき野郎たちは、いったいどうやって完成してしまうのでしょうか?
何よりまず「自分」を騙す
先程もちらっと言いましたが、タイプ3はいきなり人を騙して自分を優位に立たせようとするわけではありません。
まず何より、騙す相手は自分となります。
タイプ3にとって一番大事なことは何か。それは、人から認められることです。
通常のタイプ3は、人から認められるためならあらゆる手を尽くします。そのうちのひとつが、認められるような自分を演じること。
どういうことかというと、自分の適性や得手不得手、やりたいことなどを一切無視し、他人から認められるような性格になりきり、他人から認められるようなことだけに注力するわけです。
例えば遊びや楽しみを一切持たずに、成績表オールAを目指す傍ら習い事にも精力的に取り組む小学生とか。
業績トップになるために昼夜問わず、残業してなおダメなら仕事を家に持ち帰って休む暇もなく試行錯誤する社会人とか。
他にもひたすら美容のためだけに時間もお金も割く人もいますし、あらゆる人に好印象を与えるしゃべり方や態度を研究し続ける人もいるでしょう。
「認められたい」という承認欲求だけをモチベーションに、タイプ3は文字通り自分を捨てて全力で人に好印象を与えることをします。
当然、彼らの中には「これがやりたい」とか「休みたい」という気持ちはあります。
ですがそんな自分に嘘をつき、「本当に自分がやりたいのはこれに決まっている」と印象が良さげなことを自分に言い聞かせ、人から好まれる自分をひたすら目指し続けるのがこの人たちなのです。
「お前は天才だ!」
当然ですが、承認欲求だけで努力は続きません。いずれは虚飾や嘘、大げさな物言いなどに流され、努力を忘れて自分を立派に見せることばかりに腐心するでしょう。
不健全気味に落ちたタイプ3はそうやって他人を騙して生きるわけですが……タイプ3全員が必ずしも人を騙しているわけではありません。
では、どうやって堕落せずにいるのか、もっと言えば高いモチベーションを常に確保し続けるのか?
その課題においても、タイプ3は自分自身を騙します。
例えば「お前はこんな素晴らしいレポートを書けているんだ!きっと天才に違いない!」とか。
あるいは「こんな業績を上げている奴は他にいるか?いや、いるはずもない!」とか。
こんな感じに自分を称賛し、鼓舞することで、本当はやりたくないことでもモチベーションの暴力でやり遂げようとします。
自己効力感を得られれば、大抵の人は気持ちよくなって「やり遂げよう」という気になります。
タイプ3は自己効力感を得るための方法をしっかりと理解しており、外的要因でなく自らの手で「自分は有能だ」というイメージをたとえ思い込みであっても作り出し、実際にやり遂げるまで粘り強く物事に取り組むのです。
常にライバルを作り出す
健全化が進めばこの限りではありませんが……タイプ3の中には常に倒すべきライバルが存在しています。
このライバルこそが、自己効力感、そして自己有用感を引き出すカギとなります。
「自分はあいつより実力があるはずだ」
「あいつより自分の方が絶対上手い」
などと思い、常に相手より優位な立場でいられるようにあらゆる手を尽くすわけですね。
タイプ3はマウンティングがやたらと多いタイプですが、それもライバルと認識した相手に対して「自分の方がすげーし」と有能宣言しているからと言ってもよいでしょう。
当然、これも「自分の方が全てにおいて有能だ」と思い込みたいがために、自分を騙す意味合いが込められています。
変わり種だと、誰も求めていないところに突然やってきて助言することで「自分はお前より知識も実力もある」とアピールすることもあります。
で、「なんだこいつ」と思われることもしばしば……
有能、無能という括りは、相対的な指標がなければ区分けできません。つまり有能な人がいるならば、それと比べて劣っている無能な人が必ずいるわけです。
タイプ3は「自分は有能な側にいる」と思い込みたいため、常にライバルより上を行こうとします。
これが良い方向に働けばたゆまぬ努力として現れますし(それでも有能感に浸ることはやめない)、悪い方向に向かえばマウンティングや悪口につながっていくのです。
落ちれば今度は相手を騙す
このように、タイプ3はいきなり相手を騙そうとするわけではありません。自分を騙し、「ライバルよりはるかに上を行く」と思い込み、そうやって自分を急き立てて結果を出そうと目指します。
しかし、それだけで取り組んだこと全てにおいて結果を出せるほど、人は万能ではありません。
それを思い知ったタイプ3はいよいよ相手に対して嘘やごまかしを用いて「自分は結果を出した」と思い込ませます。
例えば年収を偽ってみたり、自分が代表の座にいる小規模経営の会社をさも大企業のように喧伝したり、ほどほどに勉強した分野で専門家を名乗ってみたり……。
最初は小さなごまかしから始まるかもしれません。
ですがその小さな嘘は雪だるま式に膨れ上がり、いつしか周囲の期待と羨望を集めるための大きな嘘につながっていく……と。
タイプ3でなくても、もしかしたらこういう行動や言動に覚えがあるかもしれません。
ですが、タイプ3がそういう嘘の誘惑に弱いのもまた事実です。
「嘘は言っていないけど実像がバレたらどうしよう」みたいな焦りを覚えるのは、不健全気味のタイプ3ならば経験した人も多いかもしれません。
エニアグラムみたいな分野だと、知識を偽ったり、読んでない本を読んだと言い張ったり、健全度を偽ってみたりということは結構多いかもしれませんね
タイプ3は自分が有能でなければならないという強い強迫観念を持っています。その強迫観念が暴発すれば、自然と相手を騙す方向に舵を切ってしまうわけですね。
不健全気味の人は詐欺師の才能がある
まあこんなこと言っておいて不健全なタイプ7には及ばないわけですが……それでも、人を騙すことを覚えたタイプ3は特有の胡散臭さを含んでおり、詐欺師としての才能を開花させます。
例えば、情報商材みたいな分野だとわかりやすいかもしれませんね。
今はすっかり審査が厳しくなってしまいましたが、昔はどんなダメな商材でも売りたい放題でした。
そういうところで経歴を偽り、やったこともない分野をさも「自分は詳しいです」みたいな顔をして解説し、騙された人から金を巻き上げ、いざとなれば自己責任論に逃げる……。
こんな人が、結構な数いました。
まあ経歴詐称は違法かというとグレーゾーンな行いですが、それでも、詐欺師の行いとしては割と常套手段なのではないでしょうか。
タイプ7は思いっきり違法な詐欺を行いますが、タイプ3は合法の範疇で人を騙します。捕まらない分、質の悪さはこちらの方が上かもしれませんね。
まとめ
というわけで、今回はタイプ3と嘘つき野郎について、いろいろと語ってみました。
勘違いしないでいただきたいのは、タイプ3全員が嘘で塗り固められた存在というわけではないということです。
嘘っぱちや虚飾に生きる人は多数派とは思えませんが、確かに他タイプと比較して多そうですね。
特に不健全に落ちていくと、自分を騙すだけではとても自身の心を補修しきれず、ついつい人を騙す方向に転換していきます。
承認欲求と自己有用感が満たされているうちはいいのですが、それが失われると一気に不健全に落ちていき、相手を騙したりライバルを陥れる方向に頭を使いがちになってしまいます。
まあタイプ3から学ぶところは非常に多いとは思いますが、今回は真っ黒な点について述べるというわけで、こんな感じでまとめた次第です。
といったところで、今回はここまで。他にもさまざまな記事を上げているので、よろしければいろいろと目を通していただけると幸いです。
筆者:春眠ねむむ
X :@nemukedesiniso
threads:@shunmin.nemui
参考書籍
エニアグラム解説
タイプ一覧
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