優しく気遣い上手で、しかしちょっぴりお節介焼きな人がタイプ2の特徴ですね。自分は愛されないという空虚感を埋めるために過剰に人に尽くすこともあるタイプですが……その優しさを「嘘」とは言えない言わせない。そんなタイプです。
で、そんなタイプ2の退行トリガーは、文字通り愛。愛に敏感なタイプ2にとって、愛情を注ぐに値しないという評価は何にも耐えがたいものになるのです。
※退行は本来ならば分裂の方が書籍等でよく使われる正式な記載になりますが、本サイトではネット上でより浸透しているであろう「退行」で統一させていただきます。
タイプ2の退行
退行:タイプ8
退行については、以下の記事をご参照ください。
退行までの道
タイプ2が最もストレスを溜める環境は単純です。愛情不足な環境ですね。
タイプ2の善意には基本的に私心がありませんがそれは表層意識での話。タイプ2は本能的には人との繋がりを欲しており、人への優しさは繋がりを得るための手段なのです。
当然、見返りなんていりません。ただ覚えておいてもらえれば、それでタイプ2の目的は達成されてるわけですから。
ですが、中には恩を仇で返す人もいれば、善意でやったことが裏目に出て恨まれてしまうこともあります。
タイプ2にとって最もストレスになる場面は、「恩義をネタに相手とのつながりを作る戦略に失敗した時」と言っていいでしょう。
「あれだけよくしてあげたのに」とか、「結局私は愛されない」とか、この感情がタイプ2にとって耐えがたいのです。
囚われにあるプライドも、退行や不健全化には大きく影響しています。
これまで自分の痛みも苦しみも無視してきたのに、誰も振り向いてくれなかった。
側から見ると「そこまで求めていない」というのが正直なところですが……タイプ2は勝手にそこまでやって、相手と繋がれなかった時に大きなショックを受ける人たちなのです。
「私を見て」は感情センターの命題ですね。
特に「愛して!」という要求が強いのがタイプ2。見返りはいらないと言いつつ、結局愛情を見返りに欲しがっているわけです
退行状態のタイプ2
もともと推しが強く強引になりやすいのが、タイプ2の本質です。
プレゼント作戦や手助け作戦が失敗して、「どうしても自分は愛されない」と立証されてしまった時、もはやタイプ2は手段を選ばなくなります。
「どうして愛してくれないの」とか、「言う通りにしなさい!」とか、結構強い言葉で相手を縛りつけようとする姿がよく見られますね。
場合によっては脅してでも殴ってでも、自分だけを見るように迫るタイプ2もいるかもしれません。
「自分は愛されない」という絶望感は、タイプ2にとって地雷なのです。
多くは被害者面して「私はみんなに無視されてるの!」と言わんばかりに振る舞いますが、不健全になればなるほどその振る舞いはより濃く強くなっていき、最後には「愛に生きて愛を否定された哀れな殉教者」として人生を終わらせることもあるかもしれませんね……。
不健全な人は、メサイアコンプレックスの人とか多いです。
以下に健全度ごとのタイプ2やそのダークサイドもまとめてますので、よろしければご覧ください。
タイプ2の統合
統合:タイプ4
統合に関しては以下の記事にまとめていますので、よろしければご参照ください。
単なるタイプ4に非ず
タイプ2の統合先はタイプ4です。ですが、夢見てナルシズムに浸ってわがまま放題に振る舞うことが、本当にいいことではありません。
通常段階のタイプ4の短所を真似たところで、タイプ2的には自分で自分の地雷を思いっきり踏み抜くようなものです。
「わがままに振る舞ったせいでみんなに嫌われたかも……」と弱気になり、さらに健全度を落としてしまう結果になりかねないでしょう。
多分、自分のケアはリラックスできる環境ではできているはずです(セキュリティ・ポイント)。
とすれば、タイプ4から学ぶべくは放縦ではなく自己理解です。
統合段階のタイプ2
世の中どうやっても好いてくれる人もいますが、何をしても絶対に嫌ってくる人も存在します。健全なタイプ2はそんな当たり前を、真正面から受容できるようになります。
よく、「愛されるにはまず自分を愛しなさい」と言われますよね?健全な段階のタイプ2は、そんな言葉を当たり前のように実行します。
自分を愛し、自分を認め、何よりまず自分の幸せを願い、そして心の余裕を手にしてから、その幸せを「いろんな人に分けてあげる」。本物の聖人君子ですね。
誰よりも自分を理解し、自分の苦しみを理解し、無理はせず、できることからやっていく。
そんな健全なタイプ2にとって、もはや愛とは死に物狂いで求めるものではありません。
愛とはそこにあるものであり、与えるもの!
……なんてくっさい台詞が台本に書かれてたんですが、何なんですこれ?
自己犠牲は悲劇のもと?
「愛されるためには自己犠牲!」これは無意識に唱えてしまっている、タイプ2の魔法の呪文です。
確かに自己犠牲によって、「都合のいい人」として周囲に頼られはするでしょう。ですが、人間とは酷なものです。自己犠牲精神は容易に見抜かれ、次第に人ではなく道具として扱われるようになっていきます。
使い捨ての道具に注ぐ愛情はなし。魔法の呪文を実行するたびに、タイプ2は本当のゴールである愛情から遠ざかってしまっているのです。
「人からどう思われてるかな?」という自意識は世間では良しとされていますが……タイプ2の健全化の上では毒になりえます。
人よりもまずは「自分が今何を感じているのか?」をよく考えてみましょう。そこに新たな気づきがあるかもしれません。
自己理解を深めることを「わがままだ」と非難する人がいたなら、それはあなたのことを道具として使い捨てようとする人間の声です。無視していいでしょう。
大丈夫、あなたは愛されているはずです。自分のことを知るくらい、問題にはなりません。
筆者:春眠ねむむ
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参考書籍
エニアグラム解説
タイプ一覧
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