【エニアグラム】退行(分裂)とは?

エニアグラム
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正直、割と勘違いしやすい要素が退行という要素だと思います。

私も昔別のブログでエニアグラムについても話していましたが……正直、間違えてる感が凄いです。というか、多分間違って覚えています。当時の自分の考えなんてわからんけども。

というわけで、退行とは何を指すのかを、今改めて考えて見たいと思います。

※ちなみに退行は正式には「分裂」と言われており、書籍によっては退行、後退などと言われている要素ですが……ネットでメジャーな呼び方が「退行」なので、当ブログではそちらを採用させていただきます。

退行=不健全……ではない?

はい、多分勘違い要素だと思います。あと、私もおそらく誤解していた要素でしょう。

「退行は不健全になるにつれて進行する」と。

正直、これを不正解を突きつけるには微妙です。厳密に言えば、半分正解……いや、3割くらい正解でしょうか。

実際、退行は不健全になればなるほど増大する傾向がありますし、それっぽい行動も不健全段階の方が多く見られます。

ですが、実際の退行状態は通常段階でも意外と起こり得る状態ですし、何なら健全から通常段階に落ちる瞬間に退行してしまう人がいてもおかしくはありません。

……書籍はもちろん他のブログさんでも言われていますし、これ以上はもったいぶらずさっくりと結論をお伝えしましょう。

退行は通常、大きなストレスを受けた時に起きる拒絶反応のようなものです。もっと言えば自分のやり方やそのタイプ特有の執着では収集つかない事態に出くわした時にほぼ衝動で出てくる、自分の別の顔のようなものです。

あかつき
あかつき

心理学用語では、「行動化(アクティングアウト)」という……と書籍にはあります。

無意識下で起きている葛藤やアイデンティティの危機を避けるための防衛反応ですね

退行の方向

退行方向

1→4→2→8→5→7→1
3→6→9→3

エニアグラムには、退行にも一定の方向性が存在します。それが上記の画像であり、枠で囲った部分ですね。

あかつき
あかつき

眉唾な話っすよね(笑)

科学的根拠とか、そんなもん存在しません。筆者も私も熱心に信じちゃいません。

でも「なぜそうなるのか」まで考えると、ちょっと納得しちゃうから不思議です

「各タイプの退行までのメカニズム」の話は今後に取っておくとして……とにかく今は、エニアグラムという一つの理論ではこういうものだとだけ覚えておいてください。

アクティングアウトって何?

さて、ではここで、先程チラッと出てきた「アクティングアウト」という言葉について軽くまとめてみましょう。

意識したくない「無意識の衝動・欲求・感情・葛藤」が意識化されそうになったとき、それを回避しようとする防衛反応のことを言う。「行動化」とも呼ばれてる。

ナース専科さん、「看護用語集」より

上記が、外部サイトで拾ってきたアクティングアウトの概要です。

まあザックリとした話、「見たくないものや都合の悪いものを無かったことにしようとして、表層化する前に無意識的に行う防衛反応」ということですね。

身も蓋もない言い方をすれば、無意識的に臭いものに蓋をする行為です。

「勘違いで誰かを攻撃してしまったことに気付いても、それを認められず責任転嫁する」みたいな話から、「苦しい状況を直視したくなくて、どうにか逃れるために自殺を企てる」みたいな重いものまで色々ですね。

口先では何を言っても、行動は正直なものです。口では「怒っていない」と言いつつネチネチ誰かを攻撃したり投げやりになってみたり、「不安なんてない」と強がっても行動が一喜一憂のたびに浮ついてしまったり……

正直、自分を客観視してアクティングアウトを認識・自覚するのは難しいです。ですが、諦めや悟りの裏にある犠牲になった感情は、案外隠しきれないものなのです。

エニアグラムから見たアクティングアウト

エニアグラム的な例えを出してみましょう。

タイプ2は基本的に他人の面倒を見て色々とお世話をしたがるタイプですが、その裏には「愛してほしい」「存在を認めてほしい」という気持ちを抱えています。極端な話が、愛情に飢えているわけです。

ですが世の中、してもらったことにきちんと恩を感じる善人ばかりではありません。
当然の権利のように人からの恩義をひったくって行く奴やケチつけて他人を奴隷のように扱おうとするロクデナシ、あえて仇で返して搾取や嫌がらせ楽しむ外道も世の中にはいますよね。

まあそんな過激な連中に限ったものではありませんが……タイプ2は自分の手助けを不逞の輩に無視されたり「思ったほど周りに感謝されない=必要とされていない」と感じると、それが大きなストレスになります。

世の中の図々しさを味わって我慢の限界に達したタイプ2は、「それなら力づくで愛情をぶん取ってやるまで」という悪魔の結論に至り、最後には自分自身が図々しく我がままでバイオレンスな性格になることで、世の中の図々しさに対抗しようとします。

無論、当人はそんなこと意識できません。すべて無意識の行動ですが、周囲から見ると「人が変わった!」と驚愕を覚えることもあるでしょう。

この無自覚下の性格の変化こそがアクティングアウト、エニアグラムにおける退行のメカニズムです。

あかつき
あかつき

タイプ2に限った話ではありません。みんなこんな調子です。

そりゃそうだ。じゃなきゃいちいち用語なんて用意されません

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レベルが下がる前の逃げ道?

書籍にはこういう一文がありますね。

行動化(アクティングアウト)は一時の発散になり、より破滅的になり得る不健全な領域への下降スピードを遅らせます。

エニアグラム【基礎編】P130

要するに、「自分のレベルを下げない(これ以上不健全にならない)ための緊急的な防衛措置」。これが退行の正体です。

ザックリと書くなら、どうにもならない問題に対する逃げ道のひとつですね。

諦めて逃げたり暴発したり性格悪くなることによって見たくないものやどうにもならない問題から目を逸らし、逃げることでどうにか心のダークサイド化を防ぐわけですね。


当然、退行は一時的な防衛反応です。直視すると不健全化間違いなしの大きな問題から目を逸らすことで、どうにか自分を保とうとする行いにすぎません。

究極の話、退行という手段に頼ってばかりでは自分の問題にいつまでも向き合えないということですね。


さっさと逃げたくなるような深い問題を直視し続けるのは精神衛生上よろしくないですが……案外そこに眠るヒントも少なくないのです。

自分がどんな時に退行し、アクティングアウトを起こしているのか?
それを続けたらどうなるのか?
アクティングアウトの時にきっかけになるキーワードや言い訳は何なのか?
そもそも何をそんなに恐れているのか?

気が狂いそうになる根幹の問題ばかりですが……余裕がある時に、落ち着いて自分を見つめ直してみるのも悪くないと思いますよ。

各タイプの退行表

というわけで、今回は退行についてのお話でした。

最後に、各タイプの退行状態について簡単に表でまとめてみましょう。

秩序正しいタイプ1が、突然タイプ4のように理性を失い、気分屋になる
愛情を求めているタイプ2が、突然タイプ8のように攻撃的・支配的になる
成功や目標に駆り立てられているタイプ3が、突然タイプ9のように無関心になり、物事に関わらなくなる
ツンとして打ち解けないタイプ4が、突然タイプ2のように人とベッタリ濃密に関わり、人間関係や他人にしがみつく
傍観者気質のタイプ5が、突然タイプ7のように活動過多になり、意識散漫で安易に何かに飛びつくようになる
忠実なタイプ6が、突然タイプ3のように競争意識が高まり、傲慢になったり差別的になる
あれもこれも楽しもうとするタイプ7が、突然タイプ1のように完璧主義で批判的な性格になる
自信に満ちたタイプ8が、突然タイプ5のように秘密主義的になり、自信をなくしたり物事を恐れるようになる
受動的でおっとりしたタイプ9が、突然タイプ6のように不安症になり、色々と心配したり悲観的になる

筆者:春眠ねむむ
X :@nemukedesiniso
threads:@shunmin.nemui

 

 

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