エニアグラムのタイプ5は非常に知的で物知りな印象が強いですが、そのイメージに忠実なのは、おそらく5w4よりも5w6の人たちでしょう。
おそらく純粋な意味での知識量やわかりやすい「頭のよさ」においては、このタイプの右に出るタイプは存在しないでしょう。
今回はそんな5w6について見ていきましょう。
知的分野の専門家
タイプ5は根源的に、自分が「無能で無力の役立たず」となってしまう事を恐れています。
5w6は5w4よりもその恐れが強く出やすく、そのため完全な趣味よりも「この事について知っておいて損はないだろう」という必要なことについて色々知ろうとする性格になりがちです。
そのため、科学、経営戦略、エンジニアリングなど、実用的で地に足のついた分野に興味を示しやすいです。
あるいは哲学や数学・社会学のような、わかりやすく知的な学術分野を趣味のように突き詰めていくこともありますね。
色々な要素(事実、歴史的背景、経験、理論等)をベースにあれこれ考えてロジックを組み立て、今起きている問題にコミットする。
人からの感謝でもなく上手くいくことでなく、問題そのものをどうするかというゲームを楽しみたがるのが、5w6という人たちなのかもしれません。

ガリ勉だったりわかりやすく理論派っぽい人たち、あるいはガチなオタクなんかも結構このタイプに多いですね
性格は基本的に知的で冷静、そして無口。感情表現控え目でおとなしい印象を受けます。
一見素っ気なく見えることもある5w6ですが、タイプ6の要素もあり、思いの外周りの物事に関心を持っています。
というのも、5w6は自分の内省よりも周囲の観察や起きている問題を眺めて色々考える方が好きなのです。
5w6の根底にあるのはやはり「有能である事を証明したい」という願い。
彼らは自分の知識を周囲に提示したり興味事のついでに関連知識も調べ回ったりして、「自分は役に立つんだ」と確信を得ようとします。
ですが自分の有能感を守るために「お前は間違っている」と反対意見を論破する事を第一に考えてしまい、結果として反対者を敵に回してしまう事が多いのも特徴のひとつです。
意外とタイプ6的な、「安心できないと気が済まない」という思いや安心欲求が結果的に危険を作るところも多いですね。

あとは……あれだ。参謀になりたい人たち。
頭が良くて頭脳を持ち前にみんなから認められる一方、自分の血は流さないタイプというか……
口で色々言うくせに自分じゃ動かないアウトサイダーも結構いる印象です
5w4との違い
共通点は多いですが、区別は案外つきやすいでしょうね。
と言うのも、ぶっちゃけ5w4は変人すぎるし、何なら内省大好きマンです。
5w6は5w4よりは外界とある程度関わろうとしますし、地に足がついています。
根底では5w4が「自分は能力がある」という前提がどこかにあったり、独立志向で世間と波長が合わなくてもむしろ「世間が合わせろ」とでも言いたげな傲慢さがあります。
一方5w6は意外と俗世間にはしっかり合わせてくれますし、何なら興味事も昨今の問題や流行にある程度合わせたものであることも多いです。
例えば現在でもコロナウィルスの話題は少なくありませんが、「コロナの経済的影響は」とか「そもそもコロナウィルスは何で具体的にどういう症状が引き起こされるのか」についてつぶさに研究したがるかもしれません。
他にもAI工学だとかバイオテクノロジーだとか、とにかく今後の世界でも全然使っていける知識を詰め込みたがります。
というか、このタイプはタイプ5要素とタイプ6要素が非常に強いですね。その辺からも、タイプ4要素にかなり引っ張られてる5w4との区別はつきやすいです。
6w5との違い
意外と区別がつかないのが、メインとウィングをひっくり返したこのタイプ。
というのも、どちらも基本方針が「知識を磨いて組織や世間に認めてもらう」だったり、あるいは理論派だったり問題意識が高かったりと、ぱっと見では近縁と言ってもいいくらい近しい人たちです。
それでも違いがあるとすれば、当人たちの興味の対象でしょうか。
6w5は5w6よりも現状の理念や思想、システムといったものに興味を示しがち。身も蓋もない言い方をするなら保守的です。
一方で5w6が興味を持っているのは、あくまで現段階で明らかになっている事実や問題、あるいは技術といった「モノ」ばかり。
タイプ6要素があるといっても、やはり5w6はタイプ5。「現状のシステムが崩壊したらどうしよう」「あの制度がなくなったらどうしよう」という不安をあまり抱える事がありませんし、権威に対しての見方もフラットです。
「秩序なんて壊れた方がいいんなら壊れていいんじゃない?」
とか、大体こんな感じで他人事であるケースが多いですね。
またどちらも意見が異なる人を敵視しやすい傾向がありますが、6w5が「敵だ!」「全部あいつのせいだ!」というように憎むのに対し、5w6は「程度が知れてる」「無知蒙昧」と馬鹿にしてこき下ろす事が多いのも特徴です。
やっぱりタイプ5
「タイプ6の素養がある」など色々言いましたが、やはり彼らもタイプ5……というより、一番タイプ5そのままの人に近いタイプなのではないでしょうか?
5w6ほど実用的な知識を多く詰め込んで、生き字引のように引き出しからポンポン出せるタイプはいません。
惜しむらくはタイプ5特有の引きこもり体質とタイプ6の心配性からなかなか行動に移せないところですが……実際「何でそれを知ってんの?」と言いたくなることまで調べ尽くしているので、いざというときに話を聞くと頼りになる人たちです。
馴れ合いは苦手なタイプなのであまりつつきまわすのも良くありませんが……個人的には、たまに意見を聞きたくなるタイプの1つですね。
筆者:春眠ねむむ
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