個人的には陰キャとか陽キャとかそういう枠組み自体、相対的なもので真面目に語るのもバカバカしいと思ってしまうタイプですが……まあ、今回の話題に限りその辺はどうでもよろしい。
ともあれ、陰キャとは何かと周囲から見下される存在。だからこそ、「脱却せねば」と強く思っている人も多い事でしょう。
つまり、陰キャとは悪いこと。恥ずべきこと。そんな価値観が、私の周りでも蔓延っています。
が、あえて言いましょう。陰キャだの何だのとケチをつけられても、マジで気にすることもありませんよ。
陰キャという言葉自体がそもそもレッテル
では、まず「陰キャがなぜ嫌われるのか」「なぜ陰キャが悪いことなのか」を話しておきましょう。
率直に言いましょう。陰キャというカテゴリ自体、単にキモいだのなんだのと別段特筆する理由も無く嫌いになった相手に貼り付けるためのレッテルだからです。
そもそも、人間はマトモな理由も無く、直観で人を嫌う生き物です。そういう風に出来ています。
人を嫌いなってしまうのは仕方ない。なので余計な理由を付け加えず、ただ「嫌い」で終わらせればいいんですが……
悲しいかな、世の中には一定数どころか大勢いるわけです。「理由も無く人を嫌いになるわけがない」とか「何となく嫌いでは自分が悪者みたいじゃないか」とか考えちゃう人が。
そういう人たちは、色々とそれっぽい後付けの理由を並べます。
特に「暗い」「キモい」「ジメジメしている」などなど……こういう「陰」とも言うべき要素は、昔から人にあまり好感を与えない要素として語られてきました。それっぽく「嫌い」という感情を正当化できそうですし、もっともらしい理由としては適切でしょう。
無論、嫌うに至る正当な理由があれば、そっちを理由付けとして優先するでしょう。
ですがそんな正当な理由が特に無い場合……不特定多数に当てはまりそうなのにそれっぽくて雰囲気的に説得力がありそうな言葉を選びます。
そういう「ふわっとして抽象的ながらも、なんか相手が悪いように思える雰囲気がある言葉」こそが、陰キャという属性に付随するものなのです。日本道徳的にもなんとなく悪とされてますしね。
私の周りでは、キモがられて嫌われる陰キャのほとんどがこんな感じですね。大概が、不当なイチャモンや言いがかりです。
有力者にキモがられればそいつはキモい
別に何もされてないけどキモいから排除。ウザいからいじめる。元来あってはならない事ですが、世の中ではよくあることです。
こういう時、決まって陽キャは被害に遭いません。大抵、潰されるのは味方の少ない陰キャです。
集団いじめの動機には、いくつかお決まりと言ってもいいパターンがあります。
- ストレスのはけ口に都合がよかったから
- 何かと理由をつけてヒーローごっこ
- カースト上位者の意向
この3つが、主な「集団で個人をいじめる動機」でしょう。前者2つは後で語るとして……今は3番目。「カースト上位者の意向」について考えてみましょう。
引っ込み思案で影響力の少ない「陰キャ」は、カースト上位にいる陽キャ……特に根が陰湿で権謀術数を駆使してトップに君臨するタイプの性格悪い陽キャにとっては、気兼ねなくぶん殴れる相手です。
「あいつキモくね?」「陰キャのくせに調子に乗ってる」。そんな陰険な上位者の鶴の一声が、盛大な集団いじめに発展することは珍しくありません。
馬鹿の語源の1節には、「権威者が鹿を『馬』と言い張り、周囲は『馬ですね』と同調する者が数多くいた」というようなものもあります。
つまりカースト上位者が白と言えば白、黒と言えば黒。上位者が個人的に気に食わない奴は、その意向次第ではもれなく陰キャということです。
私も小・中学生時代にいじめを受けていましたが、事の発端は席替えで隣同士になった女子(クラス1の美人)が「こんな奴の隣は嫌!」と泣き出したことでしたね……。
上位者の意向1つで「陰キャ」という都合のいい敵ができてしまう事もあるわけなので、それをいちいち気に病んでも仕方ないです。
変な奴は格好の的
付け加えるなら、「陰キャ」「キモい」のレッテルの的としては、何を考えてるのかわからなくて孤立気味の奴も都合がいいですね。
何と言っても孤立してれば味方なんていないしとにかく集団から浮くので、「変わり者=キモい」という図式を強引に当てはめるのは苦労しません。
みんな、自分の仲間や味方以外には興味がありません。誰からも見向きもされない人を指差して「あいつキモくね?」なんて突如言い出しても、その人の事をよくわかってない取り巻き連中は「確かにキモいかも」とか思っちゃうわけです。
なんせ情報ゼロのよくわからん相手を、自分たちの大事な仲間が「キモい」と言っちゃってるわけだから。
こうなれば、後はバイアスがかかった悪意的な評価をひたすらぶつけるだけの簡単なお仕事。「キモい」という先入観を植え付けられた以上、「キモい」ことを前提に相手を推し量ることしかできないわけです。
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