劣等機能は弱い機能。よってその影響が出るのは晩年になってからである。こう言えば、心理機能を知っている人の大半が信じるのではないでしょうか。
で、この言説が正しいのかどうかですが……正直に言えば、私はそうは思いません。
劣等機能は最初から息をしています。というより表にある四つの心理機能全てが、最初のうちから表に出やすい機能なのではないでしょうか。
今回はその中でも、INTPの劣等機能Feがどのように作用しているのかを考えてみたいと思います。
心理機能は強弱ではなく心の利き手
今回扱う心理機能は、主にTiおよびFeです。詳細は以下にまとめておりますので、一応目を通していただければと。
さて、まず確認しておきたいのが、「心理機能は別に強弱を表すものではない」という点です。
例えるならば、心の利き手。INTPの場合はTiが利き手、Feは利き手ではない手ですね。いや、利き手以前かもしれません。手ではなく足とかその辺の可能性すらありますね。

どっちみちうまく扱えたら苦労しねーんすよ。できないから制御できないんすよ
趣旨はちょっと違いますが……公式の認定講師の方がこんなことをおっしゃっていますね。
公式の講師の方がこれを言っている時点で、一定の説得力はあると思います。
利き手ではない。つまりうまく扱えない。
要は「弱い」ではなく「扱いが下手」というのが正解ですね。INTPのFeも、扱いが下手なだけで存在自体はしています。
利き手でない手を一切使わないわけではない
利き手ではないということは普段あまり使われないということですが、全く使わなければそれはそれで不自然です。
利き手ではないと言っても、「一切使わずに生きてくださいね」と言われればめちゃくちゃ不便ですね。周りの配慮や何かしらの補助がなければ、人としてまともに機能することはかなり難しくなるでしょう。
心も同じです。Tiばかりに頼っていると、社会的にやっていけません。なぜなら相当に冷たい人になるからです。
それだけではありませんね。感情機能を使って感情を出していかないと、いくらINTPといえども疲れてしまいますし人として不自然になってしまいます。
つまるところ、少なくとも利き手……つまり主機能Tiが疲れた時や片手でどうにもならない時にはFeが息をするわけで、嫌々であっても結局使わなければならないものなのです。

ぐぬぬぬ……!
まあ両手使わないとやれないことの方が多いですけど……実際そうなんですけどぉ!
当然、忌避感もあるでしょう。ですが使われているものは使われていますし、両手を使わなければやれないことなど世の中にはいくつもあります。
利き手以外の手も、重いものを持ち上げる時や料理をする時、その他片手ではできない作業をする時には普通に使われていますし、それと同じように、FeもTiだけでは捌ききれない時には普通に使われるわけです。
当然、重いものを持つ時に「さあ、右手だけでなく左手も使うぞ!」とわざわざ決意する人はまずいません。自然に両手を使っています。
劣等機能もこれと同じことが言えるわけで、使うべき時は自然と使っているものなのです。
INTPのFe
以上を踏まえた上でINTPのFeの話に立ち返りますが……Feが一番発現しやすい瞬間は、やはり思考機能だけではどうにもならない問題に直面した時でしょう。
例えば昆虫王が人間関係に困っていたとして、これを解決するために昆虫の知識を扱うのは完全に不適格です。
これと同じように、正常なINTPはTiでどうにもならない時にFeによる困難打破を狙う……といった感じですね。
当然、使い方は相当熟達しない限り不格好の極みでしょう。ですが、いくら不格好だからと言って「じゃあ使わないってことですね」とするのは暴論です。
例えばちょっと人に優しくしてみたり、感情的になってみたりなど……見ている限り、どうにもこういう形でFeが発露することが多そうです。
つまるところINTPは、理屈でうまくいかない時はアプローチを感情中心に変えたりムキになったり半ギレになったり優しくして懐柔を試みたりと、稚拙で脆弱なFeを扱うことで問題解決しようとするわけですね。
たまに「明らかにINTPっぽいけど感情的」というような人がいますが、そういう人たちは不格好なFeを使ったり振り回されたりしている人たちです。
意外と冷静なだけの効率厨というわけではないので、INTPを「感情がない物体」と解釈していると、実物を見た時に驚くか誤認を疑ってしまうことでしょう。
大コケする使い方
うまく使えないFeを無理やり使おうとすると、当然大コケすることがあります。
Feは人の気持ちになりきる機能。とすれば、INTPは人の気持ちになりきることが苦手と解釈することができます。
Feが死んでいないため、必要に応じて人に気配りを見せるでしょう。「この人は今何を欲しがっているだろうか?」と、慣れていない感情的思考を働かせようとすることもあるでしょう。
ですが、生来人の気持ちになることが大の苦手なINTPは、この感情機能の使い方で大失敗します。
簡単に言えば、ズレた方向への解釈ですね。
INTPは人の気持ちになりきることもやろうと思えばできますが、それが本当に正しい解釈かどうかは別問題。人の気持ちを理詰めで追求して大コケすることも多く、大抵の場合なりきりは失敗に終わるわけです。
T型は人間関係において不利な傾向がありますが、これはINTPも同じです。
むしろ人に優しくしようとすることも普通にあるため、余計失敗が目立つのです。
意外と感情的な人はいる
総じて理屈屋傾向が強いINTPですが、理屈っぽいと感情的は決して対義語ではありません。感情的な理屈屋も当然存在しており、情緒重視の人には「なんでこの理屈がわからないかなぁ!?」みたいにイライラする人も一定数います。
こういう人たちはINTPにあるまじき激情家であり、初見ではまず間違いなくEF型、つまり外向的な感情タイプでしょう。

オウ誰が感情的なINTPだコラ。
何ですか?喧嘩売ってんですか?
一方で、自信なさげで不安が多いINTPもいますね。
不安症なタイプは特にFeに引っ張られている印象が強いです。理詰めで色々考える一方人間関係などには不器用で、そんな不器用な自分に思い悩んでいたりもしますね。
一見INFPですが、彼らとの大きな違いは人間関係の器用さです。
INFPがわりかし器用にやっていったりあえて周囲と反目し合うのに対し、INTPは素で人間関係構築が下手です。
どれだけ友好的に人と関わろうとしても理屈が先行したりそんな自分を抑え込みすぎたりして、結果としてうまくいかないことがほとんどなのです。
どちらのタイプもFeが強いINTPであり、同時にその不格好さはFe優位タイプとは異質です。要するにFeに振り回されているタイプです。
冷静に見てみると理屈っぽかったり理性が優先されたりするのですが、不自然ながらに割と感情的だったり情緒的だったりするため、初見でT型と見抜くことは難しいかもしれませんね。
まとめ
INTPのFeはきちんと息をしていますし、何なら振り回されることも普通にあります。
利き手ではないということは起用に使えないということ。とすればINTPのFeは「使わない」ではなく「きちんとした使い方ができない」と解釈した方がしっくりくるでしょう。
決して冷たい人だけがINTPなのではなく、冷静な人が最多ながら、普通に感情的だったり思い悩むことが多かったりすることが多いです。
個人的には、少なくとも標準的なINTJとかよりは温かみがある人が多い印象ですね。Feがそもそも博愛に近い心理機能なので、案外誰にでもいい顔をするINTPとかもいます。
というわけで、今回はINTPのFeについてでした。
筆者:春眠ねむむ
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