「好きなことで生きていく」のに囚われると大概無理

自分の生き方
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「好きなことで生きていく」なんて。ちょっと前に結構流行った言葉ですよね。

この言葉に勇気づけられ、夢を追い、すべてを捨て、そして夢破れて「好きなこと」という言葉そのものを信じられず夢追い人を嫌いになる……そんな末路を辿った人も多いかと思われます。

実際、「好きなことで生きる」って難しいんですよね。かくいう私もまだまだ道半ば……というか、満足いく仕組みなど死ぬまで完成しないのでしょう。

さて、話が逸れましたが……私は「好きなことをやって生きていく」というのは自分の目標である反面、それだけで生きていくのはかなり難しいように感じています。

今回は、そういう話。

好きなことをお金に変える大変さ

まず初めにぶっちゃけます。好きなこと”だけ”で生きていくのって、実際かなり無理な話です。

というのも、好きなことを仕事にするにはまずそれをお金に変える力が必要。ここが大変なんです。

好きなことをお金に変換していくには、ある程度手順を踏む必要があります。そして、その手順がまた大変なんですよね。

ただ好きだからやる。好きなことを好きなようにやるだけでお金になる。

それができる人ならいいですが……実際は地道な下積みややりたくない工程が嫌でもちょくちょく入ってきます。

好きを仕事にすることはできますが、好きな作業だけをやって生きていくのは、実際に自分の才能や時代の流れがガッチリ噛み合わなければ不可能と言っていいでしょう。

ユーチューバーの実情

例えば「好きなこと」筆頭格であるユーチューバーを例に見ていきましょう。

彼らの大半はいつも楽しそうにゲームをやって騒ぎ立てて、それを動画にして配信するだけでお金を稼いで生きている。実にいい御身分ですね。

ですが、考えてみてください。実際に好きなゲームをただやるだけでお金になるのか?ただ無計画の考え無しに遊んでるだけの動画に需要があるのか?

私は実際に動画をアップロードしているわけではありませんが、YouTubeで食べていくための大まかな手順を調べたことはあります。

ゲーム実況に的を絞りますが、そもそもゲームやってる姿を人に好意的に観てもらわなきゃお金になりません。誰も知らないその辺の人が自分の好みや感想を思いつく限りボソボソ喋りながら無名のゲームをやっても、誰も関心を示してくれないのが実情です。

プレイするゲームから喋り方、喋る内容……どれも好き勝手やってるだけでは、よほどの天才で運にも恵まれない限り上手くいきません。

注目されそうなゲームを選び、聞き取りやすい声や楽しそうなテンションで、わかりやすさや面白さを追求しながらしゃべって遊ぶ。ゲーム動画を撮影するにも、求められるのはこんなスキルです。

そして、それが終われば今度は動画編集。数時間のプレイを十数分の上澄みだけ拾い上げ、字幕や効果音、果てはアニメーションやちょっとした茶番のような音声素材なんかも使って、いかにもそれっぽく仕上げなければなりません

当然、編集に手を抜くわけにはいきません。編集ひとつで大抵の動画は面白くなると言われていますが、当然編集が雑ならどれだけ面白い動画でも観たいと思えるものにはなりません。

さらには、観てもらうための広報も欠かせません。昨今では動画クリエーターなんて星の数ほどいるわけで……その中から名前を覚えてもらうには、やはり自分から大勢の人に売り込んでいくしか方法はありません。

SNS、掲示板、街角宣伝と、使える手段は何でも使い、とにかく少しでも注目を浴びるように工夫しなければなりません。

要するに、ユーチューバーはただ好きなゲームを毎日のように遊んで適当にアップしているわけではない。自分の手でいろいろやるのが前提条件になります。

数時間ゲームをプレイし、ただくっちゃべるだけでなく視聴者受けや自分のキャラ付けを考慮に入れたトークを行ったうえで、さらにそれを綺麗に楽しくまとめなければならないわけですね。

言ってしまえば、彼らはアイドルが自分たちをプロデュースするしマネージャーやディレクターも全部1人で兼任しているようなものです。

撮影→編集→広報と、ただゲームしたり好き勝手遊びまわるだけでも最低3人分の仕事をこなさなければなりません。しかも自営業だから確定申告もあるしで、やることばっかですね。

この流れはユーチューバーに限った話ですが、他のことでも大体アホほど長い道を一人で歩んでいかなければなりません。

「好きなことで生きる」というのは、人から見える部分の何十倍という地道な作業を重ね、長い時間をドブに捨ててようやく実現するものなのですね。

仕事ひとつにしても、それに関係するすべてが好きじゃないと必ずどこかで嫌なことやしんどいことが入り込んできてしまいます。

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本当に好きじゃなきゃ地獄……

さて、今回の本題を回収しましょう。見出しにある通りです。「掛け値なしで好きなことでもない限り、「好きなことで生きる」は地獄の入り口になりかねない

もしあなたが「好きなことで生きてます」という人の存在を死んでも許せないというのならまあそれはそれで問題ですが、彼らを見て「よーし自分も」と一念発起することがあるなら……しばしお待ちを。

例えば今後俗にいうネットビジネスのような「好きなことで生きる」のテンプレみたいなもので食べていこうという人がいるなら、思い切った行動に移る前に考えてみてください。

今あなたがやろうとしていることは、「どんな苦難が待っていても是非やりたい」と思えるものですか?

「どうかわからない」というのであれば、まずは頭の中に自分なりのサクセスストーリーを描いてみてください。

お金を稼ぐまでの道のり

何がともあれ、まず重要なのはお金までの道のりを知るのが大事ですね。実際に好きなことをして、それがどういう形で自分のお金になっていくのか。

世の中はギブ&テイク。お金は相応の価値あるものに対して支払われますし、そうでないならもはやお金の概念は必要なくなってしまいます。

好きなことで生きる上で知っておいていただきたいのは、自分が社会や人に「好き」を通じてどんなメリットを提供して、どういう形でお金を受け取るのかです。

好きなことを仕事に自由に生きる以上、誰もあなたに仕事をくれる人はいません。自分で「好き」を「お金」に変換していく筋道を立てて、その筋道をつなげるための作業をやっていかなければなりません。

バイトを雇うにしても、作業と目的を明確にして指示をしなければ、「とにかく自分で考えろ」で本当に満足いくように動いてくれる人はまずいません。

自分の頭でどうすればお客さんに喜んでもらえるのか考え、自分のやりたいことと合致したお客さんやそんな人たちを満足させる方法を自分の足で探さなければならないのです。

そのためには、お金を稼ぐまでの道のりについて知っておいて損はありません。自分のやりたいことがどういう人にどんなメリットを与えるのか考えなければ、お金を稼ぐ筋道は立たないですからね。

とはいえ世の中は理不尽

さて、ちょい脱線。

世の中はギブ&テイクと先ほどは言いましたが、それがまかり通らない人も世の中には大勢います。

やはり人はみんな、お金は極力使いたくないですからね。「いいものを安値で購入したい」という欲望の延長線上として、「できればタダで」とか思っちゃう人も大勢いるわけです。

例えばイラストレーターの仕事は、たまに「デジタル画は材料費がかからないからタダで絵を描け」と言われることも多いそうな。

当然、彼らも人間。絵を四次元ポケットから即座に出して提供しているわけではありません。その絵を描くために何時間も作業してるわけですし、そんな絵を描けるようになるまでには何千時間もの下積み時代が存在します。

かくいう私も手相占いの資格を取得していますが、やはり所詮は宴会芸だ何だとケチをつけて「一銭も払わないけどとにかくとことん詳細まで占え」という輩も少なくありません。

ちょっとがめついようですが……何でもタダで安請け負いしていては自分がどこまでも損をしますし、自分が売りにしようとしている知識や技術の価値が下がります。

どこまでがタダでもOKでどこからが有料か、そして脅してでもタダで作業させようという輩に依頼を受けたときにどう対処するのかを決めておく。

これもある意味、好きを売り物にする人なら避けて通れない宿命ですね。

失敗も視野に入れよう

なんだかんだ言いつつ、結局初めての試みはほぼほぼ失敗します。

「やるからには1発で成功しないと!」などと意気込んでみても、世の中初見でも確実に成功するほど甘くはありません。それができる人は、最高に神に愛された「選ばれた人間」だけです。

大概失敗します、マジで。

てなわけで、もしも何かしら行動に移すのであれば、失敗してしまうことも視野に入れましょう。

「最初で最後の大勝負」なんてのは分が悪すぎます。失敗して失敗して、いい加減嫌になったあたりでようやく大当たり……というのが、ほとんどの成功者の実態です。

失敗を見越しての心構えは、挑戦する上での超重要課題

一度失敗してそのまま心が折れてしまってはもったいないですし、たった1度の失敗が致命的なダメージになってもよろしくありません。

そのため、失敗を視野に入れた上での挑戦が何より一番大事です。

とはいえ、そこまで真剣に考える必要もありません。

完全に住む家をなくして路上生活にでも追い込まれない限り、人生は案外どうにかなります。リスクヘッジはしっかり行ったうえで、実際に行動するときが来たら最低限の保証以外は頭の隅に追いやりましょう。

例えば、失敗して職を失うと大変だから、今の仕事を続けながら副業として手を出してみるとか……万一について考えるのはそのくらいでいいです。

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なんだかんだ言いつつ好きに生きるのはいいと思う

「好きを仕事に生きる」。馬鹿正直に信じちゃうと地獄を見る言葉ですが……個人的にはまあまあいい言葉だとは思います。ガツンと来るほどの衝撃はありませんが。

実際、やりたいことを封印して、人から与えられただけ役目に集中したところで、それで幸運が回ってくるかは別問題。むしろ全部捨てて尽くした相手に捨てられて痛い目を見る人も、世の中を見れば少なくありません。

人生それ1筋とまではいかないまでも、やはりやりたいことがあるだけで人生も張り合いが出ます。

挑戦してみたいことがあったら、とりあえず自分か困らない程度にやってみる。私個人としては、最低限の保証と仕組みを理解さえすれば、あとは迷わずやりたいことをやる方がいいと思いますよ。

やって失敗するよりも、やらずに失敗する方が後悔は大きい。そんなことを言ってるおっさんもたまにいますが、夢を餌に金だけ奪い取る詐欺師とか「夢なんて卒業すべきだ恥ずかしい!」なんて罵倒するしか能の無い輩よりは良い事言ってますよ。間違いなく。

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