そんなぼやきを発信したい。春眠ねむむです。
たまに「自分は健全なステージに上がった」「今レベル2くらいにいる」みたいな人がいますが、正直、そういうことを言う人に健全な人はいないと思うのです。
まあぼやきはほどほどにしておきましょう。
今回は自称健全な人を嘲笑健全とは何なのかということと、その難しさについて考えていこうと思います。
エニアグラムにおける健全とは
エニアグラムにおける健全な状態とは、簡単に言えば「魂のステージが上がった状態」です。
もっと言いましょう。囚われや根源的恐れを手放し、より高次元に、より解放された状態で生きていられる状態を指します。
端的に言いましょう。囚われや根源的欲求が見えるようでは、健全な状態とは言えません。
健全な状態とはすなわち自分を捨てることと同義。自分が信条としているものを壊し、自分が恐れている姿やそうならないように気をつけていることを一切合切破壊し、その上で綺麗な魂を保っている状態と言っても過言ではないのです。
健全な状態とは半ば狂気のようなものを乗り越えた先にある。そのことはしっかりと意識しなければなりません。

偉そうに健全の定義について語っていますが、こいつ健全になったことは一度もないですからね。どの口が言ってんだどの口が……
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健全になることの難しさ
健全になることは難しい。これは冒頭でも述べた通りです。
まず、エニアグラムにおいて性格は健全性を阻害する要素です。
リソは性格の存在を認めつつも、そのありようを「成長を阻害しうるもの」ともしています。
「性格は絶対になくならない」と言いつつも、「性格に飲まれると健全性を失っていく」という旨の記述も見られます。
この辺り気になる方はエニアグラムの基礎編を見ていただくとして……
話を戻しましょう。
健全な状態を目指すにあたって、まず何よりも自分の性格との向き合い方が大事になります。
性格に乗っ取られるでもダメ。殺すでもダメ。性格というじゃじゃ馬を見事に乗りこなし、自分のものにしていくことが求められるのです。
そのためには、性格を暴発させるような囚われや、そのもととなった根源的恐れや根源的欲求をうまいこと処理する必要に駆られます。
それらを否定することなく、しかし囚われに乗っ取られることなくしっかりと別れを告げ、後天的な性格ではなく本質とも言える部分と繋がり、統合を果たすと……。
何だかスピってきましたね。
ですが、自分の性格を知るだけ、ただ押さえ込もうとするだけ、そして何より統合先を真似るだけではダメです。
ましてや囚われが命ずるがままに動きながら「自分は健全」と念仏を唱えるのでは論外です。
統合とは、健全とは、すなわち性格を超えた高次元なものとの繋がり。
なんだか混乱しそうな概念ですが、とりあえずそれだけ難しいということですね。
健全な状態の維持も大変
無事に健全なステージに乗ったとしても、今度は維持コストも馬鹿になりません。
性格は自分の人生の教訓の詰め合わせという側面も持っています。とすれば、健全な状態にあっても「こうしなければ」と通常段階へ誘導しようとすることもしばしばあるのです。
「本当はこうでなければならないのか?」「こうしなければ自分は危険なのではないか?」「こっちの方が自分の目的達成に適した道なのではないだろうか?」
こんな具合に、健全な状態から引き摺り下ろすための誘惑はかず多く存在します。健全な状態を保つということは、それらの不安とどう向き合うかを考えることでもあります。
各タイプの注意信号
おあつらえ向きに、エニアグラム基礎編には「目覚めの注意信号」なる項目も存在しています。ちょっと抜粋・意訳してみましょう。
タイプ1 | 「全部自分で解決しなければ」という責任感 |
タイプ2 | 「相手と仲良くなるために積極的に人と会わなければ」という焦りや確信 |
タイプ3 | 地位や信頼のために自分をせき立てるような気持ち |
タイプ4 | 自分の気持ちへの執着 |
タイプ5 | 現実から概念・知的世界といった脳内への逃避 |
タイプ6 | 自分の外にあるものに導きを求める依存 |
タイプ7 | 「もっといいものが他の場所にあるはず」という気持ち |
タイプ8 | 「何かをするには戦わなければならない」という確信 |
タイプ9 | 表面上は人に合わせておこうという誘惑 |
どのタイプも、やはり幼少期に得た教訓が根強く残っています。そういう教訓が健全な自分に対し「本当にこれでいいのか?」と疑問を投げかけてくるわけですね。
その疑問は紛れもない本音です。「そうしなければならない」という強い義務感でもあり、「こうした方がいいよ」という誘惑でもあります。
ねぜ本心からそのような気持ちが湧いてくるのかというと、やはり幼少期に感じ取った教訓だからというのが大きいでしょう。
幼い時は誰でも過敏なくらいに敏感です。だからこそ色々なものを吸収し、そして非常に強い影響を受け、吸収したものに対応する方法が強く染み付いていくのです。
この染み付いた癖や対処法が性格であり、ひいては囚われとなって現れる……というのがエニアグラムの基本骨子ですね。
統合・健全化とはその基本骨子と向き合い、解体し、性格の裏にある本質と結びつくことを指すのでしょう。
その状態をずっと維持するわけなので、当然維持コストも大きなものになるというわけです。
まとめ
というわけで、今回は「健全になるというのは難しいですよ」というぼやきでした。ちょっとおっさん臭かったでしょうか?
ともあれ、健全化は下手に目指すものではない。心の準備と健康をしっかりと整えてから、万全の状態で目指した方がいい。このことが伝わったなら嬉しいです。
今回はここまでですね。他にも色々とエニアグラムについて語っていますので、興味がおありでしたらいくつか見てやってくださると嬉しいです!
筆者:春眠ねむむ
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threads:@shunmin.nemui
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