こちら普通の解説記事になります。毒まみれの記事を用意してありますので、「毒薬の方が体にいい」という変態的な方はそちらをご覧いただければと。
タイプ8。別名「挑戦する人」。根っからのパワータイプであり、その先に狙ったものがあればどんなことにも挑戦する。そんな姿を見せる人たちですね。
力、強さ、影響圏と、様々なものを欲しがる傾向があり、相手が目上でも強者でも臆せず言うことを言い、弱者に強く出ることはあっても強者に媚を売ることはまずあり得ない。そんなタイプです。
タイプ8の特徴
挑戦する人。つまり物事に挑む人というわけですが、実際このタイプは尻込みというものを嫌います。
欲しいものがあれば遠慮なく手に入れようとするし、やってみたいことがあればとりあえずやる。典型的なワンマン社長タイプです。
基本的に単純なタイプであり、できるできないよりも「やるかやらないか」の世界に生きています。
できないならやれる方法を探しますし、やる方法を見つけると躊躇なく実行する。そんな感じに、完全にパワータイプな生き方をしているのが特徴ですね。
自分の力を試したり信じたりしつつ、困難な状況でも泰然と戦う方法を探す。そんな人たちです。
性格
タイプ8の予測の中には敗北の文字はありません。あったとしても「一時撤退」が関の山でしょう。
先述の通り、できないことをやりたいと思ったら、何とかやるための方法を探そうとする人たちです。基本的に諦め知らずですね。
その不屈の精神で様々なことに挑み、達成し、手に入れていく。そんなパワータイプです。
ここまで聞くと脳筋のような人たちですが、必ずしもそうとは言い切れません。とりあえず動く。そしてその後は「どうすればいいか」を常に考え、活路を見出しながら動いている人たちですね。
猪突猛進という言葉がありますが、実際の猪は突撃しながらも攻撃の仕方を考えています。あれと同じような感じですね。
タイプ8は行動こそ猪突猛進な人が多いですが、実際は無謀なことを無謀な方法でするのではなく、同じ無謀なことをするでも様々な考えを巡らせながら行なっているのです。

猪突猛進+意外と考えてる=やべー奴=敵に回しちゃいけない。
敵視されるとタダですまないケースも多々あります
割と手段は選ばない?
タイプ8は何にでも挑戦する人が多いタイプですが、見渡してみると思考停止の正面突撃をしている人が意外と少ないように思われます。
どんな手を使ってでも目的を達成しよう、活路を見出そうと考えているタイプのようにも思えますね。
基本的に人に頭を下げませんが、どうしてもやむを得ない場合は面従腹背も視野に入ります。
ただし、タダで頭を下げるわけではありません。タイプ8が人に頭を下げる対象は、タイプ8が課す極端に高い尊敬のハードルを超えた存在か何かしらのメリットをもたらす存在だけです。
タイプ8をよく知っている方からすると「本当に頭を下げるの?」と疑問を持つ方も多いかと思いますが、条件やリターン次第では意外と下げます。
目的のものを手に入れるためならば、その手法が嫌なものでない限りは、思いつく限り最も効率がいい方法を選ぶ。そんな側面がタイプ8にはあります。
高いプライド
プライドの高さも特徴ですね。別に気位とかではないのですが、単純に自分の実力を高めに見積もったり、ナメた態度を取った相手を覚えていたり仕返しはしないまでもそいつの頼みだけは露骨に手を抜いたりと、自尊心の高さが見受けられます。
自尊心の高さがプライドになり、そのプライドが「何でもできる」という希望的観測になり、その希望的観測を実現するためにあれこれと手段を講じる。そんな人たちですね。
その自尊心がいい方向に出るとプロ意識や勇敢さにつながることもありますが、悪さをすると頑迷で周りにケチをつけて回る人になることも……。
とにかく、自分の力を信じるタイプ。そして自分にできることを常に探すタイプ。そんな感じです。
恐れと欲求
恐れ
→支配されること、傷つけられること
欲求
→自分自身を守りたい
タイプ8にとって、世界とは弱肉強食。強者が弱者を虐げ喰らう、まさに自然の摂理を絵に描いたような世界です。
そのため、タイプ8は必然的に弱者の身に落ちることを嫌い、できる限り強者の立場に身を置こうとします。
タイプ8の多くはより強い力を手に入れたいと望みますが、あればあるほど身の安全を確保できるから、もっと言えば支配されて虐げられることのない環境を作ってくれるからこそ力を欲するのです。
例えば喧嘩の強さや膂力の他に、権力、影響力、財力などなど……欲する力はいろいろですね。
「力を欲していないよ」というタイプ8でも、ソーシャルな場で発言できなかったことを気にしたり貧乏を「何も買えない」と嘆いたりなど、力を欲していそうな言動をたまにとります。
みんな「貧乏で何も買えなくて嫌」となるのは一緒ですが、タイプ8の「嫌」は明らかにレベルが違います。
叶わず嘆くのは見栄でもない。ささやかな願いでもない。大望です。
タイプ8は「何者にも支配されない世界」を望み、その望みの対象は人や環境だけでなく、お金、概念、時間と多岐にわたります。
その何者にも支配されない環境こそが「何でもできる・何でも買える」であり、何も買えない貧困やソーシャルな場で影響力のない雑魚になり下がることは、「支配される」というタイプ8の恐れを増幅させるトリガーとなるわけですね。
繊細さを隠す
タイプ8は「傷つきたくない」という欲求を持っていますが、それらの多くは傷つきやすい繊細な心を持っていることが要因となるでしょう。
この記事を読んでいるタイプ8の方は、おそらく「そんなことはない」と否定的な気持ちを抱かれたことでしょう。
タイプ8の多くは、心の傷や傷つきやすい一面を自分からも他人からも隠します。つまり、感じないようにします。
見て見ぬ振りのさらに上、「なかったことにする」ですね。
本当は誰よりも繊細なのに、外殻は誰よりもタフで頑丈です。たまに自分の悲しみや苦しみを自覚する人もいますが、自分が繊細であることに対しては実感が湧かなかったり頑なに否定したりするでしょう。少なくとも人前で傷ついた様子を見せません。
傷は付け込むための隙になるので晒さない。多感さは支配する足がかりになることもあるので見せない。
タイプ8の自衛は基本徹底しています。絶対に弱い部分を公共の場で見せません。見せたとしてもやらかしの類でしょう。

やれやれ、素直になれないのも困りものですね。
…………どうしてこっちを見るんですか?
「欲望」に囚われる
7つの大罪における色欲、にしても随分と意味合いが変わりすぎですが……タイプ8の囚われは欲望とされています。
言葉だけを見るとタイプ7の「貪欲」と似通っていますが、意味合いはまるで違います。
タイプ8の欲望とは、「思うがままの世界」。つまり何者にも支配されない世界ですね。
つまり、自由への欲望。それが転じて、力に対する欲望、領土に対する欲望、お金に対する欲望……様々な欲望へとつながっていきます。
タイプ8にとって世界は弱肉強食。強者が何でも自由に扱える世界です。
「強者になれば自由になれる」
タイプ8は自由になるための手段として、様々な欲を見せるのです。
スリルと試し行為
タイプ8はしばしば試し行為のような行動をとります。
試し行為と言っても、他人に対してではありません。自分に対してです。
正式には、自分の力の限界を試します。今の自分がどこまでできるかを測り、「自分はここまでできる」という実感を得たいのです。
その結果として、タイプ8はかなり精力的に動くでしょう。仕事も遊びも徹底的に詰め込んで、不健全になればなるほど不健康な生活を送り続けるでしょう。
自己万能感を得るための際たる方法が、スリルですね。いわゆる危険行為です。
危険行為と言っても、違法なものやマナーに反するものばかりではありません。
例えばジムで限界スレスレの重さのバーベルを特に理由もなく持ち上げようとするかもしれませんし、狭い崖道を極力速く運転することでアドレナリンを放出することもあるかもしれません。
もっとも、あまり度を越した無茶をすることはないのですが……それでも、自然と何かしらスリリングなことをしている人も多いのです。
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タイプ8の囚われ:欲望
ストレス時はタイプ5に
タイプ8がストレスを強く感じると、不健全気味のタイプ5のような特徴が顔を出します。
普段の精力的な姿が鳴りをひそめ、ひたすら自分の中に閉じこもって外に出ることを避けるようになります。
端的に言えば、自閉ですね。閉鎖的な空間で自分一人になることを好み、外部の刺激をシャットアウト。外界への興味を急速に失うでしょう。
自分と数少ない本当に好きなことと、必要最低限の物。これだけが、タイプ8を取り巻く世界に残ります。
チャレンジ精神もおおいに失うでしょう。完全な巣篭もり。自分がいる世界から飛び立つつもりも気力もなく、ほぼ活動せずにひたすら時間を空費するかもしれません。
精神が成長するとタイプ2に向かう
逆に心が安定し成長してくると、タイプ8はタイプ2のような姿を見せることが増えていきます。
これはでは自分の身を守ることで手一杯だったタイプ8が、他の人たちへの無条件の労りを見せるようになるわけですね。
無限の愛情……まではいかないまでも、これまで条件付きだったり腹に一物抱えた状態でしか見せなかった外界への労りを、外部へと解放するようになっていくでしょう。
「人は信用ならない」
これはタイプ8の鉄則とも言える思想ですが、その思想が解け、他者に信頼を寄せ、特に気を許した相手の前では胸の内や正直な実感を赤裸々に打ち明けるようになっていきます。
もともとチャレンジ精神と精力に満ち溢れたタイプ8ですが、そこに慈悲や他者への信頼が加わることでしょう。
書籍では「英雄的存在」とすら書かれていますね。
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タイプ8の統合・退行
ウィング
エニアグラムには、隣り合うタイプと影響しあって特定の側面が強くなるという「ウィング」なる概念が存在しています。タイプ8の場合、ウィングは7と9ですね。
タイプ8ウィング7(8w7):独立した人
このウィングは、特にパワフルで精力的な側面が目立ちます。言わば「攻めのタイプ8」ですね。
欲望の囚われが表出化しやすく、様々なものを欲しがり、そのために障害に挑みます。
最もわかりやすいタイプ8ですね。多くの人はかなりの活動家で欲しいものを昼夜問わず追い求めており、その先に目的があれば混沌だろうと地獄だろうと最後には必ず足を踏み入れます。
一方「独立した人」という言葉が示す通り、何かと一匹狼的な孤高、下手をすると孤独な人にもなりますね。当人たちは目的の追求に忙しく、ほとんど孤独を気にしないでしょうが。
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タイプ8ウィング7(8w7):独立した人
タイプ8ウィング9(8w9):クマさん
この組み合わせは、8w7とは異なり「守りのタイプ8」と言ってもいいかもしれません。
「鉄の拳にビロードの手袋」と表現している書籍もあり、基本的にタイプ8の中では穏やか。それでも内面はやはりタイプ8らしく、かなり豪胆、下手をすると頑迷で強情な人です。
表面上穏やかでゆったり構えている人か、静かなのに頑固で剛直な人か、私が見た限りではこの2種類の人が存在していますね。
クマさんなどと可愛らしい名前が当て振られていますが、どう表記しようが熊は熊です。
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タイプ8ウィング9(8w9):クマさん
まとめ
タイプ8は非常に豪気な人となりで、自分を信じてあらゆることに挑むタイプです。
その囚われは欲望。つまり自分の欲を満たすこと、目的を果たせることであれば何にでも取り組み、仮に今取り組むのが無理でも何とかして取り組む方法を模索します。
人一倍繊細な心を持っていますが、そんなものは封印し、ただひたすらに己の道を行くタイプ8。
その性格を怖がる人は多いですが、同時に一種のカリスマ性もありますね。
その性質に打算のない優しさを加えることができれば、タイプ8は英雄たりえるのかもしれません。
筆者:春眠ねむむ
X :@nemukedesiniso
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