こちら普通の解説記事になります。劇毒が欲しい方は、以下をご覧くださいませ。
タイプ6は、リソ曰く「忠実な人」とのこと。ですが同時に「説明することが難しい」とも語っており、実際かなり複雑なタイプと言えるでしょう。
一応忠実な人という二つ名には理由があって、常に「自分の拠り所に忠実に動く」という特徴を持っているのが所以ですね。
タイプ6の特徴
このタイプの最大の特徴は「不安」ですね。
タイプ6は、常に何かしらの不安にさらされています。「あの時はどうしよう」「こういうケースに陥ったらどうすれば……」と、もしかすると何かに怯えるような様子を見せるかもしれません。
当然あらゆる不安に対して対応策を練る必要があるのですが……その方法は反発、対策、現実逃避等、人によって様々です。
ただ一概に言えるのは、不安と恐怖に合わせて行動すること。行動の主軸は不安にあります。
性格
タイプ6の性格は、大きく分けて2つに分類されます。
・強い不安に怯えるタイプ
・勇敢で不安に反発するタイプ
先述しましたが、タイプ6の不安に対する反応は様々。ですがその不安に対する対応を大別すると、安心できる方法や場所を探すか、あるいは不安自体と戦おうとするかの二択になります。
無論、タイプ6の性格がキッパリと分かれるわけではありません。多くの場合、ある時は怯えてある時は戦ってと、2つの顔を無意識に使い分けます。
不安に対応できると思えば勇敢に戦い、無理だと思えば怯え、逃げ惑うかもしれません。
この不安から逃れるために、タイプ6は不安から逃げたり戦ったりを繰り返すわけですね。
重大な決断を避ける
タイプ6は非常に多くのことを考えるタイプです。ですが、いろいろ考えるからこそネガティブな予測も多く出てきます。
選択肢Aをとれば大きな不安やリスクが残り、かといって選択肢Bをとっても別の不安やリスクが残り……こんな具合に、常にリスクと不安要素について考え、洗い出しているのです。
そういった経緯があるため、彼らはしばしば優柔不断に陥ります。あらゆることにリスクが生じるため、何を選んでいいかわからなくなるのです。
結果、タイプ6は「決断しない」という第三の選択肢を採用することも多々あります。
決断しなければ、とりあえず決断することによるリスクを避けることができるでしょう。
タイプ6は不安を強く持っているタイプであり、その不安を生じさせるリスクを恐れます。そのため、決断を放棄して現状維持を続けてしまうことも少なくありません。
信じるものに忠実に
タイプ6は、不安と戦うために外的な要素を拠り所にするという特徴も併せ持っています。
例えば人であったり、信念であったり、あるいはシステム、マニュアル、権威、肩書き……様々なものに自身を委ね、時に信頼し時に依存しながら不安と戦っていきます。

最たる例は、「あの人が言うんだから間違いない」。暗中模索の不安に直面しないための思考停止ですね
自分が信じるものを信念に変え、信じ抜く。そんな感じの人たちです。
あらゆる組織もシステムも、誰かの忠実さと忠誠なくしては意味を持ち得ません。タイプ6は、こういう「組織やシステムに価値を持たせる」という役割を担っているのです。
タイプ6の恐れと求めるもの
恐れ
→支えや導きを持たないこと
欲求
→安全でありたい
タイプ6が最も恐れることは、自分が頼りにしている指標も何もなしに世界の真ん中に放り込まれること。早い話が孤立無援ですね。
タイプ6にとって、寄る辺のない世界は恐ろしくおぞましいものです。
そのため、タイプ6は頼りになり導いてくれるものを探し求めます。
そしてその頼るべき寄る辺を見つけたとき、タイプ6は文字通り忠実な人となるのです。
自身の寄る辺が常に正しく、常に強固で、常に頼れるものであってほしい。そう強く思い、それを実現するためにあらゆる手を尽くし、支えていきます。
タイプ6は、その多くが不安の中にいます。
その不安を払拭するため、打倒するために「正しい」と思えるものを見つけ、それらに忠実な選択をし、忠義を尽くすわけですね。
安全への強い欲求
タイプ6は無意識下で世界を危険なものと捉えており、その世界から身を守るために安全なシェルターを探しています。
そのシェルターこそが、頼れる寄る辺というわけですね。
「安全でありたい」
支えるものも導いてくれるものおらず、常に危険にさらされ続けることを避けるために、このような欲求を持つに至ったのです。
タイプ6は、自分にとって一番安全であったり一番不安を払拭してくれるものを見つけ、それに忠実に尽くします。
権力者であったり、特定の思想や信念であったり、宗教であったり、頼れる仲間であったり……タイプ6がシェルターとして選ぶものは多岐に渡ります。
ですが一概に、不安を払拭してくれるものには一途で忠実になるという点が挙げられます。
不安が強いからこそ、守りたい大事なものができる。そういう人たちなのです。
恐れに囚われる
タイプ6は不安や恐れから逃れるために、自身にとってのシェルター・導いてくれる存在を欲します。
とすれば、必然的に囚われは「恐れ」となります。
タイプ6は、常に内外の恐れや不安と戦っています。
「自分が失敗したらどうしよう」「人に敵視されたらどうしよう」「シェルターが破壊されたらどうしよう」等々……。
タイプ6の不安は尽きません。
そのため、時に不安から逃れたり、時として不安に逆行するように立ち向かったりすることで恐れに対応します。

特に「仲間から見捨てられたらどうしよう」みたいに、周辺環境に対する恐れが強いようです。
仲間を大切にしたり反対意見と敵視を混同したりする日本人が多いのもこのためですね
常に恐れをどうにかしようとし、「安全だ」と思える場所を探し求める。不安と恐怖が肥大化しがちな傾向を見れば、これは自然な行動と言えるでしょう。
シェルターに対しても不安を持つことがある
一方で、タイプ6は「自分が安全だと思っているシェルターが実は安全でなかったらどうしよう」と、このように考えていることも少なくありません。
この不安が増大した場合、タイプ6がとる行動は主に2つ。
- シェルターの安全性や強度を試す
- シェルターの安全性を強固に主張する
まず、強度を試してみる方法。これは自分が信じる存在に疑念を投げかけ、その疑念への対応次第で今後を決める方法。
この場合、タイプ6はすでに自身の信じるものが信じるに値しない=敵対したり自分を守ってくれない可能性を視野に入れています。
もともと不安からのシェルターを欲するのがタイプ6の基本心理。ひとたびシェルターが機能しない可能性を考えてしまえば、疑念を投げかけるのも無理からぬ話でしょう。
一方で、自身が信じるものが絶対だと主張を強めるケースも存在します。
この心理は、疑念を打ち消すために発生するものですね。
「疑念なんてなかった。絶対的に安全だった」。そう言い聞かせ、自分を安心させるわけです。
もっとも、シェルターの安全性を強く疑い始めた時点で健全な状態とは言えないでしょう。
ですが、このようなタイプ6が一定数いる、そしてタイプ6の基本心理を考えるとこうなってしまっても仕方ないのもまた事実です。
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タイプ6の囚われ「恐れ」について
ストレス下ではタイプ3に向かう
タイプ6がストレスを感じると、タイプ3の悪い面に似た特徴が浮上してきます。
何かに駆り立てられるかのように自分をアピールし、権威や信じる存在にどこまでも忠実に尽くすという仮面を被ります。
信じるものに認められるために自分自身を好ましい姿に変え、その寵愛を得ようとする。
その姿は、健全ではないタイプ3が承認欲求にとりつかれたかのようにも見えます。
タイプ6は恐れや不安を強く覚えやすく、その恐れに対抗するための支えや導きを求めます。
ですが「支えや導きが機能してくれない」という可能性を感じると、それが強いストレスとなるのです。
そのストレスが、タイプ3のような権威や信頼するものに対する承認欲求という形で噴出するわけですね。
また、もしかすると信頼するものと相容れない存在を攻撃することもあるかもしれません。
これもまた、信頼している存在に認められるための行動。敵と思しき存在に攻撃を加えることによって、自分の存在を信頼対象にアピールしているのです。
精神が成長するとタイプ9へ向かう
タイプ9は、楽観的でリラックスしており、いつも平常心を保っていられるタイプです。
精神的な成長を遂げ健全と化したタイプ6は、タイプ9の平常心の特性を見せはじめます。
無論、タイプ9の通常段階である頑なな平常へのしがみつきではありません。
タイプ9のよい資質がしっかりと機能し、危険をしっかり認めつつも冷静に対応策を講じ、「大抵はどうにかなる」と気楽に構えることを覚えるわけですね。
恐れや不安というレンズを外して世界を見ることは、タイプ6にとっては危険なことのように思えます。
ですが現実をありのまま見て「そこまで悲観することではない」と感じるようになれたとき、タイプ6はリラックスして、あながち「恐ろしいもの」でもない現実を渡り歩くことができるようになるでしょう。
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タイプ6の退行(分裂)・統合
ウィング
エニアグラムには、ウィングという概念が存在します。この概念は基本タイプが隣り合うタイプと融合し混ざり合うというものであり、タイプ6ならばタイプ5とタイプ7が融合先になります。
タイプ6ウィング5(6w5):守る人
このウィングのタイプ6は、もう一つと比べて「冷静な仕事人」といったイメージが強く出やすいタイプです。
信念、権威、仲間、友……信じるものは人によって様々ですが、信頼するものを中心とした党派を作り、それらに忠実に動くことが多い人たちです。
要するに、信じたものや掟をしっかりと守る人たちですね。やや頭が硬い人もいますが、そのディフェンス能力と忠実さには多くの人が驚かされます。
総じて、いい意味でも悪い意味でも、タイプ6の「忠実な人」を体現するウィング。非常に忠実に動いてくれるので、上からすると扱いやすくて助かる人たちです。
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タイプ6ウィング5(6w5):守る人
タイプ6ウィング7(6w7):良き友
タイプ7の楽観性が加わることにより、非常に明るく友好的な性格を形成することが多いタイプです。
もうひとつのウィングが掟や組織に忠実であるとすれば、こちらは友情に忠実なタイプと言えるでしょうか。友情や絆を軸に世の中を渡り、周囲の調整役や緩和剤として集団に貢献します。
早い話が、絆ありきなタイプですね。深い絆や仲間を求め、人の心に寄り添い、着実に仲間を増やしていきます。
もっとも、不安を感じたくないあまり友情という綺麗なものに逃げることもありますが……それでも、その仲間意識は本物。友人のために命すら投げ出すタイプといえば、まずはこの人たちを挙げていいかもしれません。
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タイプ6ウィング7(6w7):良き友
まとめ
不安が強い。だからこそ不安に立ち向かう手段を求める。タイプ6を言い表すなら、こんな感じの人たちですね。
タイプ6は、どのタイプよりも不安要素や危険に敏感です。そのため、炭鉱のカナリアとして一人は欲しい人材ですね。
また、その仲間意識にも目を向けなければなりません。タイプ6は恐怖に対して逃げるにしても立ち向かうにしても、仲間の必要性を一番理解しているタイプと言っても過言ではありません。
ある時は炭鉱のカナリア、ある時は友情の橋渡し、ある時は忠実な組織の守り手……タイプ6の性格的特徴は多岐に渡りますが、一概に、仲間を求め、仲間の重要性をしっかりと考えることができる人たちといえます。
今回はここまでですね。他にも色々と記事を上げていますので、興味がおありでしたらご覧いただけますと嬉しいです!
筆者:春眠ねむむ
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