【エニアグラム】タイプ5:調べる人を普通に解説

エニアグラム
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こちら普通の解説記事となっております。劇毒がお好きな方は以下リンクより別記事をご覧ください。

「調べる人」というあだ名から、ついつい「それなり以上にネット検索してる人」というイメージがある人たちですね。

ですがこのタイプの人たち、多くは「ちょっとネット検索するだけ」の域にとどまりません。調べ尽くし仮説を立てたり検証したりし、真偽を確かめる。そんな、ちょっと病的なまでの調べもの好きです。

タイプ5の特徴

タイプ5の中には、常に大きな不安が渦巻いています。

自分はこの世界を渡っていくだけの力を持っているのだろうか?

これが、タイプ5を調べる人たらしめる原動力ですね。行動する前に徹底的に調べ尽くし、対策を立て、「完璧だ」と思えてようやく前に進む。

慎重さで言えばタイプ6とかもその傾向が強いですが、タイプ5も大概です。

というより、タイプ5は「できない」ではなく「完璧にできること以外をやらない」というスタンスです。

そのため得意分野にひたすらこだわる人や、ずっと脳内で目の前で起きた事への対策を立てまくる人など、とにかく「完璧だと思えるまでやらない」というタイプが多いのが特徴ですね。

あかつき
あかつき

この特徴がいい感じに出れば思慮深い知恵者、悪く出ると口先で論評するだけの木偶の坊になります

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性格

基本的に憶病で挑戦には消極的ですが、その様子を実際に人に見せることは稀です。というのも、「できない」ということが露呈することを恐れる傾向もあるからです。

「何もできない」は嫌。かといって行動し続ける力も勇気もない。

そんなジレンマを抱えたタイプ5は、やがて得意分野という一つの答えに至ります。

「この分野/この能力なら、下手な奴には負けない」

そんな分野を見つけ、持ち前のひたすら研究する頭脳で調べ上げ、応用し、他の誰でもない自分だけの得意分野に育て上げる。そういう感じの人たちですね。

ですが多くの場合、得意分野に傾倒するためには時間が足りません。日々の生活や人付き合い等、あらゆる余計なものが付きまとうからです。

そこで、タイプ5は必要最低限以外の余計なものを断ち切って得意を育てる時間を捻出します。

一人でいないと思考を重ねる時間も整理する時間もないし、得意を満足いくまで磨くなんてもってのほか。

「タイプ5は孤独を欲しがる」という記述が散見されますが、その理由は異常の通りです。

タイプ5の基本方針

タイプ5の基本方針はだいたい2つです。

  1. 行動せずにひたすら観察
  2. 誰もいない未知の領域を開拓する

一見すると全然つながりがないように思えますが、案外つなげようと思えばつながります。

まずタイプ5は、影響が及ばない外側から物事を観察します。ひたすら観察し、情報を集め、その上で調べ尽くし、そこからさらに思考を重ねていきます。

そしてある時、ふと思い立つのです。

「これってもしかしてこういうことか?」と。

物事を徹底的に調べ尽くせば、大抵は何かしらの結論や持論に至るものです。タイプ5はそれを当たり前のようにやり、興味を持ったものに対してはどこかに書いている以上の答えを導き出します。

知性へのこだわり

タイプ5は自分自身を「非常に知性ある、独自の見解を持つ人物」と見なすことが少なからずあります。

そのため、「頭のいい人物」「独自の見解を持つ人物」という自己イメージがそのままアイデンティティになるケースが多いのです。

当然、斬新なだけで支離滅裂な物の見方を何でも評価するわけではありません。あくまで本人なりに理屈が通っており、ある程度の妥当性を帯びていなければ評価に値しないでしょう。

教科書に書いてあることをそのままではダメ。かといって根拠のないデタラメな言い分でもダメ。

タイプ5的な知性のハードルは、なかなかどうして厳しいです。

ですがこういう難関を飛び越えるからこそ、タイプ5は常識を超えた斬新な、それでいて非常に知的で骨組みのしっかりした答えを出していけるのです。

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恐れと求めるもの

恐れ
→無力、無能
欲求
→有能でありたい

タイプ5が最も恐れることは、世界の中でろくに機能しないこと。もっと言えば、無力でただ呆然と立ち尽くすだけの存在に成り果てることです。

タイプ5が得意分野を磨きたがるのも行動したがらないのも、すべてはこのためですね。

得意を磨けば、その分野に限れば無能感や無力感に苛まれることはありません。

行動しなければ、自分の無能を真に自覚する事態は避けられるでしょう。

また、得意分野以外のことを行わなければ、常に「自分は無能ではない」と感じ続けることができます。

タイプ5は、自分が世界で戦っていけないこと、無力であることを最も恐れています。そのために戦える分野を探し、アウェーでなくホームで戦い続け、「こんな自分でも世界で生きていけるんだ」と実感したいわけですね。

他者の手を借りない

タイプ5は時として、他者の力を全く考慮に入れずに動きます。これは意図してあてにしていないのではなく、そもそも手を借りるという選択肢が眼中に入っていないことが多いです。

タイプ5にとって重要なのは、「自分が世界でやっていける人間かどうか」。主眼は物事の達成でも他力本願でもなく、自分自身ができること、できないことに向いています。

要するに”自分が”有能でなければならず、目的達成のために有能な他人の手を借りたりなりふり構わず行動したりすることは、決して主目的になりえないわけですね。

そのためタイプ5が何かしらの課題に直面した時、手を貸してくれそうな人ではなく自分にできること、できないことを考えます。

そしてできることがあれば失敗しないよう用心深く行動しますし、できないと思えば問題から立ち退いていくでしょう。

タイプ5の恐れは無力であり無能。決して無様を晒すことは許されません。

そのために行動できる分野を絞り、失敗しないように立ち回り、それができなければさっさと前線を離れていくのです。

あかつき
あかつき

ネットとかだと自称軍師も多い印象。結構知力とか思考力とかに希望を見出していることが多いですね

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ためこみに囚われる

七つの大罪で言うところの強欲に当たるわけですが……こういうオカルティックな話はやめておきましょう。

タイプ5は幼いころ、少なからず以下のようなメッセージを周辺環境から受け取っています。

「世界の中で心地よくいるのはよくない」

この世界は外界、内界問わずですね。極論、「力を抜いてリラックスして生きるなんてもってのほか」ということです。

そのため、タイプ5は少なからずサバイバルのような緊張感をどこかに持って過ごしています。

これがタイプ5の無力への恐れにつながり、世界で戦っていけるだけの力を求めるに至ります。

それとためこみがどう関係しているのかというと、「有能でいられるための要素は何でも確保したがる」。これですね。

タイプ5にとっては、特に時間やエネルギーは非常に重要な資源です。これらの極力多くを、有能でいられる=得意を伸ばす時間に充てようとするため、エネルギーを消費するようなこと(多くの場合は社交はじめ人付き合い)を極力ゼロに近づけようとするでしょう。

この省エネ体質こそが、まさにため込みの囚われですね。

物質よりも精神的豊かさを

タイプ5は物質的豊かさを求めません。自分の時間を万全に確保できるならば、それこそ人里離れた山奥のかやぶき屋根の掘っ建て小屋にすら引っ越すことを検討するでしょう。

結局のところ、本音はこうです。

「華々しい体験をしたり大金を稼ぐビジネスに取り組む暇や資金があったら、自分の好きなことや考えていることを発展させることに費やしたい」

ある意味では、精神的豊かさですね。自己有能感を得られる行動、自分をより高みに押し上げてくれる事柄に徹底的に集中し、そこで得られる景色を楽しみたい。

タイプ5が豪遊するときは、大抵不健全だったりちょっと精神的に参っている時くらいでしょう。

派手に遊び派手に外界と付き合うよりも、内面世界の充足に力を使いたい。そんな人たちです。

もっと詳しく
タイプ5の囚われ「ためこみ」について

ストレス下ではタイプ7に向かう

タイプ5は「世界に押しつぶされる」「無力な自分では生きていけない」という恐れをどこかに抱えており、それらへの対抗策として知性や得意を磨きます。

ですがその対抗策すらうまく機能しないとわかった時、タイプ5は非常に強いストレスを感じるでしょう。

「自分の力では不安も恐怖もどうにもならない」とわかった時、タイプ5は対抗ではなく逃避という手法を採ります。

具体的には、目先の楽しみに飛びつくことでの感覚麻痺ですね。とりあえず楽しいこと、刺激的なことを次々と取り入れることにより、タイプ5は不安や恐怖から逃げ回ります。

例えば飲めや歌えやのドンチャン騒ぎや手当たり次第にサークルに入ったりゲームやレジャーグッズを買いあさったり、あるいは唐突にノープランの世界旅行に飛び立つかもしれません。

ストレスを忘れさせてくれるものならば何でもいい。そう言わんばかりの行動が目立つようになります。

精神が成長するとタイプ8へ向かう

精神的な成長を遂げるにつれ、タイプ5は次第に健全なタイプ8のように振る舞うようになります。

世界に自分の居場所を感じられず、圧倒されないように頭の中だけで生きようとするのがタイプ5の姿。

ですが健全になるにつれて「居場所がない」「押しつぶされる」という恐怖心が減っていき、やがて目の前にある現実に真摯に取り組むようになっていきます。

頭の中という安全地帯を抜け出すには、非常に強い勇気が必要でしょう。ですがその勇気を持てたとき、タイプ5は実際の行動へと舵を切っていくのです。

考えるのと同時に行動する姿を想像すれば、若干頭が悪くなるように感じるかもしれません。

ですが実際はそうではなく、むしろ行動することで得られる知見も糧にして、より建設的な考え方ができるようになるでしょう。

退くのではなく、進む。この姿は、もしかしたら多くの人の頼れるリーダーとして映るかもしれませんね。

もっと詳しく
タイプ5の退行(分裂)・統合

ウィング

エニアグラムではウィングというサブタイプが存在しています。それぞれ隣り合ったタイプ同士、タイプ4ならばタイプ3とタイプ5がそれぞれウィングとして溶け合って表出します。

タイプ5ウィング4(5w4):因習を打破する人

決まり事やルールといった制約を嫌い、その外へと飛び立とうとするサブタイプ。結果として常識から外れた新しい知見を提供することが多い人たちですね。

もう一つのサブタイプより良くも悪くも独立しており、頭の中に引きこもってなかなか出てくることがないタイプでもあります。

タイプ5の分析力よりも想像力・独創性で勝負する人であり、物事の見方がかなり斬新なことも多いです。

また、感情を麻痺させがちなタイプ5の中では激情家な人も多いですね。

もっと詳しく
タイプ5ウィング4(5w4):因習を打破する人

タイプ5ウィング6(5w6):問題を解決する人

もう一つのサブタイプと比べて非常に実用的。良くも悪くも分析的で、物事の成り立ちや構造をしょっちゅう調べたり解析したりする人たちです。

内省よりも外界で起きたことの分析をしたがり、人よりも物や事柄に興味を示す解説者・コメンテータータイプですね。

議論好きな一面があり、自分と違う意見を見るとついつい議論を吹っ掛けたくなる人も多いです。結構好戦的なタイプとも言えるでしょう。

ちなみに、もう一つのウィングより幾分か人に協力的ですね。この場合は参謀やコンサルといったポジションを好み、いろいろと意見や分析結果を信頼できる人に伝えます。

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まとめ

今回はタイプ5について、極力自重した内容でお届けしました。

まさしく知力特化といった感じのイメージですね。知性が好きな人なら一度は自認したい(?)タイプです。

実際、その知力や知見は多くの場合卓越しています。よほど自分の殻に閉じこもって何も見ていない人や他人を見下したり陥れる目的があるでもない限り、完全な的外れだったり毛ほどの役にも立たない意見は言わないタイプと言えるでしょう。

軍師という看板を好みやすいタイプではありますが、その実参謀として申し分ない知能を持った人が多いのも事実です。

あとはここに行動力が加われば鬼に金棒。ぜひとも目指していただきたいところです。

といったところで、今回はここまでですね。

他にもいろいろとエニアグラム関連の記事をアップしてありますので、もし興味が湧いたという方は他にもいくつか漁ってみてください。私が泣いて喜びます!

筆者:春眠ねむむ
X :@nemukedesiniso
threads:@shunmin.nemui

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