【エニアグラム】タイプ4:個性的な人を普通に解説

エニアグラム
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こちら普通の解説記事となっております。劇薬がお好きな方は、以下のページにお進みください。

タイプ4と言えば、自分なりの個性を求める姿が印象的な人たちですね。

そんな自分なりの自分を追い求める姿から、「個性的な人」というあだ名がつけられています。

タイプ4の特徴

タイプ4の特徴は、まさに求道者の一言に集約されています。

自分という存在の本質、本当の自分を探し、日々思索の世界を歩き回っている。こんな感じの人たちです。

自分は何者なのか。どんな人物で、何を好み、何を嫌うのか。そんな感じに自分に対して問いかけ続け、自分自身という迷宮の中をさまよい歩きます。

要するに自分探しですね。多くのタイプ4にとって、人生とは自分探しです。

他にない特別な自分、本当の意味での自分自身、本質と心の拠り所……自分自身にまつわるあらゆるものを探し求め、時に固執し、自分や世界と向き合っていくのです。

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性格

タイプ4の心の中には、常に欠落感が存在しています。

「自分は特別な存在だ」といい意味で自身を持つこともありますが、同時に「特別だからこそ何かがズレている」とも感じています。

そしてそのズレは、やがて自分自身の能力・性格的な欠落や欠陥、そして「特殊性ゆえに理解されない」という孤独感へと変わっていくでしょう。

同時に、タイプ4は自分の感情やこだわりを正直に表面化させます。そうすることで自分の特殊性を自認し、同時に自分自身を世界に発信し、「自分自身は何者か」を自身や外界に問うていくのです。

その問いかけの中で、やがてタイプ4は「これこそが自分だ」という一種の答えを見つけるかもしれません。

そのおぼろげな答えをさらに深掘りし、また答えを見つけ……そうやってタイプ4は自己探求という深みにはまっていくわけですね。

あかつき
あかつき

自己探求の末に何かがズレていって迷走するのもあるある……

個性を見つける

タイプ4が自分探しの末に導き出した答えは、そのままタイプ4自身の個性になります。

「ああ、こんな個性があるから自分は特殊なんだ」と。こんな風に、自分自身についてある種の納得感を持つかもしれません。

あるいは「これは自分ではない」という否定から個性を掘り出していくこともあるでしょう。

個性をあからさまにアピールするかどうか、求めるかどうかは人によりますが、タイプ4と個性は切っても切り離せない関係にあります。

というのも、自分探しの末に、他の人と違った、自分だけの個性を持った自分を発見するからですね。

この個性がタイプ4の血肉となり、自身の根幹をなしていくこととなります。

他者からの理解

個性が強ければ強いほど、自分だけの価値観が強固であれば強固であるほど、当然ながら他の人たちとの溝は深まっていきます。

やがてタイプ4は自分の個性を自覚し、「自分と同じ人は存在しない」「自分の価値観を完璧に理解できる人はいない」という結論にたどり着きます。

そして「誰もわかってくれない」は「わかられてたまるか」という意固地、そしてアイデンティティに変貌していくのです。

タイプ4は「自分が誤解されている」という感覚とともに、そんな特別・特殊な自分に傾倒していくでしょう。

タイプ4は心の奥底では理解者を欲しています。どこかで「ありのままの自分を受け入れてほしい」と願っています。ですが同時に他者からの理解を拒み、「他人なんかにわかるはずがない」と一種のプライドのようなものを持ち続けます。

「わかられてたまるか」と「わかってほしい」を同時に持ち合わせ、タイプ4は複雑な性格を形成していくのです。

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恐れと求めるもの

恐れ
→何者でもないこと
欲求
→自分自身でありたい

タイプ4の人生を構成する中心要素は「自分」です。

自分が何者なのかを探し求め、自身の感情や思いの断片を拾い、「もしかしたらこれが自分なのかもしれない」と常に考え続けます。

そして何者かになろうとしつつも、タイプ4が「自分は何者なのか」という問いに対する本当の答えを見つけることはまずありません。

ずっと「自分らしさとは」という答えのない迷宮の中を歩き続けるわけですね。

書籍にはこうもあります。

アイデンティティは、スタイルや好み、他人の中にある惹かれる性質などをもとにしています。

結局のところ自分の本質にアクセスするのは至難の業であり、代わりに目に見えるものから自分らしさを拾っていくわけですね。

タイプ4は自分がないことを恐れています。そのため、目についたそれらしいものに飛びつくことで一応のアイデンティティを確保します。

こうして「これが自分自身だ」と納得することで自己を決定付け、自分らしさに嵌まり込んでいくわけですね。

自分の感情に素直

自分らしさを求める上で、自分の感情を理解することはある意味必須と言えるかもしれません。

そのためタイプ4は、自分の感情に対して非常に素直に行動します。

好きなものは好き、嫌いなものは嫌い。固執したいものには固執したいし、どうでもいいものはどうでもいい。

こんな具合なので、自然と「自分とは」という問いに対して一応の答えが形成されていきます。

この答えは、多くの場合その場の感情に即した即席のものとなります。

気が変われば答えも変わりますし、その場の感情が収まればまた答えがわからなくなるかもしれません。

ですが、一時的なものとはいえ、見つけたものは自分らしさを担保してくれる救いとなります。

タイプ4はアイデンティティを持たないこと、自分自身がないことを恐れる。その恐れを消し去ってくれるものが目の前にあれば、それに飛びつかざるをえないわけですね。

「嫉妬」に囚われる

タイプ4を取り巻く感情は、嫉妬です。

多くの場合、タイプ4の自分らしさは欠落に裏付けされたものがベースとなります。

他の人と比べて劣っている点、不遇な点を見つけ、それらを元に自己を形成し、「他の人たちはなんて素晴らしいんだろう」「自分と比べて多くの長所や幸せを持ち合わせている」と羨望や嫉妬を覚えます。

この劣等感と羨望は、やがて自分自身への失望、絶望に変貌していきます。

そしてその絶望感を他人に投影し、「きっと他の人は自分を評価していない。好いていない」と感じ、鬱々とした気持ちをどこかに抱えたまま感情の波におぼれていくでしょう。

ですがこの劣等感や苦しみ、羨望、嫉妬といった感情を積極的に表すことは、多くの場合極めて稀です。

大体の場合はそのネガティブな感情をできる限り封じ込め、他者を遠ざける形で隠し通そうとします。

ですが同時に「この絶望を他人にぶつけたい」とも考えており、絶望感を表現したがるフェイズと必死に隠すフェイズを行ったり来たりします。

自分らしさへの昇華

タイプ4は常に「他者にあるものが自分にはない」と欠落感を感じていますが、その感情を補填・昇華させる方法も同時に持っています。

それが、自分らしさへのこだわりです。

自分の欠落部分を「これこそが自分らしさだ」と結論付けることで、その欠落を個性とし、自分らしく振る舞うための拠り所にします。

やがて「人より劣っている」「人より不遇だ」といった欠落感は特別意識と誇りになり、タイプ4は自意識と自己陶酔を高めていきます。

苦悩や悩みや嫉妬がアイデンティティとなっていくわけですね。劣等感にアイデンティティを感じ、それに執着し、自分に欠けたものや劣等感を補填する何かに執着していくのです。

あかつき
あかつき

自己陶酔の素を探すというか劣った部分を探すというか……

タイプ4がやりがちなことの一つに、自分の長所や幸せな部分を頑なに無視し続けるというものがあります。ホント何なんだこいつら……

もっと詳しく
タイプ4の囚われは「嫉妬」

ストレス下ではタイプ2へ

タイプ4は多くの場合人と距離を置いて自分の空想世界を守りますが、それでは人からの関心を得られません。

このことはタイプ4とって強いストレスになり、やがてタイプ2のように人に自ら近づいていきます。

この時のタイプ4は無意識下で「人間関係を維持できていないのでは」という不安と焦りを感じており、これが人との距離感を狂わせます。

具体的には、わざとらしく親密さをアピールしたり、急に人に優しくし始めたりするのです。

「自分はまだ人と繋がっていられる」「人から望んだ通りの関心が得られる」という確証を欲しがるわけですね。

あまりに人から関心を得られないと、騒ぎ立てて周囲の気を引こうとするかもしれません。あるいは今日依存の関係を望み、誰かを甘やかし始める可能性もありますね。

結局のところ、タイプ4は人からの関心や好意を欲しがるタイプです。その思いが爆発すると、上記のような行動が目立つようになるでしょう。

精神が成長するとタイプ1に向かう

精神が成長するにつれて、タイプ4は自分らしさや自分の感情への固執を減らしていきます。

自分らしさとは個性にしがみつくものではないと知るわけですね。

やがてタイプ4は一人で都合のいい世界を夢見るのではなく、現実世界に根差して建設的な活動を始めるようになります。

「自分は何者なのだろう」という問いに対し能動的に答えを模索しなくても、自分自身という存在を実感するようになるでしょう。

自分が何者なのかを探すこと、強く意識することは、結局のところ自分自身という答えにはならない。そのことをしっかりと理解するわけですね。

過去の苦しみ、人との違い、欠落感、自分を責める自分etc.

あらゆるものを手放し、不都合な部分を含めてあらゆる自分を受け入れ、目の前にいる等身大の人を受け入れることで、タイプ4はより満ち足りた人生を歩めるのです。

詳しくは以下にも書いていますので、興味がおありでしたらそちらもご覧くださいませ。

もっと詳しく
タイプ4の退行(分裂)・統合

ウィング

エニアグラムではウィングというサブタイプが存在しています。それぞれ隣り合ったタイプ同士、タイプ4ならばタイプ3とタイプ5がそれぞれウィングとして溶け合って表出します。

タイプ4ウィング3(4w3):貴族

もう一つのウィングと比べて自意識が高く、自分がどう見られているかをより強く気にする人たちです。

ウィング5の人たちと比べると外向的で社交の場に出やすく、しばしば「自分とはこういう人なんだ」とアピールしているタイプですね。

また、洗練されたデザインや優雅でハイクラスなものが大好き。何なら、自分たちがその類の存在であることを望むかもしれません。

競争心、虚栄心、そして自意識、アピール力。これらを持ち合わせていたり、あるいは欲している人たちと言えるでしょう。

もっと詳しく
タイプ4ウィング3(4w3)

タイプ4ウィング5(4w5):ボヘミアン

もう一つのウィングと比べて超常的。社会からは隔絶された脳内世界に入り浸る傾向があるタイプです。

基本的に肩書や能力、経歴などをそこまで重視せず、どちらかというと社会から身を引いてふよふよと浮いているイメージがある人たちですね。

往々にしてエキセントリックで独創的であり、競争や装飾よりも個性に価値を見出していると言えるでかもしれません。

すさまじい洞察力や思考力を有しているタイプですが、その一方で現実に根差すのはかなり苦手な傾向があります。

タイプ4ウィング5(4w5):ボヘミアン

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まとめ

というわけで、今回はタイプ4について、努めて自重してお届けいたしました。

あくまで普通になれない。自分とは何者なのか知りたい。自分を確立したい。この3本柱で成り立っているのがタイプ4です。

個性を求めるのはあくまで結果。「自分は普通になれない」「自分という存在を見つけたい/示したい」という劣等感と自己顕示欲から、タイプ4は自身の個性を探し求めます。

結果として行きつくのは、自分なりの特徴を持った、自分なりの人物像。何なら、表現も自分なりです。

タイプ4の「個性的な人」という言葉が独り歩きしている場面も少なくありませんが、その実は「自分を追い求める人」とでも言った方がニュアンスは正しいかもしれませんね。語呂悪いけど。

何だかんだと言ったところで、みんな同じでは優劣が存在しているだけの世界になります。そしてそんな世界では、王道の手段で勝てない者に一生チャンスは訪れません。

こう考えると、タイプ4の自分なりの自分を追い求める姿もかなり参考になるのではないでしょうか?

さて、そんなところで、今回はここまでですね。

他にもいろいろとエニアグラム関連の記事をアップしてありますので、もし興味が湧いたという方は他にもいくつか漁ってみてください。私が泣いて喜びます!

筆者:春眠ねむむ
X :@nemukedesiniso
threads:@shunmin.nemui

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